降って来るもの

写真と散文とぽえむ

倒錯の日時を

2024-01-04 18:19:26 | 詩29

 

     倒錯の日時を

 

時間の間の時の歴史は

新しい年明けを言祝ぐ瞬間にも

能登で数多の人々の悲涙を絞り

羽田で世界の耳目を集める惨事を演出

北九州では紅蓮の炎で希望を焼いた

 

相変わらず世界では

殺戮の訳を自慢気に語る独裁者が居て

死の交換で食い違いを糺そうとする

 意固地な指導者たちが居る

 

けれど、おお!!この市井の

 取るに足らない凡庸のその他大勢の輩は

ただ茫然と成り行きに任せるしかない

 

僕等は、この歪んだ風景の中に居て

軋む地軸の悲鳴に慄きながら

倒錯の日時の

 count不可の吉凶を道連れに歩く

 

               1/4 18:18 万甫

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遊々舟

2024-01-04 06:01:35 | 詩29

 

     遊々舟

 

僕は今宵も

”遊々舟”に乗って

昔印のヒトやモノや物語や

懐かしい会話に出合いにゆく

熟睡の度合いの傍らで起きる

僕の、僕だけの

夢中の千石船

 

起きれば直ぐに消えてゆく

諸諸の

ゆめの航跡

 

 

     Poemが・・

 

仰向けのまま

目を閉じたまま

僕はトムソンのように

浮き上がって来る言葉をなぞって

脳内の空き頁に、それを書写してゆく

 

けれど

本物の紙とペンがないので

時として

それは幻のまま、闇に消える

その様にして、否応なく

何篇のポエムを見失ってきただろう

 

降って来るときの

定番の規則はないので

それは、夢中でも

浴槽に浸かる時にも

運転中やウオークの途中や

アイロンを操っているときにも、起きる

勿論、紙とペンを用意した

準備万端の場でも起こるので

僕は今まで

二十七冊の詩集を上梓し

まだ、タイトル未定の

二十九冊目のページを埋めているのだが・・

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする