tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「長期的視点→近視眼→瞬間的」:忙しいから? 

2024年11月26日 16時35分13秒 | 文化社会

このブログでは、日本的経営の基本である2本の柱は「長期的視点に立つ経営」と「人間中心の経営」だといつも書いています。

これは、かつての日経連が建てた定説ですが、経営だけではなくて、世の中万事「長い眼で見て」物事を考えた方が間違いないという事の様な気がしています。

ゴルフどもそうで、若くて素晴らしいスコアを出すような人は、「3歳から始めました」などと言っています。サラリーマンになってから始めましたなどという人は大体100を切れば万歳、時に80台が出ればお祝いというところまででしょう。

余計なことを書きましたが、今の社会は、毎日新しい知識が入って来て、例えば、MMTという貨幣理論が入って来て、いくら赤字財政をやっても、貨幣発行権を持っている国は大丈夫ですから、景気を良くしようと思ったら、政府は、赤字でも思い切ってどんどんカネをばらまけば景気は良くなりますなどといいます。

それが正しければ大変便利でいい方法ですから、今の日本でもそれを信用している政治家も結構いるようです。

経済というのは、いろいろな要素が絡まって動くものですから、2000年代に入ってからの世界中が長期不況という様な時にはそんな気がしたのかもしれません。

しかし長い目で見れば、そんな上手いことは無いと解ってくるわけでそれは長期的視点で、経済の動きの色々な経験をきちんと整理すれば理論的にも解る事なのです。

ところが、最近の世相を見ていますと、人の生活は,なぜかどんどん忙しくなって、コスパがタイパになり、ビデオを倍速で見たりといった時代です。

新聞や雑誌で活字を読んでいたのが、タブレット、スマホになり、世界中の情報が津波のごとくです。活字を読むのでは遅すぎる。SNSやX、ユーチューブで、視覚、聴覚、肌感覚、第六感、総動員で、要点だけ拾って、情報武装になるのでしょう。

タブレットやスマホでは、遠くの世界の物も眼の前ですから、若い人も近視が多くなって来るようで、眼球が近視になるだけでなく、頭の中も近視眼的になってくるように思われます。

しかも、1つの画面を見る時間は瞬間的なものですから、入ってくる情報は、前後の関係よりも、その瞬間々々の中の印象の強烈なものだけになりそうです。

これではどう見ても世の中を長期的視点で見るという余裕時間はなくなって、近視眼的、瞬間的な「印象」の世界に支配されるようなことになるのではと心配する所です。

最近オーストラリ例が報道されていますが、アメリカの諸州、ヨーロッパでも子供や若者とSNSの問題が起きているようです。

勿論若者でなくても影響を受ける人は大勢いるでしょう。最近の政治家や選挙関係のトラブルも、瞬間的映像や、説明不十分や部分切り取り的な情報によるものが多いようです。

何故かやたらと忙しい世の中ですが、やっぱり、瞬間機情報でも繋ぎ併せたり何とか深読みしたりして少しでも長期的視点にしていくようにするというのが最近の情報リテラシーの在り方という事になるのではないでしょうか。


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