現在住んでいるマンションの管理組合の総会に参加してきました。
輪番制で回ってくる役員(理事長、理事、監事など)の当たり年になるため、土曜日の夜7時から8時30分までということで参加。
総個数の四分の1の人たちが出ていました。
残りの人は、委任状を提出されているようで総会の有効性は担保されているものと思います。
マンション管理会社の重要事項の説明から始まり、各議題もシャンシャンと終わるものと思いきや、あるオバちゃんから質問の嵐・・・。
現在の理事長や理事も管理会社のサポートを受けながら四苦八苦の答弁。
質問の中身はというと「隣のポチが滑ったころんだ」という世界。
一般会計の剰余金を修繕積立費に組み替える・・・金融機関を変える・・・デジタルブレーカーに切り替える・・・そんな話に対して、いちいち詳細について質問をされるのです。
こちらとしては、お腹もすくし、土曜の夜のウイスキーという至福のひと時もあるし、さらにはサムライジャパンのWBC壮行試合も見たいし、早く帰りたいんですけど・・・(笑)。
手持ち無沙汰なので、このオバちゃんを観察していると、次の4点に気づきました。
1.事前に配布資料に目を通しているものの、字面を追っているだけ。
2.司会進行から「何か質問はありませんか?」という問いに対して、必ず何か質問しなければならないという使命感を持っている。
3.マンション管理会社や業者から絶対に騙されたくないと思っている。
4.単に、その場を仕切りたい。
質問をするのであれば、事前に資料を配布しているのだから、基礎知識がなければ、自分でネットを使って調べるとか、その会社に問い合わせてみたりするのがビジネスの普通のやり方。
そのオバちゃんは、絶対に騙されたくないということで説明を求めるため、基礎の基礎からの解説が必要になるわけです。
小学生に微分積分を教えるようなもので、そこにはものすごい時間と労力、それに忍耐が必要とされるのです。
こういう方は、企業の会議などでも散見します(笑)。
日頃、マネジメントがどうしたこうしたと言っている自分自身を振り返ってみると、同質的な社員を前提に事を進めていることに改めて気づかされました。
会社の置かれている状況や歴史、持っている価値観、その会社の会議のルール、性格や特徴なども知っている参加メンバーとの日頃の関係性などなど、ある一定の限られたモデルの中でのやり取りの中で、マネジメントをやっているわけです。
コミュニケーションギャップがあったり、理念やビジョンが共有されていなかったり、指示が徹底されなかったり・・・。
それでも、マンション管理組合や町内会、同好会、権利能力なき社団などに比べれば、「楽」です(笑)。
世の中には、本当にいろいろな人がいるわけで、価値観も考え方も知識、スキルの格段に違う人をまとめていくのは本当に大変だと思います。
「話せば分かる」が通用しない世界を久々に体験しました。
逆に、外から見ると会社で仕事をやっている人々は自分たちのルールの中に生きる特殊な人たちだと思われていると思います(笑)。
会社から内定をもらった学生時代、会社に入ってやっていけるのだろうか?という危惧を抱いたのも、会社という特殊な世界への違和感、恐怖感があったからだと思います。
早いうちから非営利組織のマネジメントの重要性を説いたドラッカー博士的に言えば、非営利組織ではビジョンや方向性を共有化していくマネジメントが重要ということになると思います。
でも、それも大変な労力・・・です。
今回の総会、オバちゃんのお陰で時間オーバーの21時に終了。
これでやっと夕食にありつける・・・どっと疲れが出た週末でした。
追伸
今、思ったのですが、マンション管理会社の社員さん。
遅い時間までご苦労様でした。その仕事の大変さを少しながら体感することができました。
ある意味、飲まなきゃやってられない仕事かも知れません。
でも、これからも増え続ける集合住宅・・・。建て替えやバリアフリーなどの課題も山積している業界です。
うまいビジネスモデルを構築すれば、さらに発展する可能性大の分野だと思います。