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沈まぬ日本製鉄 橋本改革V字回復の真相 日経ビジネス誌の特集 負け犬から這い上がるためには・・・

2022年11月21日 | 本と雑誌

社長業というのは本当に大変な仕事だと思います。

平時ならまだしも有事の際に社長を務めるというのは、ものすごいストレスだと思います。

今週の日経ビジネス誌2022.11.21号の特集は、「沈まぬ日本製鉄 橋本改革V字回復の真相」。

もうオワコンだと言われた日本製鉄再生が取り上げられています。

中国、韓国に追い上げられ、危機に陥った日本製鉄を再生したのは、2019年に社長に就任した橋本英二さん。

その強引で辣腕ぶりが、日本製鉄を負け犬から立ち直らせました。

 

Contents

Part1 トヨタにのませた大幅値上げ 負け犬体質を変えた大幅値上げ

Part2 日本製鉄が支える「鉄は国家」インド開拓に1兆円 グローバル3.0の野心

Part3 道険し脱炭素 静脈人材に託す

Part4 日本企業の悪循環を断つ 利益なき顧客最優先を改めよ

苦境に陥った製鉄業をどうするのか?

ちょっと想像もつきません。

橋本英二社長は、4つの柱を打ち立てました。

1 国内の高炉基数 15基→10基

2 国内の粗鋼生産能力 5000万トン→4000万トン

3 コスト削減 年1500億円

4 要員数の削減(採用抑制など)最適配置 20%以上

徹底したコストダウン、リストラ、ダウンサイジングを短い期間に一気に進めたということでしょう。

国内で4期連続で赤字だった日本製鉄を黒字化しました。

広島県呉市にある日本製鉄呉製鉄所(日新製鋼呉)も廃炉になり、3000人の社員が職場を去りました。取引き企業、下請けなどの存在を考えると、大ショック療法です。

有事のリーダー橋本さんにしか出来ない荒療治でした。

橋本社長が重視した改革3原則

1 利益や社員を犠牲にした顧客至上主義に陥っていないか

2 上からの改革で会社を全体最適化できているか

3 改善が独善的にならないようガバナンスがきいているか

改革3原則を遂行するためには、製造現場から営業、さらには事務方など全員で動くしかありません。

同特集記事には、橋本社長のインタビューが掲載されています。

「危機の真因は経営統合」

「経営会議でのシェアの報告はやめさせた」

「顧客には鉄の苦しさを分かってほしかった」

「トップしか言えないことがある」

「人のせいにしてはいけない」

中村社長は熊本県出身の九州男児。

でも社長就任には毎晩夜中に目が覚めたとのこと。

やはり社長業は、たいへんな仕事です。


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