レストハウス・・・広島市の平和公園の中にあるモダンな建物。
戦前は、大正屋呉服店として建てられた洋館です。
当時は、モガ(モダンガール)、モボが集まる最新のファッションブティックでした。
1945年8月6日、米軍のB29エノラゲイ号により投下された一発の原子爆弾により広島の街は壊滅。
14万人が虐殺され、今でも放射能による障害を持つ方々がいます。
レストハウスは爆心地から100メートル。
外枠だけを残して全て消失。
昨年、レストハウスは修復され、当時の姿を蘇らせました。
内部には、資料展示スペースや教室、被爆ピアノもあるオシャレなカフェもあります。
今週、そのレストハウスで、原爆投下後、原爆ドーム前で土産物店を開いた吉田さんの店が再現されています。
「原爆1号 吉田記念品店」
全てが破壊され、焼け野原になった広島市の中心部で土産物店を開業。
生きるためとは言え、「原爆で金儲けするのか」という批判もあったようです。
当時の様子がリアルに再現されています。
平和公園を訪れた人たちのメッセージも掲出されています。
以前、アジアの人たちを平和公園、原爆ドーム、資料館に案内したことがあります。
一人の方が言いました。
「広い公園に原爆が投下されて被害が少しは少なくなったんですね」
この地は、当時、広島市の中心部で、カフェや映画館、飲食店などが軒を連ねる中心市街地であったことを説明すると驚かれていました。
広島市の中心部だった中島地区。
人々が集まるにぎやかな商店街でした。
NPT、核禁止条約も、なかなか前に進みません。
核兵器先制使用の条項も削除・・・人類の叡智は一体どこに行ったのでしょうか?
原爆ドームの隣に建つ「おりづるタワー」。
地場の広島マツダ社が観光用にリニューアルしたビルです。
原爆ドームを望める屋上までの入場料が1700円と高額だったため、一部からは「平和でカネをもうけるのか」という批判もありました。
個人的には、「戦争でカネを儲ける」軍需産業や兵器産業よりも「「平和でカネをもうける」ほうが良いと思うのですが・・・。
東大の藤原帰一教授の言葉があります。
「核兵器の使用は甚大なる災禍をもたらす。ヒロシマ、ナガサキは、その事実を世界に発信し続けることが極めて重要である。」
そのとおりだと思います。
微力であるけれども、市民として77年前に行われた殺戮の事実を発信し続けなければなりません・・・人類の叡智を信じて・・・。
今までタブーとされていたジェンダーやLGBT、人種差別なども良識ある市民の地道な努力、協働で世の中を動かしてきました。
核兵器不使用、廃絶も、人類の良識、叡智を信じて、あきらめず前を向いて進んでいくしかないと思います。