大反戦劇を作りたい！

俳優の仲代達矢さんが、今年の文化勲章をもらいました。
受賞の弁で、亡くなった愛妻の宮崎恭子さんへの感謝の気持ちと、「人生の最後に、大反戦劇を作りたい」と語ったそうです。
戦中に育ち、極貧の中で過ごした仲代さんは、私と同じように、戦争体験から、反戦の気持ちが強いようです。それだけに、「反戦劇を作りたい」と言う仲代さんの気持ちはよくわかります。しかも、文化勲章の受賞の弁でそれを公言するその心意気に共感を覚えました。

私は、国が国民に等級をつける叙勲制度を、そもそも快く思っていません。
私は難聴ですので、演劇は観ません。従って、仲代さんの舞台を観たことはありません。映画で見たのは、昨年見た「約束」と言う映画だけです。



名張毒ブドウ酒事件を描いたドキメンタリー映画です。この中で、仲代さんは死刑囚の奥西勝さん役を演じました。弁護側の無罪の立証と仲代さんの迫真の演技で、私も奥西勝さんは、無罪だと確信しました。しかし、奥西さんは再審請求が認められないまま、今年１０月４日、「死刑囚」のまま、獄中で病死しました。
2013年2月、再編集版が映画として公開され、仲代さんは、初日の舞台挨拶で、「奥西さんは、冤罪である」との見解を述べたそうです。

仲代さんのような気骨のある俳優が段々少なる中、これからの益々の活躍を期待したいと思います。