村上龍さんが好きになったのが、テレビ番組「カンブリア宮殿」。
小説家×ビジネスという「新結合」が新鮮でした。
おしゃれと無縁に生きる
村上龍著 幻冬舎文庫 500円+税
村上龍さんの「GOETHE(ゲーテ)」エッセイ集。
2015年10月から2018年6月に掲載されたものです。
文庫サイズで3ページ完結の短いエッセイが約80詰っています。
欧州文化であるF1、テニス、サッカーに造詣の深い筆者。
ファッションも、とてもお洒落です。
テレビ用はHUGO BOSSのスーツを定期的に購入されているそうです。
「おしゃれと無縁に生きる」は、その最初の短文。
イタリアを何度も訪れて感じたのが、イタリア人はブルーのシャツを着ているとのこと。
そして、続けます。
「よく、ファッション評論家みたいな人が、イタリア人のおしゃれとして、赤いパンツやピンクのシャツを紹介したりしているが、あれは、嘘。」
「イタリア男ほど、ファッションに関して保守的な人々はいない。」
大金持ちフランシス・コッポラとの対談の時、彼の靴下に穴が空いていたとのこと・・・。
そして、続けます。
「仕事のできる男は、特権的に、おしゃれとは無縁に生きることができるという隠された真実の、見事な証だった。」
何となく分かるような気がします。
先日、大学時代の友人が出張で、広島へ。
居酒屋で一杯という話になりました。
彼は、監査法人に勤める会計士。
小職は、いつもの休日ルック・・・短パン、Tシャツ、ビーサン。
でも彼は違いました。
プルックスのダークスーツ、ソフト帽、ストライプのレジメンタルタイ。
帽子ですよ、帽子。
気温35℃の中、ビシッと決めています。
何だか、植民地を支配に来た為政者と、地元の原住民というコントラスト・・・笑。
彼曰く「プロフェッショナルは、見た目が9割。だからファッションには金をかけます・・・」。
夏でも、麻のスーツやネクタイ・・・どんなに暑くてもやせ我慢するそうです。
なるほど・・・。
お洒落な人も、それなりに大変なんですね。
昔話に盛り上がりましたが、この居酒屋の雰囲気にフィットするのは、自分のように思いました(笑)。