能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

もしドラ分析「ドラッカーとニーチェ」リベラルアーツの時代?ドラッカーが復活・・・

2011年03月26日 | 本と雑誌

「ドラッカー、読んだ?」電車の中で二人の女子高生で出てきた言葉。

おじさんとしては、複雑な気持ちです。

昔、職場の上司から言われた「ドラッカー、読んだ?」とオーバーラップしてきます。

数十年前に一所懸命学んだ目標管理、事業部制、イノベーションなどなど・・・。マネジメントというコンセプトを発明したドラッカー博士の書物を読みあさりました。

しかも、当時は日本語訳版は難解というか抽象的。

かなり苦労した思い出があります。


マネジメントの大御所、ドラッカー博士をここまで認知させた「もしドラ」の存在感は、本当にスゴイと思います。

2009年12月に岩崎夏海氏が書いた「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」/ダイヤモンド社刊は、1年半たった今もベストセラーとしてランキング入りしています。200万部にせまる勢いとのことです。


もしドラがベストセラーとなった理由を考えてみました。


1.高校野球とドラッカーという異質な組み合わせが創出する新規性

2.表紙の斬新なデザインによるアイキャッチ

3.ドラッカーをはじめとする経営書を専門とするダイヤモンド社からの刊行

4.抄訳マネジメント等のドラッカー著とのバンドルセールス

5.昔、ドラッカーを挫折したおじさん層の購読

6.高校野球やスポーツ関係のマネジャー、監督、コーチ、選手、キャプテン等にネットや口コミで浸透したこと

7.親父が購入、息子や娘が読み、さらに配偶者が読むという幅広い読者の獲得

8.日本人の持つまじめな性格と流行に追いつこうという学習態度


出版不況と言われている中、上述のような要件が具備されれば売れるのか?

あるいは千円以上の書籍は売れづらいといわれている中、1680円という価格はどうなのか?

といった疑問符が浮かびます。


書店に行くとドラッカーコーナーが設けられ、二匹目のドジョウを目指した類書が続々と登場。

コトラーやポーターのもしドラ版まで出版されているようです。

表紙には、少女マンガ風、もえ系風の美少女が登場、内容は、マネジメントやマーケティングの理論をベースにした小説風の展開。


いやはや大変な時代となってきました。

さらにニーチェやウィトゲンシュタインなどの哲学本も売れ始めているとのこと。

岩波からはサルトルの文庫も。

また、難解なサンデルやロールズの公共哲学のジャンルもベストセラーランキングに入っています。


エンターテイメントに針が振れたものに対して大衆が飽き、リベラルアーツに振り戻している過程なのではないか?と考えているところです。

1960年代~70年代の学生運動の時代に広く読まれたというマルクスやサルトル。

若者のファッションとして、コミュニケーションの手段として、あるいは流行として教養や文化が介在することは、個人的には好ましいことだと考えています。

パンとサーカスの時代から、リベラルアーツの時代に戻っていくプロセスなのかもしれません。


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リーダーの最低条件 能率を超えて・・・身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあり 悩める管理職の皆さんへ

2011年03月19日 | マネジメント

リーダーにとって、本当に難しい時代になっています。

急激な環境変化、メンバーの多様性、価値観の多様化などなど、従来のリーダーシップ論が通用しない時代。

コッター教授やドラッカー博士の理論も、もはやそのままでは使えなくなっているように思えます。

ましてや、今回の大震災直後のリーダーの言動、行動を見ていると、本当に疑問符のつくことがたくさんあります。


一国の総理大臣、電力会社の社長、経済団体のトップ、地方公共団体の首長、被災していない会社の社長・・・。

それぞれの人がマスコミの取材の前に立たされました。

そこでも、「この人についていきたい」と思える人、「絶対にこの人の言うことを聞きたくない」と感じさせる人・・・さまざまです。

ドラッカー教授のリーダーシップの定義の一つである「リーダーとはフォロワー(ついてくる人)のいる人」からだけしても、本当のリーダーは少ないと考えています。


自分自身、ある組織のリーダーを初めて任せられた時、本当に悩みました。

就任当初は、忙しさと慣れない業務のため、流されていく感じでしたが、やっとマネジメント業務に慣れたころ、この悩みが始まりました。

夜中に何回も目がさめる、眠れない、夢の中に数字が舞う、体調が少しおかしい・・・。

ストレス、プレッシャー、孤独感などがドロドロと渦巻いていました。

アタマの中には、ムリ・ムダ・ムラを省き、効率的・効果的に仕事を進めていく、究極の能率を実現する、メンバーを引っ張り、一つの方向に向けて動かしていく・・・といった使命感と義務感でいっぱいでした。

どこかの雑誌で読んだカリスマリーダー=理想のリーダーと考えていたのかもしれません。


当然のことながら、そのようなリーダーについてきてくれる人はいません。

想っているけれど人が動かない、考えているけれ行動レベルにならない、部下からの冷たい視線・・・。

眠れない夜が続きました。

自分は、リーダーには向いていないのではないか?専門職として元に戻った方がよいのでは・・・等々、悩みは続きます。

しかも、その状態は数年続きます。

 

そんなある日、私の大学時代の先輩に言われました。「一度、自分を捨てて見ろよ」。

「リーダーは、自分を守ろうとしたり、儲けようとしたり、楽をしようとしたりすると、それは必ずメンバーに伝わる。そんなリーダーには、誰もついてこない。」

よく考えてみると、自分自身の保身を考え、顧客第一、従業員第一と言いながらも、心の底では自分第一を価値としていたのです。

「よし、まずは自分を捨ててみよう」と決意。具体的なアクションとして次の3つを掲げました。


指針1 人の嫌がる仕事を率先してやる!

指針2 現在のポジションにいることによる利益や特権、役得を一切享受しない!

指針3 勉強、読書、研究、自己啓発を積み重ね専門性を増し、世のため人のために役立つ!

 

結果、浮かび上がりました。

自分自身、「無」にはなれませんでしたが、何かが欲しいといった物欲や誰かが悪いといった他責の感情が急速に減少してきたのです。

組織は動きはじめ、人は期待の方向に動きはじめ、成果も上がりはじめたのです。

深い深海から光のある海面近くまで浮上し始めたのです。


「無」にはなれませんが、「自分自身を一度捨てる」ことにより、周囲は変わってくると思います。

保身やエゴイズムは、自分が不幸になるだけでなく周囲を不幸にします。

自分ひとりが良い思いをするということはないと思います。


今回の様々な分野のリーダーたちの言動、行動を見るにつけ、さらに研鑽を続け、未熟な自分を磨き続けていきたいと強く想う昨今です。


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あん・せい・そう・らく 急いで・早く・・・1分でも早く、支援の手を届けなければなりません

2011年03月14日 | マネジメント

能率を語る言葉の一つに「あん・せい・そう・らく」というフレーズがあります。

安・正・早・楽」というキーワードです。

より低コストで、より正確に、より早く、より楽に!ニュースを見るたびに、この4つのキーワードを想起します。

被災地には、被災者には、たいへんな状況が続いています。

1分でも早く、支援の手を届けなければなりません。

日本人の英知、知恵を集め、行動化しなければなりません。

一人の命、一つの希望を救うために・・・。


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東日本大震災 一刻も早い人命救助と復旧に向けて

2011年03月13日 | 社会・経済

東北地方・東日本を襲った大震災。

テレビから流れるニュースを見るたびに心が痛みます。

土曜日に予定していた出張も急きょ中止し、職場のメンバーの安否確認に追われました。

どうにか全員無事。


しかしながら、今でも救助を待っている被災者の方々が多数おられ、ライフラインを断たれた地域も膨大な数に。

寒い中、温かい食事もとれず、余震の恐怖におびえ、将来への不安を持ちつつ身を寄せ合う被災者の方たち。

いてもたってもいられない状況です。義

援金や物資を被害地に届けるべく自分として最大限の努力をしていきたいと考えています。


テレビの映像で見た津波ですべてを流された泥だらけの道を背中にお孫さんとみられる幼児をおんぶして歩くお婆さん、乳児をしっかりと抱っこし泥だらけの路上で裸足で立っている若いお母さん・・・涙が止まりませんでした。


しかも福島第一原子力発電所の事故、放射能の影響も甚大。周辺の住民の不安感は想像を絶すると思います。

人命救助、危機に直面されている方々を一刻も早く救出する、現地に必要物資を届ける、節電する、義援金や物資の寄付・・・等できることを速やかに、できるだけ速やかにしていくことだと思います。

さまざまな危機から復興した日本。

このたびの大惨事も乗り切っていかなければなりません。

日本の持つ、いや人類の持つ科学技術、知恵、英知を結集すれば、きっと乗り越えることができると考えます。


能率技師としての今回の対応策は、ヒト、モノ、カネの優先順位を徹底することです。

人命救助、被災者救援、危機拡大の阻止に日本の持つ最大限のパワーを結集すること、そして、復興に向けての計画を総合的に立て防災に向けての街づくりを速やかに実行していくことだと思います。

カネは、あとから、何とでもなると思います。

陸自や海自、警察や消防、自治体、電力会社、全国からのボランティア、各国からの救助隊、米国からは空母ロナルド・レーガン・・・。

これらの力を一つにまとめるマネジメント力が必須です。

情報をクールに分析しホットに動くリーダーのもと、日本国民一人一人が持ち場をキチンと果たしつつ、復興を支えることが求められています。

あとは一人ひとりの行動・実行あるのみです。


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関西と能率 能率を育てあげた街・・・大阪で能率学者上野陽一、ブレーク!

2011年03月09日 | マネジメント

今日、大阪に出張してきました。

大阪では、エスカレータは右側に立ち左側を空けます。

うどん屋に入ると「ネギ多め」、カレー屋に入ると「ルー大盛り」・・・といった食へのこだわりが垣間見れます。

さすがの「日本の台所」「食い倒れ」の街です。

個人的には大好きな都市です。

映画「ブレードランナー」を彷彿させる興味深い街です。


実は、日本の産業能率史において、大阪、京都を中心とする関西地方は、重要な役割を果たしました。

1920年、東京の小林商店(現ライオン株式会社)の歯磨き粉工場で能率技師・能率学者の上野陽一(1883~1957)により行われた能率指導は一定の成果を残しました。

その後、能率運動の重心は関西に移ります。

当時、大手化粧品メーカーであった中山太陽堂においてクリーム工場の工程改善に上野が参画、これまた能率の改善成果を創出します。

これを基点として、関西において上野陽一を中心とした能率の研究会が発足するのです。

ここに関西の財界人や官界等から能率研究に熱心な人たちが参集、能率普及に大きなうねりを創り出します。

当時、日本産業能率研究所の所長であった上野は、帝都東京よりも関西において熱烈歓迎となるに至ったのです。

そういえば、関西には、東証一部上場のノーリツさんという会社もありますね。


帰りは、新大阪駅の在来線の立ち食いうどんで、かけうどんを食して帰りました。

店に入ると食券を買うのですが、その際に食券売場から調理場まではマイク、スピーカーを通じて伝えられます。

待つこと11秒でうどんが出てきました。

食券売り場でオーダーする際に、「ネギ多め!」とオーダーすると、料金そのままで、地元ネイティブ、ロコになった気分を味わえます。

ここのうどん、本当に美味です。

やはり、大阪は、「能率」を重んじる町です。


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能率とスマートフォン・・・便利なスマホが能率低下につながる???

2011年03月05日 | マネジメント

「能率」コンセプトにおける先端技術は、目的-手段のバランスをとるという関係の中では当然に「手段」に該当します。

最新の科学技術を導入することにより、目的を達成するための最高レベルの手段を用いるということです。

当然と言えば、当然の話です。

しかしながら、

1.最新技術にはコストがかかるということ、

2.手段が目的化しやすい・・・という課題があります。

スマートフォンでもipadでも結構なお値段、使いこなすことができなければ機会損失に繋がります。

能率の父と呼ばれた上野陽一(1883~1957)は、今から80年ほど前、米国製のオープンカーに乗り、動作研究・時間研究のためにドイツ製の高性能カメラを使っていました。

マーケティングで言えば、イノベーター、アーリーアダプター(初期購入者)であり、最も価格の高い時期での購入といえます。

上野の能率研究への情熱は、購入価格などは気にもとめなかったものと思われます。

東大卒業後に執筆した書籍がロングセラーになり、会社勤め、サラリーマン稼業を経験したことのない「飛んだ」能率学者ならではの買い物でした。

ちなみに、外車の方は故障がちで実用性には?ということでした。

小職自身もそうですが、大枚はたいてIT機器を購入。

当初、目的を達成するための手段として使い始めるわけですが、最新技術の素晴らしさに魅了され、いつしか道具で遊ぶことが目的となってしまいます。

「手段の目的化」現象です。

小職の友人も多くも、ipadで太陽系の動画を見る、スマートフォンの超オモシロゲームで遊ぶ・・・といったツボにはまっています(笑)。

当初、仕事を能率的に進めるため、最新の情報をゲットするため、情報整理を進めるため・・・といった目的が、いつのまにかすり替わってしまうのです。

それはそれで楽しいのてすが・・・、能率という観点からすると、「ムダ」判定が立ちます。

さわるだけで楽しいipadやスマートフォン、最近の時間消費の犯人は悩ましい存在です。

もっとも入学試験でカンニングに情報機器を使うということも困ったものですが・・・。


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