「山崎亮とゆく コミュニティデザインの現場」
渡辺直子著 繊研新聞社刊 1800円+税
なかなか分かりにくいココミュニティデザイン、ソーシャルデザインを全ページカラーでビジュアルにレポートした一冊。
おろしろく読みました。
コミュニティデザイナーという言葉を作り上げた山崎さんの活動や基本的な考え方、現場重視の姿勢が随所に盛り込まれています。
山崎さんを中心に運営されているスタジオL。
隠岐の島、延岡、鹿児島、瀬戸内の島などでさまざまなプロジェクトを展開されています。
「つくらないデザイン」「目に見えるものをつくらない」「人の輪、コミュニティをつくる」といった独自の視点に基づくコンセプトが少子高齢化の真っただ中にある、この国を救うのではないかと思った次第です。
この「コミュニティデザイナー」という言葉も、あるプロジェクトでランドスケープデザイナーが2人おり、どちらも山崎さんという名前。
これを区別するためにコミュニティデザイナーという言葉を使ったそうです。
ソーシャルデザインを進めていく上で大切な視点、
行動が11にまとめられていたので紹介させていただきます。
1.他人事を自分事に近づける。参加者を運動者に。
2.小さく生んで、やさしく育てる。
3.一万人1階り100人100回
4.発明でまちを変える
5.金儲けではなく人儲けをする。
6.毎日、新しい答えを見つける
7.楽しいことをベースに、関係性を耕す
8.選択肢を示して、結論は住民が出す
9.生活を軸にしたデザインをする
10.去るという前提を共有する 最長でも5年とのことです
11.一石二鳥以上を狙う
同書の中で一番引っかかったキーワードが、「同一化と効率化の中で行き詰った日本社会」という言葉
高度成長期、バブル期までは、先進諸国に追いつけ追い越せで良かったのかもしれませんがその後も同じ路線をひちすら走り続けてしまった・・・その弊害が縮んでいる日本の社会に大きな社会的課題を生んでいる・・・。
それを解決する方法論の一つがコミュニティデザインやソーシャルデザイン。
ぜひとも読んでいただきたい一
コスパも高い同書です。