2022春闘も、そろそろ個別企業の交渉の時期を迎えていますが、順調な滑り出しのニュースも流れて来ています。
春闘の所謂パターンセッターは時代と共に変わりますが、今は何といっても自動車産業でしょう。
自動車産業も、この所の世界的な混乱の中で、国内ではコロナ禍、海外関係では原油の高騰だけではなく、国際的なサプライチェーンでの問題から部品供給も思うに任せず、更には、米中貿易戦争などいろいろなトラブルの影響を直接間接に受けながら、円安という助けもあって、多様な努力の末の増益基調といった状況のようです。
日本の自動車産業のリーダー、トヨタでは、既に、労使の話し合いが始まり豊田章男社長から「賃金・賞与について会社と組合の間に認識の相違はない」と、驚くような前向きの発言が聞かれたことが、組合側からのニュースで入ってきています。
勿論自動車産業の中でも事情はいろいろでしょうし、日本の産業全体を見れば、コロナ禍もオミクロン株の予想外の猖獗で、終息の目鼻はまだまだつかず、深刻な打撃を受けているところもありますから、結果を予想するのは早すぎるでしょう。
しかし、多くの人の希望的観測から言えば、連合のいわば控えめな要求に対し、政府の賃上げ奨励、加えて経団連の賃上げ肯定の意思表示もあり、結果は高めと予想されるのではないでしょうか。
このブログもそんな感覚を共有しながら、その先の、高めの賃上げの個人消費への反映、それによるGDPの増加(経済成長率の上昇)、日本経済の停滞状況からの脱出といった夢を描いたりしています。
その中で当面する最初の問題は、賃金が上がっても可処分所得(手取り賃金)が増えるかといった問題です。
当面増税はないようですが、社会保険料負担はどうでしょうか。年金生活者の場合は、制度改正で、手取りに影響が出そうですが、勤労者所帯の場合はどうでしょうか。
その次の最も重要な問題は、勤労者所帯が、増えた手取りをどこまで使うかという問題です。
これには2段階あるでしょう。第一段階は、コロナ禍の終息です、コロナ感染の危険があるうちは、誰もが行動の制限をしています。皆んなコロナがOKになったら、大いに羽を伸ばそうと考えています。
次の第2段階は、コロナの心配がもう大丈夫となった時に、つまり、日常生活が正常に戻った時に、どこまでそれぞれの個人・所帯が消費を伸ばすかです。
これは、統計上で見れば、将来不安・老後不安からずっと低下傾向だった、勤労者の消費性向、ひいては日本の全所帯の平均消費性向が、何時、日本経済が健全だった頃の水準まで戻るかという事です。
これは、恐らく容易なことではないでしょう。
出生率を始めいろいろな難問がある中で、例えば、日本経済が順調に成長を続け、賃金も年々上がる状態が実現する事、貯蓄をしておけば、適切な利息が付いて、かつてのように年金は「確定給付」が当たり前、といったことも必須です。
これだけ取って見ても日本の政府・日銀に、何時になったらそれが出来るだろうかなどと考えてしまいます。
しかし、出来ないと、日本は救われないので、何卒よろしくお願いしたいと思います。