能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

マネジメントにたずさわる人たちに見ていただきたい映画「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」 

2011年04月30日 | 映画

友人に勧められ、遅ればせながら映画館に足を運びました。

太平洋戦争末期の史実ということで、あまり期待はしていなかったのですが、現場のリーダーという現在の立ち位置とオーバーラップさせられることになり、ついつい感動してしまいました。


米軍が圧倒的な物量で押し寄せてくるサイパン島。

ここには、日本の統治領で、日本軍人3万人と民間人2万人が暮らす太平洋上の島。

ここで陸軍大尉(captain)を務める大場栄(配役・竹之内豊)を真ん中にすえたストーリーです。

ほぼ、全島が米軍の制圧下にある中、大場大尉率いる47名が山中に立てこもり徹底抗戦していきます。

絶望的な状況にもかかわらず、部下を統率し、先頭にたって状況の打開策を打ち出していく大場大尉。

ある意味、部下からの人望、精神論に走らないクールヘッドを持ち合わせた軍人であっただろうと推察します。


結末は、見てのお楽しみですが、大場大尉率いる小隊は、昭和20年12月1日まで交戦を続けます。

終戦後、3か月以上もサイパン島にいる4万7000名の米国兵を悩ませるのです。


大場大尉の行動をリーダーシップ論の立場から言及すると、シチュエーショナル・リーダーシップからの説明が適すると考えます。

外部環境や内部資源の状況を適切にとらえ、その状況にあったパワーを行使していく。

そのため、外部情報の収集に最大の注力をするとともに、メンバーの状態、士気、状態にも気を配る。

そのうえで、限定的合理性の範疇の中で、最適解と思われる施策を分かりやすく説明し、即行動に移す・・・。

精神論・根性論が跋扈していたと言われる日本陸軍の中では、きわめて異色なリーダーであったと言えます。


大場大尉が武装解除を決定した時、兵士たちの前で訓示します。

「本当にここまで、よくやってくれた。君たちとともに戦えたことを心の底から誇りに思う・・・」。

全力で事にあたった者だけが言えるフレーズだと思います。


誰もがいつかは職場を去ることになります。

その時、このフレーズが自然に出てくるかどうか、そして、それを聞いた者が素直に受け入れてもらえるか?職業人、プロフェッショナルにとって真剣に考えなければならないテーマだと思った次第です。

大場大尉役の竹之内豊、刺青の入った荒くれ兵士役の唐沢寿明・・・良い仕事をしています。

 

マネジメントにかかわる人に、ぜひ見ていただきたい映画です。


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九州新幹線「みずほ」に乗りました・・・快適な車内空間、広々とした椅子 乗り心地最高でした!

2011年04月29日 | 日記・エッセイ・コラム

九州新幹線みずほに乗りました。

指定席に乗ったところ、2×2のシート。

しかも、背もたれも高くグリーン車感覚で、お得な気分。

八両編成は、レイルスターをリニューアルしたイメージです。

狭いながらもスモーキングスペースもあり、愛煙家にとっても、そこそこの待遇です。

車内も木目調で統一され、新しい新幹線をイメージさせます。


各駅停車の「つばめ」号、停車駅の多い「さくら」号、そして最速の「みずほ」。

東北新幹線も復旧し、青森駅と鹿児島中央駅が、新幹線で結ばれることになりました。

九州新幹線、お勧めです。


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秘伝の能率テクニック 能率の6原理

2011年04月24日 | マネジメント

仕事や家事の能率アップするためには、いくつかの視点が大切になります。

今から約百年前に、能率学者の上野陽一(1883年~1957年・産業能率大学創設者)は、能率の6原理を提唱しています。

何か壁にぶち当たった時、何かの改善や効率化を進めていく場合、次の視点からアイデア出しをすることをお勧めします。

 

能率の6原理

 

1.移転(ウツシ)の原理・・・手仕事を機械や道具に置き換えられないか? 例/手計算をパソコンに自動計算させる。

 

2.補足(オギナイ)の原理・・・人間の持っている能力で不足しているものを何かでオギナえないか? 例/記憶をハードディスクに代用させる。広い会場でマイクを使う。

 

3.分担(テワケ)の原理・・・誰かと労働を分担することはできないか? 例/誰と仕事を分担し同時並行で進めていく。

 

4.連結(ツナギ)の原理・・・何かと何かを組み合わせて効率的な進め方はできないか?例/化粧をしながら英会話のテープを聞く。

 

5.集約(マトメ)の原理・・・単純化、標準化し、いつでもどこでも誰でもできるようにはできないか? 例/自分なりの手順書、メモを作り、いろいろ悩まずその手順に従って進める。

 

6.発奮(ハゲミ)の原理・・・ヤル気やモチベーションを高めるツボはないか? 例/家事が終わったら珈琲を飲む。試験に合格したら海外旅行に行く。

 

上野陽一は、東京帝国大学哲学科で心理学を専攻、日本に入ってきたばかりの心理学、当時最新の学問から科学的管理法の世界に入りました。

六つ目のハゲミは、まさに心理学者としての側面が表れていると思います。

ただし、気持ちだけが前に出て空回りするのはダメ、やはり目的-手段のバランスが大切です。


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茶道・華道・剣道・柔道・・・そして能率道・・・能率技師上野陽一が残した能率五道

2011年04月23日 | 日記・エッセイ・コラム

「道(どう)」は、日本人の持つ自己研鑽、自己管理、礼儀、人間関係などを凝縮した生き方、生き様ということができます。

茶道、華道、香道、柔道、剣道など「道」の世界では、時間をかけた修練、努力が必要です。

その中で、身体と精神面を強化し、技術、技能を極めていくわけです。


能率学者上野陽一(1883年~1957年)は、科学的管理法を日本に導入し、「能率道(のうりつどう)」にまとめあげました。

科学的管理法とは、19世紀末、米国のフレデリック・テーラーが工場管理に科学的視点から抽出した生産性向上策。

テーラーの理論により、米国の産業界は大きく発展しました。

ドラッカー博士もマネジメント史の中で最大級の賛辞を送っています。


この科学的管理法を、日本に普及させるため、上野陽一は、五つの道、能率道に帰結させました。

この五つの道を日々実践することにより、能率的な人生を送ることができるというものです。


能率五道

1.正坐

2.正食

3.正学

4.正信

5.正語


正しい姿勢を保ち、正しいものを食べ、正しい学問をし、正しい信念をもち、正しい言葉を使うこと。

それが能率的な生活、能率的な人生を送る上で重要であると指摘したのです。


西洋の合理的科学に、日本的、東洋的な思想を融合させた能率道は、世界的にも評価されています。

1984年に米国で出版された書籍「The goldenbook of management(マネジメントに貢献した世界の100名)」にも日本の民間人として唯一上野陽一が取り上げられています。


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能率とライフプラン 能率的に生きるために・・・能率技師上野陽一が残した人生論

2011年04月18日 | 日記・エッセイ・コラム

「能率」を日々の生活の中に活かすことにより、より充実した人生を送ることができます。

これは、能率学者上野陽一(1883年~1957年)が100年前に提唱したものです。

ムリ・ムダ・ムラをなくすことにより、時間やお金を節約し、それを趣味や社会貢献や家族サービスに使う。

能率、能率でせわしない生活を送るのではなく、空いた時間や節約したお金で自分の好きなことをする。

まさにワークライフバランスだと思います。


上野陽一は、「生物は成長期の5倍生きる。とすれば、人間は125歳まで生きることができる」と述べています。

昨日のニュースでは、世界最長寿の米国の女性が115歳で亡くなり、日本人の男性が最長寿になったとのことです。

20歳までを成長期とすれば、節制の中でふつうに100歳まで生きられるかもしれません。


また、上野陽一は、人生を三期に分けて説明を加えます。


第一期「厄介時代」出生~25歳・・・社会・隣人・家族等からの借金


第二期「独立時代」26歳~50歳・・・社会・隣人・家族等への貢献


第三期「報恩時代」50歳~・・・社会・隣人・家族等への恩返し


自分自身、いい年になりますが、いまだに厄介時代のような感じもします(笑)。

人生を四半世紀ごとに説明するところなど、まさに能率学者だと思います。


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能率と食生活 シンプルライフのすすめ 能率学者上野陽一が残した食べ方論

2011年04月16日 | 本と雑誌

能率の父と呼ばれる上野陽一(1883年~1957年/能率学者・産業能率大学創設者)は、能率と食事についてもさまざまな助言を残しています。

その著作「己を活かす法」「能率24時間」の中で、能率的な生き方、生活、人生にとって、食事を重要であること、そしてその内容についての記述を残しています。

現在の医師やエクササイズトレナー、管理栄養士等が指摘していることを、70年前に言及していたのです。


そのポイントをまとめてみました。


第1条 近くのものを食べよ 南洋の果物や外国の珍味も美味しいが、それよりも今住んでいるところの食物をとるべきである。地産地消こそが健康のもと。


第2条 全体を食べよ 鯛の刺身を食べるよりは、メザシやサンマ全体を食する方が身体によい。


第3条 肉食より菜食主義 日本人は、肉より野菜が体質に合っている。


第4条 食べ過ぎは四つの損あり 1.食べ過ぎて胃を悪くする損、2.食べ物代の損、3.薬代の損、4.苦しみの損・・・


第5条 「腰弁」のすすめ 外食するよりは、弁当を持参する方が、経済的だし時間を有効に使える。弁当持参は、しがないサラリーマンの代名詞と言われるが、そんなことはない。近くにあるものを食するという点からも腰弁をすすめる。気取って、ライスカレーやトンカツを、しかもビールなどで流し込むことは論外である。


能率学者の語る食生活は、現在の主流ともいえる健康食を半世紀以上も前に実践していたのです。

上野陽一が提唱した能率5道の中でも「正食(正しい食べ方)」を重要事項として位置づけています。


シンプルライフ、質素な生活、節制の生活・・・。

現在、目指している生き方です。


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サクラ咲く がんばろう日本!

2011年04月14日 | 日記・エッセイ・コラム

咲き誇る桜から癒しと勇気をいただきました。

ありがとう!

 

 

 

 

 


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「3.11 不屈の国」 日経ビジネスからのエール 大震災を乗り越えるために・・・

2011年04月09日 | 本と雑誌

日経ビジネス誌は、先週号に続き東日本大震災をめぐる特集記事を掲載しています。


今週号(4/11)のタイトルは、「不屈の国」。


産業界や働く人たちを勇気づける特集だと思います。

ソニー副会長の中鉢氏の「東北はハイテクで復活する」、現場で奮闘するイオン、トヨペット、本田技研、ヤマト運輸などの記事。一人のビジネスパースンとして胸が熱くなる記事が掲載されています。

本社の許可もとらず避難所が待ち望んでいるミニバイクを悪路を乗り越え自ら届けたホンダドリーム東北・東京の両社長の実行力には感動しました。


「日経ビジネス」には、今後とも日本全体にエールを送り続けることをお願いしたいです。

今週号で最も驚いたのが、大震災により日本の受けた資本ストックの減少は、太平洋戦争に匹敵する(25ページ)ということでした。

今回の損害額が16~25兆円といわれていますが、これを対資本ストック比率にすると9~14%。

阪神淡路大震災が16%、太平洋戦争が25%、関東大震災が10%ということですから、その被害の大きさに驚かされます。


朝のニュースで、ブラジルで行われたサッカーのチャリティマッチの様子が映し出されていました。

日本の裏側の南米のスタジアムに「がんばれ日本」の垂れ幕がおろされ、1100万円の寄付が集まったとのこと。

自らもゴールを決めたジーコ元日本代表監督は、インタビューに次のように答えていました。

日本はサムライの国。必ず復活する。


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部下とともに最後の最後まで持ち場を守った佐久間艇長・・・究極のマネジメント

2011年04月02日 | マネジメント

東日本大震災で住民の避難を呼び掛けて津波にのみこまれた24歳の自治体職員の女性、迫りくる大波の中、地域住民に声をかけ続け自らは帰らぬ人となったお巡りさん、放射能の中、原発の冷却作業にあたる電力会社の下請けの社員、そして被災現場の最前線に立つ自衛隊員、消防士、警察官、自治体職員、ボランティア、民間企業社員などなど、文字通り身体を張って日本を守る人々。本

当に目頭が熱くなります。日

本は、まだまだ大丈夫だと強く想う昨今です。


戦前、日本海軍に佐久間勉という海軍大尉がいたことをご存じでしょうか?

佐久間大尉は、福井県出身。明治34年に海軍兵学校を卒業。

巡洋艦吾妻乗組員、巡洋艦笠置で日露戦争に出陣、水雷母艦韓崎を経て第一潜水艇隊艇長、第四潜水艇長、第一艦隊参謀、駆逐艦春風初代艦長、巡洋艦対馬分隊長、そして第六潜水艇艇長に着任した、いわば海軍のスーパーエリート。


事故が起こったのが明治43年4月15日、佐久間大尉率いる第六潜水艇は、ガソリン潜航実験、シュノーケル試験を行うため、山口県岩国を出港、訓練開始後45分立ったころ浸水により海底に着底。

時間がたっても浮上しないため呉海軍鎮守府に連絡、引き上げ作業が行われました。


当時の技術では、潜水艦の事故の救助は難しく絶望的な状況。

海外の同様な潜水艦事故では、脱出しようとする乗組員が我先にハッチに殺到し殺し合いが始まることもあったようです。

ハッチを空けたところで海水が流れ込み全員の死に確実に至ります。

帝国海軍も引き上げに際し艇内での醜態をさらしていることを心配していたようです。


沈没した第六潜水艇を引き上げてみたところ、乗組員14名は全員死亡。

しかしながら、乗組員は全員自分の持ち場を離れておらず、航海士や機関士など最後の最後まで復旧のための作業を続けていた様子が飛び込んできたのです。

生還の望みが失われた中で彼らは何を考え何を話していたのでしょうか。

わたくし自身、想像を巡らせていますが、よく分からないというのが本当のところです。

絶望的な状況におかれた集団を、最後の最後まで規律と使命を守らせた佐久間艇長のリーダーシップ、それはリーダーの条件、指導者の真髄を昇華したものではないでしょうか?


さらに佐久間艇長は、分刻み秒刻みで航海日誌を書き続けます。

ガスが充満してくる中、酸素が希薄になる中、佐久間艇長は書き続けます。

そして最後に事故の分析を薄れゆく意識の中で記述し、遺書として次のような文書を残します。

「謹んで陛下(明治天皇)に申す 我部下の遺族をして窮するもの無からしめ給はんことを 我念頭に懸るもの之れあるのみ」

死の直前、明治天皇に対する潜水艦の損失と部下の死を謝罪し、この事故が日本の潜水艦の発展の妨げにならないことを願い、それを記述したのです。

そして部下の家族が生活で困窮しないよう最後の希望を書きます。


この佐久間メモは、広島県江田島市にある旧海軍兵学校資料館(現海上自衛隊幹部構成学校・見学可)、呉駅前にある大和ミュージアム(呉市海事歴史資料館・戦艦大和の1/10モデルで有名)で見ることができます。

また、広島県呉市にある鯛乃宮神社に「第六潜水艇殉難の碑」があります。


リーダー不在といわれる現在の日本。今の日本を救うリーダー、そして彼彼女についていくフォロワーが出てこなければなりません。日本は、まだまだ捨てたものではありません。


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