今回の内閣改造で、文部科学大臣に柴山昌彦衆議院議員がなりました。柴山衆議院議員は私の住む衆議院小選挙区埼玉8区(所沢市など)の選出です。
買収選挙で辞任に追い込まれた新井元議員のあと、自民党の公募で選ばれた候補者で、当時から安倍晋三氏との関係が深かった方です。
大臣に就任した記者会見で、教育勅語を賛美するような発言をしました。こんな方が文科大臣として働き出せば、道徳教育に名を借りて教育勅語を学校に持ち込みかねません。
私は、守ろう憲法オール所沢連絡会に加入して「憲法守ろう」「アベ政治は許さない」の活動を続けています。この会が、柴山大臣の発言に抗議し、辞任を求める決議をしました。以下、転載しますので、ぜひ、お読みください。
柴山昌彦文科相の辞任と、憲法尊重の教育行政を求めます
埼玉8区選出の柴山昌彦衆議院議員が安倍第4次改造内閣で文科大臣となりました。そ の柴山氏の就任早々の教育勅語容認発言に、地元住民として大変驚くと共に憤りを表明す るものです。
報道では柴山氏は「現代風にアレンジした教育勅語には普遍性があり、道徳教育などに 使える」と語り、どの部分が普遍的かとの質問に「同胞を大切にする」ことなど例示したとされ ています。右翼改憲団体「日本会議」などの「教育勅語復活論」と軌を一にするものです。
日本の教育行政の最高責任者である文部科学大臣が、戦前の軍国主義教育の主柱で あった教育勅語を礼賛することは決してあってはなりません。
私たち日本国民は、忘れることの出来ない記憶を持っています。教育勅語は戦争末期ま で、小学生になれば暗唱を強制され、殺し殺される戦争にかり出す役割を果たしました。当 時の国が作成した教育勅語の解説書(勅語衍義)には、「真正の男子にとって、国家のため に死ぬことよりも愉快なことはない」との趣旨が記載されています。 「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」(訳:何かが起きた場 合はすみやかに勇気を出して天皇のためにつくせ)。この教えを受け、すべての日本の子ど もたちが「お国のために命を差し出す」生き方を強いられました。 教育勅語で触れられる「親孝行」「夫婦仲良く」など 12 の徳目も、臣民(天皇の家来)とし て、皇国の危機に「国家・天皇のために命を投げ出す」ための徳目であり、戦前の「家長の 命令が絶対」「妻は夫に従う」など、現憲法とは相容れない価値観に基づくものです。
新憲法はその戦争の反省と世界の歴史の教訓から「主権は国民にある」と謳ったのです。 この新憲法制定を受けて、1948年、教育勅語は憲法の基本原理に反するとして衆議院 で排除、参議院で失効確認の決議がなされました。 衆議院の排除決議の趣旨説明において、教育勅語の内容は部分的に真理性があるとい う意見について、「勅語という枠の中にあります以上は、その勅語そのものがもつところの根 本原理を、われわれとしては現在認めることができない」と述べられています。憲法の下、部 分的にであっても教育勅語を肯定的に評価することはできないことは、既に70年前の国会 で確認されているのです。柴山氏は国会議員としてあまりに不勉強であるか、もしくは意図 的に歴史を修正しようとしているのだと言わなければなりません。
柴山氏の発言は現憲法の根本理念を否定するものであり、大臣の憲法擁護義務に反す ることは明白です。 憲法と戦後教育の価値を否定する人物は文部科学大臣には不適格です。 憲法を守り活かすことを求める私たちは、すみやかに柴山昌彦氏が文部科学大臣を辞 任することを求めます。
2018年10月8日
「守ろう憲法・オール所沢」連絡会