現在、マネジメントを生業(なりわい)とする私。
大学を卒業して最初に入社した株式会社第一広告社。
日本的な風土を持つジャパニーズカンパニーで、本当にいい会社でした。
日本橋三越前にあったこの会社、電波媒体(ラジオ、テレビ)に強い老舗でした。
昭和34年に森永製菓をスポンサーにして、現天皇陛下の皇太子ご成婚時代に全国放送したことで知られています。
小職がいたころの当時のアカウントは、花王、ライオン、資生堂、シオノギ製薬、キューピー、ANA、大正製薬、エバラ、マツダ、ホンダ、キッコーマンなど。
間抜けな話なのですが、ビッグコミックスピリットの「気まぐれコンセプト」に影響されて入社した広告代理店(笑)。
荒鷲エージェンシーではなく、シロクマ広告社的なホノボノとした代理店でした。
よい先輩に恵まれ、本当に楽しい社会人一年生を迎えることができました。
現在は、晴海のトリトンスクエアに入る外資系の広告会社になっています。
このあたりの話は、いずれアップさせていただきます。
今日、webで発見して感動したのが、株式会社電通のミッションステートメント。
同社の経営理念を受けて、社員の行動指針として打ち出された、いわば社員の目指すべき価値です。
中興の祖吉田秀雄氏が作ったとされる「鬼十訓」並みに優れた作品だと思いました。
dentsu 電通
スローガン「Good Inovation」
「その手があったのか」と言わせるアイデアがある。
「そこまでやるか」と言われる技術がある。
「そんなことまで」と言われる企業家精神がある。
私たちは3つの力でイノベーションを作る。
人へ、社会へ、新たな変化をもたらすイノベーションを作っていく。
うまい!
これは、マネジメントとコピーライティングに秀でた電通マン(電通ウーマン含む)が作った名文。最
高のコピーだと思います。
これを読んで動かない電通マンはいないのではないでしょうか?
「その」「そこ」「そんな」という3つの「そ」が素晴らしいと思います。
これが、同社の人事考課の基準に織り込まれていれば、まさにエクセレントだと思います。
(以前の電通のロゴは、CED・コミュニケーションエクセレント電通でした・・・)
このスローガンに人事考課やMBO(目標による管理)が連動していればまさに最強。
なかなかそうはいかないのが、この業界なのですが・・・。
わたしのまかされている職場に、ぜひとも活用させていただきたいぐらいのキーワードのオンパレード。
お見事です!
ちなみに、ほかにの広告代理店の行動指針や経営理念をチェックしてみましたが、電通ほどのパワーはないように思われました。
博報堂
フィロソフィー「生活者発想・パートナー主義」 ミッション「パワーブランドパートナー」
う~ん、月並み、30点です(ゴメンナサイ)。
生活者(消費者ではない)という言葉を作った代理店。
以前から生活総合研究所を作って「生活者」にこだわります。
今では、少し手垢のついた言葉になったのではないでしょうか?
今から30年前に打ち出していた「マーケティングエンジニアリング」の方が社員には響くと思います。
東急エージェンシー
「インスパイアリング アイデア」
25点。かつての勢いがなくなるのもうなずけます(再びゴメンナサイ)。
アサツーDK
「行動指針」
5点。
ほとんど役所の文書。
野武士集団が、平清盛のように公家さんの世界を目指しているのでしょうか?
上場企業では環境も個人情報も大事です。
でも、これでは社員の力が出せません。
きっと社内では、謎のコンサルタントや会計士が入りこみ、内部統制や稟議書による圧政を行っているものと思われます。
かってのパワーを取り戻すよう祈っています。
I&S BBDO
「TOTAL WORK」「WORK WORK WORK」
かってわたくしが所属していた組織。
このスローガンは米国マジソン街にあるBBDOワールドワイドのキャッチフレーズです。
1業1社、日本の会社にどれだけ食い込めるか?
頑張ってください。
マッキャンエリクソン
Our Mission「Demand Creation」
青山のオシャレなオフィス。
感動ものです。
でも、「需要の創造」では、同社のコンセプトを表しているとは、とても思えません。
残念!
読売広告社
2点!(三度ゴメンナサイ)。
博報堂・大広と同じグループということもあり、社長さんがグチャグチャと生活者視点とパートナー主義を述べられていました。
ちょっと終わっています。
30年前は、けっこうサムライのいる代理店だったのですが・・・。
やはり、電通がぶっちぎり。
私が業界にいたころは「築地」と呼ばれていましたが、今では「汐留」と呼ばれているのでしょうか?
広告会社を広告する・・・スローガンやミッションステートメント。
とても面白くwebサーフィンをさせていただきました。