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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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SEIKO ユニークをレストアするの巻

2015年04月11日 20時21分21秒 | ブログ

 

すみません。UPの予定が無かったので画像をあまり撮っていないのですが、間隔が開いてしまうので急きょUPとします。高校の同級生で一緒にバイクのレースをやった親友に誕生年の腕時計を作ってやろうと思い立ったのですが、昭和29年(1954)頃はセイコー・スーパーの頃ですが、20年代となると数が少なく適当な素材が入手出来ませんでしたので、次モデルのユニークを仕上げようと思いました。ユニークはスーパーの改良型として1955年から亀戸工場にて製造されたようです。石数は当初9石から15石と17石があります。この個体は中期の15石です。ジャンクを入手ですが、なんとヒゲゼンマイが取り去られておりました。最近はこのように部品取りをされた残りを不動として出品されているものが多いのですが、確かに動きませんけど、理由を表示しない不親切なものが多いですね。

それがイヤなら実動の程度の良いものを入手しろ。ということではありますが・・幸い、ヒゲゼンマイの欠品の他は、地板もきれいで程度は悪くありませんでした。組立は、慣れたスーパーと変わりませんが、部品の精度は良いように感じますね。スーパーは嵌合がきつかったり、反対にゆるゆるだったり。機械も若干薄くなっているようです。

文字盤は、汚れを清掃しました。外周に痛みが多いのは残念ですが、手持ちにサイズの合うものがなく、デザインはSマーク入りで気にいっているので、再使用をします。この後の時代になるとSマークはなくなります。また、秒針がヨレヨレと曲がっていましたので、修正をしましたが、歪が目立ちますので塗装をしました。スーパーの時代には、赤、茶、紺などの塗装針がありましたので、友人の好きな紺色を調色して塗装をしてあります。

左上がヒゲゼンマイ(新品)ですが、交換には18000振りに長さを調整をして振動を合わせなくてはなりませんので、今回はズルをして他の個体から調達しました。この頃の小さなテンプ用のヒゲゼンマイは、非常に細く扱いが難しいのです。

風防は黄ばみがあるので、現在入手できる汎用品と交換するつもりでした。しかし、28mm程度の小径の場合、現在の風防は樹脂厚が厚めでがっちりとした分、外周部分のインデックスが歪んで見えるという問題があります。

ということで、今回はペナペナの古いトキライトを研磨をして再使用としました。ベルトのラグ幅は15mmのため、現在ではベルトを入手することが出来ませんので、ラグ幅を僅かに拡大をして手持ちの16mmベルトを着けています。

精度については次モデルのマーベルには当然及びません。となりの990円のクォーツ時計とは全く喧嘩にならないわけで、技術革新とはすごいものです。しかし、どっこい機械式時計は止まったら捨てる消耗品じゃないのです。用途が異なるとはいえ、このサイズの違い。同じ人間の腕に嵌めるものかと思いますね。時代の流行で、ユニークでも後期の製品はケースが大型化されて行き、次モデルのマーベルでは機械のサイズも大きく設計されています。長く友達でいてくれてありがとう。休日の外出にでも使ってくれたらうれしいですね。

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