歯に衣着せぬ著者の冨山和彦さんの新刊。
いや、正確には、2012年に出版されたPHP新書の焼き直し版です。
産業再生機構時代から、たくさんの企業を再生させてきた著者の経験、ノウハウが、図解を増やして再登場しました。
スターウォーズのヨーダの風貌を感じさせる冨山さんのビジネス本。
コスパ高し、です。
図解 IGPI流経営分析のリアル・ノウハウ
冨山和彦・経営共創基盤著 PHP研究所刊 1550円+税
冨山和彦・経営共創基盤著 PHP研究所刊 1550円+税
同書の肝は、事業経済性と財務健全性を、現場レベルでリアルにつかむのが、経営分析の要諦であるということ。
会計士や診断士が行いがちな死体解剖は、あまり役立たず、その会社の将来、未来をストーリーテリングできる生体実験であるべきと主張します。
なるほど、そのとおりです。
会計士や診断士が行いがちな死体解剖は、あまり役立たず、その会社の将来、未来をストーリーテリングできる生体実験であるべきと主張します。
なるほど、そのとおりです。
目次
第1章 リアルな経営分析とは何か?
第2章 リアル経営分析の進め方
第3章 生き残る会社と消え去る会社 実例に学ぶ分析枠組み編
第4章 生き残る会社の数字のつくり方 ケーススタディで分析訓練編
第1章 リアルな経営分析とは何か?
第2章 リアル経営分析の進め方
第3章 生き残る会社と消え去る会社 実例に学ぶ分析枠組み編
第4章 生き残る会社の数字のつくり方 ケーススタディで分析訓練編
なかでも、経営分析力を高めていくためには、簿記を中心とした基礎的な訓練、ひたすら現場で経験を積むことを重視。「その数字から企業小説が書けるか?」と問います。
著者もスタンフォードMBAで、簿記の仕訳を徹底的にやらされ、ビジネスカルク(懐かしい~)でのシミュレーションを繰り返しやらされたことが、今役立っていると書かれています。
また、同書では、規模の経済、範囲の経済、密度の経済など、共有コストを巡る論点について、図解を使い、分かりやすく解説しています。
同書で線を引いた箇所をピックアップしてみました。
強みは弱みになりうる
中小企業の背後にあるストーリー
複式簿記をわかっていない人が多い
その数字から企業小説が書けるのか?
スイッチングコストが高い事業は高収益をうむ
黎明期か、成長途上か、成熟段階か
障壁事業と機会事業
活動はPL、土台はBS
答えは、学びと実践の繰り返しの中に
アカウンティング、管理会計から、もう一歩踏み込んでみたい方に、お薦めの一冊です。