ゴールデンウィーク・・・祝日の並びの悪さ、スポットで入った仕事などで遠出が難しく、読書三昧の黄金週間の前半です。
今日は、松陰神社に参拝。
毎朝の自学自習勉強タイムの中に組み込まれている松陰先生の書籍の素読。
もう10年以上続けています。
松陰神社は、世田谷区の東急世田谷線の松陰神社前徒歩3分。
駅を降りて、松陰神社に向かう道沿いの街灯には、松陰門下の高杉晋作、久坂玄瑞、山田顕義などの解説文が掲示してあり、それらを読みながら神社に向かいます。
吉田松陰(1830~1859)は、江戸末期の山鹿流兵法、長沼流兵法のスペシャリスト。
若き日から藩校明倫館教授、藩、幕府における様々な事件や関係性の中から、萩松本村に松下村塾を主催。
江戸幕末から明治にかけて表舞台で活躍した幾多の人材を輩出します。
この松下村塾、開設されていたのは1856年8月から1858年のわずか2年半。
門下生は、90名程度だったとのことです。
松陰先生の指導は、やさしく厳しく、塾生一人ひとりに着目した文字通り親身な教育だったようです。
松下村塾の教育方針は、3つ。
1.君臣の義・・・武士道、正しい道を体得する
2.華夷の弁・・・日本と外国の違いをしっかり認識する
3.奇傑非常の人・・・すぐれた人材を産みだす
日本の教育界において、これだけ短期間で有能な人材を輩出した教育機関はなかったように思います。
若者のモチベーションを高め、必要な知識や考え方を移植し、行動、実践を重んじる・・・。
まさに日本の陽明学の起点ということができるのではないでしょうか?
松陰神社内には、松下村塾のレプリカが再現されています。
萩のものとほぼ同じ。
萩の松下村塾は敷地面積が広いため、農村である旧松本村の片隅にこじんまりと存在した感じが伝わってきますが、
世田谷のレプリカは狭い敷地の中に窮屈そうに立っています。
神社に参拝。そ
の後、松陰先生のお墓に墓参。
周りには、江戸末期に時代を動かした長州藩士のお墓が立っていました。
松陰先生は、わずか30歳で刑死。
先生の意志を継ぎ、現場に身を投じた志士も、その多くが20歳台で命を落としています。
その志、国を何とかしようという行動力・・・そのエネルギーはどこから出てきたのでしょうか?
お墓の前で松陰先生の歌を口ずさみました。
「身はたとひ、武蔵の野辺にくちぬとも とどめ置かまし大和魂」
「かくすればかくなるものとしりながら、やむにやまれぬやまとだましい」
今、死後となりつつある大和魂。
グルーバル時代の今だからこそ、日本人として、心に刻まなければならないと思った次第です。
「経営戦略論入門」
PHPビジネス新書 波頭亮著 860円+税
-経営学の誕生から新日本型経営まで-
辛口の切り口で経営を語る波頭さんの新刊。
波頭さんの書籍は、全て読破しています。
今回の著は、波頭さんの著作の中でも最も分かりやすく読みやすい一冊だと思います。
前半が経営戦略の歴史、後半が新しい日本型経営への提言という2部構成になっています。
前半部分では、テイラー、ファヨール、ホーソン実験という古典を押さえた上で、
ポーター、コトラー、アンゾフ、バーニーまでを体系的に分類、解説しています。
ミンツバーグ著「戦略サファリ」よりも単純化しており、サクッと経営戦略の全体像を理解することができます。
1960年代 経営戦略の誕生・・・チャンドラー、アンゾフ、PPM、SWOT、PIMS
1980年代 戦略の時代・・・ポーター、コトラー、ミンツバーグ
1990年代 組織とリソースの時代・・・バーニー、プラハラード
2000年代 リーダーシップの時代・・・コッターほか
特に、「プランニング学派」と「エマージェンス学派(創発学派)」、「ポジショニング学派」と「リソースベースドビュー学派」の分類・整理は分かりやすく、アタマの中がクリアになります。
個人的には、ミンツバーグ大好き、VRIO分析ファンなので、自分自身、創発型のRBV一派ということになるのでしょうか?
そして、後半では日本型経営のネキストについて触れています。
イノベーションとグローバル化を軸として日本型経営がどうあるべきかについての提唱が続きます。
一次世界市場を席巻したSONY・・・英語での会議、外国人エグゼクティブ起用などによって次第に国際競争力を失っていく様子は、ただ単にグローバルスタンダード、アングロサクソンスタンダードを日本の経営に接ぎ木しても、ニッポンの会社の復活はないということに言及されています。
まずは年功序列をやめる事、
そして、ニッポンの企業の強みである終身雇用、
ROEの低さを容認するステークホルダという環境をフル活用することを提唱されています。
短期、短期ではなく、長期的視点に立って経営戦略を「執行」していくことが重要だと述べられています。
数年前に波頭さんの講演を聞いたことがあるのですが、その時も「執行の時代」ということを強調されていました。
アベノミクスが効き始めた今、まさに「Do」の時代なのかもしれません。
ただその際に長期的視点を忘れないようにしないといけないと思います。
「戦略思考トレーニング」
鈴木貴博著 日経文庫 830円+税
日経文庫の新刊のユニークな一冊。
全編クイズ方式で戦略思考を磨こうという意欲的な新書です。
全50問のクイズで柔軟思考を鍛えるとともにメンタルブロックを打破することを目指します。
Q.セブンイレブン上陸を迎え撃つ四国のコンビニはなにをするか?
Q.原価割れで商品を提供する「俺のフレンチ」の狙いは何?
Q.北海道を訪れる観光客は何人だろう?
Q.なぜホテルマンは走ってはいけないのか?
Q.米国進出時のカップヌードルのセールストークは?
右脳、左脳を使ってクイズに答えていく・・・気楽に読み進める楽しい一冊です。
ゴールデンウィークの移動時間やリビングに寝転んでお手軽に気づきを得られると思います。
著者は、同書のまとめで「戦略思考力には知識が必要だ」と締めくくります。
経営コンサルタントである著者は、戦略思考を磨くために、次の4点を勧めています。
①新聞やニュースに毎日目を通す。
②経済書は自分の投資のために買う。
③少し変わった情報源も意識してみる。NHK-BSの「世界のドキュメンタリー」はお奨め。
④海外に出かける事。上海、香港、釜山、サンノゼ、パリ・・・。
では、最後の問題・・・。
あまり視聴率の高くないテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」のスポンサーになりたい企業が多いとのこと。
その理由は?
講談社から「昭和の爆笑喜劇DVDマガジン」が刊行されました。
DVD一本が付き、創刊号は、なんと790円です。
植木等の大ファンとして思わず購入。
スーダラ無責任社員を演じる植木等のデビュー映画「ニッポン無責任時代」を堪能しました。
故植木等さんの活躍した時代は、昭和30年代。
自分自身、物心もついていない時代・・・。
それでもサラリーマン人生を送る自分を最大限リフレッシュさせ、ストレスを軽減させてくれるのが、植木さんであり、クレイジーキャッツなのです。
作詞家の青島幸男さんは、私にしてみれば天才であり、この映画の背景に流れる「ドント節」「スーダラ節」「ハイそれまでよ」「無責任一代男」などなど、今聞いても斬新です。
クレイジーキャッツのCDを収集していたのですが、今回の企画が出ると聞き、いの一番で書店に向かいました。
このDVDの解説に、主人公の平均(たいら・ひとし/植木等)のプロフィールが出ていましたので紹介させていただきます。
平均(たいら・ひとし/植木等)のプロフィール
勤務先・・・太平洋酒
住居・・・一軒家の二階に下宿。家賃滞納中。
学歴・・・三流大学中退。
職歴・・・複数の会社を渡り歩いている
特技・・・歌とギターはプロ級。自動車免許所有。
勤務態度・・・スーダラ社員の典型。出勤初日から遅刻。
モットー・・・人生いたるところに青山あり
ファッション・・・金色や縦縞のスーツ
性格・・・超楽観主義でアバウト。ハッタリと勢いは詐欺師なみ。
嫌いなもの・・・人頼みとおせっかいな女の子
口癖・・・「気にしない。気にしない。固いこと抜きで気楽に行きましょう」
この映画で、植木さん扮する平均は、C調(調子いいの逆・ハ長調)でトントン拍子に出世・・・。
係長、部長と昇進していくスーパーサラリーマン。
社長と直で話したり、交際接待費をフンダンに使いチャネルを開拓・・・サラリーマンの枠組みを乗り越えるアントレプレナーなのです。
今、シリコンバレーにいれば大活躍していたと思います。
今回の植木等、クレイジーのDVDの発刊。
会社でストレスを感じているすべてのサラリーマン、サラリーウーマンにお奨めのシリーズです。
今日は、下町で研究会。
スカイツリーブームでスポットライトが当たっている墨田区へ行ってきました。
区をあげて町おこしをしている墨田区のチャレンジが道の端々に見え、江戸情緒と未来に向かう下町の意気込みを感じることができました。
以前、江東区住吉に住んでいたこともあり、ここにある独特の空気に懐かしさを思い出した次第です。
研究会終了後、アサヒビール本社へ・・・。
そう、出来立てのスーパードライを堪能するためです。
未来都市TOKYO・・・
土曜日にもかかわらず一階のエレベーターで21階まで。
そこからエスカレーターで22階へ。
ここの会社がスゴイと思ったのが、最上階は社長室や会長室ではなく、一般市民に開放されていることです。
スカイルームと称する小さなビアホール、イタリア料理店のほか、カルチャーを発信する文化ホール、レストランのあるアネックスなど会社の姿勢が消費者に向かっていることが感じられました。
小職の大好きな、ニッカウイスキーやオリオンビールもアサヒビールグループということもあり、好感度大です。
アサヒビールの本社ビル。
ビアジョッキをイメージさせます。
黄色のビールの上に白いあわ。
そしてその隣の奇妙な黄色のオブジェは、きんとん雲らしいのですが、一体何なのか?
おそらく、風水と関係しているのではないかと友人と話した次第です。
この黄色のオブジェの先端はライバルのキリンビール旧本社を向いており、大逆転劇を産みだしたのでは・・・ということです。
スーパードライが誕生したのが1987年、
アサヒビール本社ビルが完成したのが1989年、
キリンを逆転。
この本社ビルの風水パワーは強力だったのです。
その後、2002年にはキリンビールが本社を移転、2006年第3のビールで再逆転を果たします。
お抱えの風水師と風水師の戦いだったのかもしれません。
まるで、香港の銀行風水戦争を想起させます。
中小企業診断士的に言えば、本社改築を契機にしてマネジメントの在り方を刷新、当時の樋口社長を中心にガリバーキリン打倒の戦略、戦術を駆使、社員の意識改革、行動改革を徹底したということになると思います。
最上階は市民に開放、顧客起点の逆さまのピラミッドの中、流通チャネルを開拓していったということでしょうか。
サッカーを中心とするキリンビールのプロモーションに対し、アサヒビールは芸術、アートを中心とするプロモーション戦略を展開。
スポーツ好きが多い第二次産業の従業員が減少していく中、
増加していく第3次産業に属するホワイトカラーを芸術、アート、文化でうまく取り込んでいったということだと推測しています。
さて、目的のビール。
入口でチケットを買い、窓際へ・・・。
スーパードライは、スカイツリーにちなんで、634ミリリットル入りの特別ジョッキ。
階下に広がる浅草・池袋・新宿・渋谷・スカイツリーをツマミにスーパードライを堪能・・・。
至福のひと時です。
ツマミは、ピーナッツとチーズ。
大好きなコンビネーションです。
特別にデザインされたスカイツリー版ビアジョッキでいただきます。
1週間の疲れが一気に解消される楽しいひと時でした。
スーパーニッカの水割りも飲みたかったのですが、飲み過ぎ注意!
それは次回のお楽しみということで・・・。
「クイズ トップ企業の頭脳に挑戦!」
横山龍太著 永岡書店 510円税込
出張の際の空港で手にした一冊。
著者は、放送作家の横山龍太さん。
この本は、様々な企業のマーケティング事例を凝縮した文庫本。
おもしろおかしく時間つぶしができます。
たとえば、
「ドンキホーテの思わず買ってしまう、そそるフレーズとは?」
「松屋の券売機に秘められたオドロキの秘密とは?」
「マツキヨが仕掛けた繁盛店に見せるアイデアとは?」
「渋谷109が若者を惹きつける仕掛けとは?」
「アウディが無料で洗車した戦略とは?」
「帝国ホテルの電話オペレーターの独自のアイデアとは?」
といったクイズが全61問。
楽しみながら、企業の事例、ケースが学べる仕掛けになっています。
ちなみに第1問のドンキの答は、「(この商品は)来週から値上げします」です。
また、コストコでは在庫が無くなり次第、販売終了する商品には、値段の末尾に77円とつけるそうです。
タイトルがイマイチ内容の面白を伝えていないので、
メインターゲットであるサラリーパーソンに売っていくためにはネーミングに一工夫すると良いと思います。
次巻が出ればいいなあと思う面白い一冊でした。
久々に訪れた地元の銭湯。
大きな浴槽で、ゆっくりとのんびりと足を延ばしながらリラックスできます。
やっぱり日本人は風呂好きです。
入湯料は450円。
これで1時間弱が楽しめるのはコスパ高しです。
浴槽につかっているとどこからかフランス語が・・・。
なんと二人のフランス人が入ってきました。
極めて日本的なニッポンのセントーがお好きなのかもしれません。
そんな中、番台カウンターの横で見つけたのが、雑誌「1010」。
これでセントウと読むようです。
121号とあるので、かなりの歴史もある業界誌のようです。
「変わる世に 変わらぬお湯の 温かさ」
今月号では第3回銭湯川柳コンテストの入選作の発表。
そのほか、銭湯の壁画(富士山などの有名な図柄)販売や5月のしょうぶ湯の紹介、さらには銭湯検定まであることを知り、なかなか奥深い趣を感じた次第です。
はやりのスーパー銭湯では、「いくぞ!」という気合が必要ですが、近所の銭湯はサンダルを突っかけ気軽に行けるという気楽さがあります。
江戸の時代から続く銭湯・・・日本の文化として続けてもらいたいものです。
本と言えば、神田神保町。
三省堂、書泉グランデなど新刊書を扱う本屋さんと多数の古書店が林立する街・・・学生時代から通っている大好きな街です。
さぼうる、ラドリオ、利休、瀬戸といったカフェ、いもや、ランチョンといった飯屋さん・・・。
日本のカルチェラタンと呼ばれる文化の香りが漂うエリアです。
最近、ハマっているのが、青山エリア。
特に、青山ブックセンター本店が大好き。
青山通りから少し奥まったところにある大型書店。
国連大学の裏手にあたります。
店舗は広く、通路も広く、明るく開放的な白をベースにした店内では、ゆっくりと書を見ることができます。
地理的な関係もあり、お客さんも少なめで、まったりと立ち読みを楽しむことができます。
スモーカーにも嬉しい喫煙スペースも前のテラスにあり、コーヒーなども飲めます。
入口付近には、店員さんのお奨めコーナー、テーマに基づいた特集コーナー等もあり、今まで気づかなかったジャンル、カテゴリーを垣間見ることもできます。
ここで働く若くハキハキした店員さん、本当に本好きなんでしょうね。
六本木店と比較しても、サービスレベルはかなり上だと思います。
レジの対応も爽やかですし、質問についても適切に回答いただけます。
聞いたところによると、ABCが開業したのは1980年。
その後会社更生法などの様々な経緯を経て、今ではブックオフコーポレーションが経営しているとのこと。本
店で働く清潔感あふれる社員さんは、プックオフ入社の若手ということになるのでしょうか?
週一、必ず行きたい本屋さんです。