毎日のように新聞やwebを賑わしている「クラウド」という言葉。
クラウドソーシング、クラウドファンディング、クラウドコンピューティング・・・。
自分自身もちょっと勘違いしていたのですが、
「Crowd」と「Cloud」は違うということ。
「Crowd」は、群衆のこと。
クラウドソーシング、クラウドファンディングは、こちらのクラウド。
大学1年生の時、クラスの担任に言われて読んだ米国の政治学者デヴィッド・リースマンの名著「The Lonely Crowd(孤独な群衆)」を思い出します。ポリティカルアパシー(政治的無関心層)、マスマニュピレーション(大衆操作)といったリースマンの言葉を今でも覚えています・・・若かったなあ。
「Cloud」は、雲のこと。
クラウドコンピューティングは、こちらのクラウドです。
「ノンちゃん雲に乗る」や「坂の上の雲」・・・空に浮かぶ雲を指します。
ややこしいです(笑)。
1. クラウドソーシング
インターネットを介して不特定多数の個人または企業にアクセスして、必要な人材を調達する仕組み(中小企業白書2013)です。
雑誌ワイヤードで紹介されて以来、世界的に浸透、拡大しています。
日本では、ランサーズやクラウドワークスなどの会社が業界大手。
ホームページ見ると、ビジネスモデル、マネタイズの仕組みがよく分かります。
基本、成果報酬型の収益モデルで、システム利用料として5~20%を取るとのこと。20万円の仕事でクラウドソーシング会社に1万円入るという形です。
ノマドワーカーやナレッジワーカーにとっては、ちょっとした小遣い稼ぎにはなりそうです。
ただ、その仕事の品質、成果物は???
クラウドソーシング会社で、受注者側のスキルチェックや、過去実績の「評判」の見える化、可視化をしているようです。
最近では、大企業向けのエンタープライズモデルも登場。個人に直接発注がしづらい大企業と個人の仲立ちをするビジネスも出てきています。
2. クラウドファンディング
こちらも、「群衆」のクラウド。
クラウドファンディングとは、インターネットを介して不特定多数の人々から資金調達する仕組みのことです。
大きく、寄付型、商品サービス購入型、貸付型、投資型の4つの類型があります。
世界的には、5000億円の市場規模。
CFの発祥の地アメリカでは事業投資型が主流ですが、日本では商品サービス購入型が中心。
レディーフォー、キャンプファイヤー、マクアケなどがCF会社の大手。
一般的なファンド目標金額は、数百万円規模。
最高額は、3500万円とのことです。
米国では事業投資型が中心のため、大手CF会社キックスターターでは1つのプロジェクトで2億円を集めたとのこと。
ロボット工作キット「RAPIRO(ラピロ)」の事例を検索されると良いと思います。
3. クラウドコンピューティング
ここで、やっと雲(Cloud)が出てきました(笑)。
クラウドコンピューティングとは、ネットワークから提供される情報処理サービスで、ネットワークと接続された環境さえあれば、情報処理やアプリケーションが利用できるもの(中小企業白書2013)。
Gメールが、その代表格でしょうか。
クラウドコンピューティングには、大きく3つの類型があります。
SaaS・・・サービスとしてのソフトウェアの提供 サースと言います。
PaaS・・・ソフトウェアの部品やプラットホームの提供 パースと言います。
IaaS・・・仮想サーバーやストレージなどのインフラの提供 アイアースと言うそうです。
最近では、
デスクトップPCやタブレット等から従量制で利用できるDaaS、
サブスクリプション方式やデータウェアハウジング、
分散コンピューティング、
GPU利用などがあるそうです。
要は、従来固定費だったシステム費用を変動費化できるというのが、最大のメリットなのではないでしょうか。
また、最新のテクノロジーをすぐに使えるということもあるのでしょうが、セキュリティという面では、少し不安です。
日曜日早起きして、クラウド・・・群衆、雲・・・のお勉強。
ちょっと長くなりましたが、クラウド話をさせていただきました。