小職の周りで、最近、なぜかポジティブ心理学が、流行っています。
コロナ禍の影響もあるのだと思います。
コンサルタントや大学の教員、法律家や経営者・・・ポジティブ心理学ネタで結構盛り上がります。
幸せになるための新たな考え方が、ポジティブ心理学。
従来の伝統的な心理学は、心の問題に焦点を当て、精神疾患を直す、改善するという、いわば、マイナスをゼロにする学問でした。 いわば、通常の生活に戻るための治療の一環という位置づけでした。 心理学の父フロイトに始まり、ユングを経て現代に至ります。
いっぽうのポジティブ心理学は、健常者、普通の生活を送っている一般人が対象となります。
・自己の強みに焦点を当てる。
・パフォーマンスを高める
・ゼロをプラスに転じる
・最終的な目的は、幸せの人生を送ること
このポジティブ心理学は、1998年、ペンシルバニア大学のM.セリグマン教授により理論が基礎づけられました。
セリグマン教授は、ウェルビーイング理論を打ち出しました。
この「ウェルビーイング」という用語は、「より良く生きる・・・」といった意味合いです。
精神的な充足感や幸福感を得るための心理学というフレームを構築しました。
このフレームは、P・E・R・M・Aという5つの要素で構成されています。
1. Positive Emotion・・・ポジティブな感情
2. Engagement・・・没頭、没入
3. Relationship・・・他者との関係性
4. Meaning・・・意義・意味
5. Achievement・・・目的、目標の達成
この5つの要素によって、幸せ感が増し、充実した人生が送れるとセリグマン教授は主張します。
ただし、この5つの要素は、それぞれの人の性質、特性、状態に応じて、どの要素が最も有効であるかは異なるとします。
ポジティブシンキング、オプティミスト・・・前向きに考え、楽観的に行動する・・・そうした人が成功するということだと思います。
1 ものごとを、前向き、楽観的に明るく考えること。
2 何か好きなことに集中して取り組み、没我の状態まで達すること。
3 他者とより良い関係性を築くこと。
4 何事にも意味や意義を見出し、価値を見出すこと。
5 目標を達成し、達成感、充実感を味わうこと。
この5つが、全て出来ればベストですが、なかなかそうはいきません。
5つのうち、自分に合いそうな一つを取り上げ、「いつまでに、何を、どうする」という目標を掲げ取り組むことにより、人生は変わるとセリグマン教授は述べます。
この理論には、成功という概念はあまりなく、あくまで充実感、幸福感という主観がメインとなります。
そこが、なかなか魅力的なポジティブ心理学です。
コロナ禍の中、不安や不満に流されず、前向きに希望を持って生きていきたいものですね。