今日で平成の時代も終わり・・・。
ちょっと寂しいような嬉しいような複雑な気分です。
2019年4月29日の日本経済新聞の全面広告の特集「平成ロングセラー カタログ特集」が掲載されていました。
広告ながら、そこに登場する牛窪恵さんの平成マーケティング論がなかなか秀逸でした。
牛窪さんは、世代・トレンド評論家。
草食系男子という流行語を造語した女性マーケターです。
消費の価値観が大逆転した「平成」という時代
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牛窪さんは平成時代のマーケティング論を展開していきます。
1.競争意識の消費から癒やしを求める時代に・・・競争からの脱却、ノンブランドファッション、ファストファッション
2.個の消費促すITと女性の社会進出・・・「私のあこがれ」「私のお気に入り」を自分なりに吟味する人々、おひとりさまや草食系男子そしてパラサイトシングル、メリハリ消費、ハレの日消費、プレミアム消費、プチぜいたく
3.若者たちが生み出す「共創」の消費・・・絆と「ゆるつながり」、スマホとつながり消費、エシカル消費、時短消費、シェアリングエコノミー
うまく、平成という時代をキーワードでまとめています。
平成という時代はバブル経済崩壊からはじまり「失われた30年」と言われていますが、その間、企業は合理化、効率化により筋肉質となり内部留保をしっかり蓄積、個人はスキル開発、キャリア開発、レジリアンス力強化で昭和の時代より力強くなったように思います。
この国が成熟、衰退していく上で通らなければいけない踊り場というのが、平成という時代だったように思います。
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そして、牛窪さんは続けます。
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進化し続けるAIが消費の鍵を握る
と指摘します。
AIやIoT、RPAやキャッシュレス社会は、個人消費にも大きな影響を与えることは必然だと思います。
令和時代に予測される消費傾向として、大きく3つを指摘しています。
1.下調べの時間を省き、心地よい提案が次々・・・AIの進化による中性的な提案・パーソナル化
2.情報過多だからこそ「男らしい」決断必要?・・・決断力、ぬくもり消費
3.信頼おける情報源か場面ごと選択し消費・・・女子力、コミュ力アップ、SNSとマスコミ、ロイヤルカスタマー
男子力(決断)、女子力(コミュ力)、中性的(パーソナル化、思い込み排除)という切り口が面白いです。
令和の時代のマーケティング。
個人的には、よりパースナルでよりワンtoワンの世界になってくると考えています。
そして、AIの進化やアドテクノロジーの進歩によって、広告代理店や地上波テレビ局などは淘汰の時代、M&Aの時代を迎えると思います。
「便利」と「大変」が同居する経済、雇用の世界・・・自分のキャリアを守るのは自己責任の時代に確実に入ると思います。