こんなマーケティングやイノベーションのやり方があったんだ!
ケーキでもなく、和菓子でもないというのがポイント。
短い鮮度やブランドで戦わなくてもよい切り口・・・それが八天堂(はってんどう)「くりーむパン」 戦略です。
山手線に乗っていて品川駅に着く頃、脳裏に浮かぶのが八天堂の「くりーむパン」 。
一個210円。
一般的なクリームパンとは異なり、シュークリーム、クリームパフに近いスイーツです。
この「くりーむパン」、毎日、広島空港から航空機で空輸されています。
地上一万メートル、約900キロを飛んで羽田空港に着く「くりーむパン」。
まさに、空飛ぶクリームパンです。
もともとこの八天堂は、昭和8年創業の和菓子屋さん。
そして、パンの製造を開始。
広島県三原市のフツーのパン屋さんだったようです。
一時期、業容が拡大、広島県内に10店舗、約100種類のパンを製造していたそうです。
そして、三代目の社長の時、イノベーションを起こします。
約100種類のパンのうち、人気だった「くりーむパン」に集中。
研究開発、販路開拓を進めていきます。まさに「選択と集中」です。
広島空港が近いという地の利を活かし、東京進出を果たします。
空飛ぶ「くりーむパン」は、東京駅や品川駅、秋葉原や永田町、新宿に販売店を出店します。
さらに、韓国やフィリピンなどの海外にも進出します。
社長の決断、投資が、小さな地方のパン屋さんを、大きく発展させます。
銀行をはじめとする金融機関の融資担当者も八天堂の「くりーむパン」を食べると、その美味しさに思わずハンコを押すのではないでしょうか?
数年前、広島空港そばに新工場を建設。
さらなる飛躍を目指しています。
これはまさに、スポーク&ハブ戦略です。
日本ニュービジネス協議会でも優秀賞を受賞。
今まで誰も手を付けなかったスイーツパンのビジネスを事業化していきます。
まさに、中小企業の星です。
同社のホームページを見ると社員数は約100名。
資本金は1000万円。
売上は、数億円ぐらいに達しているのでしょうか。
学卒の採用にも力を入れているようで、「学卒30名」という表示がありました。
若い力は、会社をパワーアップしていくと思います。
そういえば、広島という地。
マツダのスカイアクティブエンジンやヨーロピアンデザイン、かっぱえびせんのカルビー、ボールのモルテン、デニムのカイハラ、パン製造のアンデルセン、100円ショップのダイソー、洋服の青山などのイノベーティブな企業がたくさん出てきています。
広島空港で見つけた八天堂の「くりーむパン」。
今日は、チョコ味を試してみました。
一個210円(税込)。
コスパが高く、期待を裏切らないおいしさです。
包装紙のデザインもなかなか優れていますし、また、ハンバーガーの包装紙のような形状で、とても食べやすい・・・。
このあたりも、相当研究された跡が見えます。
八天堂・・・「くりーむパン」の次に来る商品やサービス・・・それが次の社運を左右する次のステップになると思います。