今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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PEN-FTグレィを作るの巻

2014年09月20日 21時07分21秒 | インポート

Img_510765すみません。身内に不幸がありまして少しお休みをしていました。では早速始めます。PEN-FTが2台ありまして、どちらか程度の良い方をFV仕様でペングレィにせよとのことですね。2台をチェックしましたが、後ろの個体は30万台のトップカバーが付いていますが、裏ふたや外観から見える仕様は10万台初期のもの。では初期型かと思いきや、底蓋内のスライディングロットなどは中期以降のもの、なんだか怪しいので除外して、手前のセルフタイマーレバーが変な個体を仕上げようと思います。


Img_510988セルフボタンが陥没したままなので裏ワザで分解しました。特にメカは問題ないと思います。但し、画像の駒数計を駆動させるアイドルギヤのカシメが緩んで空転しておりアッパーアイドルギヤが外せません。駒数計は正常に作動しなかった可能性があります。アイドルギヤは交換します。その他、巻き上げレバーのアルマイトが吊輪と接触部分に傷があるとのことで交換をご希望です。無傷のものは少ないですよ。交換も手間が掛かるし・・・



Img_511045ブラック以外のリペイントの場合はダイカスト本体の塗装もありますので、焼付塗装のため、フィルム室のボトムキャップ(シール)まで分離する必要があります。










Img_511124まず、カメラ本体側から作っていきます。巻上げレバー部の塗装をした本体にモルトの貼り付け、塗装をした裏蓋の蝶番をネジロックを塗布して取り付けました。










Img_511278反対側。裏蓋ラッチにグリスを塗布して、巻き戻しダイヤル軸とセット。塗装をしたラッチカバーで取り付けます。











Img_511920カメラ本体のメカを仕上げておきます。すべて洗浄注油をしたシャッターユニット。状態は良好です。最後期の仕様となっているユニットです。










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オーナーさんがご希望の状態の良い巻き上げレバーを着けたユニットに交換してあります。アイドラーギヤは交換です。完成したシャッターユニットを本体に組み込みました。








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ストロボ接点の半田付けなど、配線を取り付けていきます。











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ハーフミラーの腐食が激しいですが、このミラーは30万台に使われているミラーではないと思います。全反射ミラーのFV仕様をご希望ですので新品のミラーに交換しますが、いつでもFT使用に戻せるようにしておきます。







Img_512655 裏蓋はこれから塗装をしますので、この時点では取り付けていません。シャッター幕を傷つけないように注意をします。メカの組立はすべて終了。電池室からの配線も残してあります。機械の調子は巻き上げもスムーズで良好です。あとはカバー類と小物の塗装仕上げです。






Img_512711 今日は、メッキの剥離に手こずりまして(処理液の関係)剥離までで終了です。オリジナルの底カバーは角に修正出来ない打痕がありましたので、予備機のものを使用します。








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どうもです。今日はあまり進んでいませんね。塗料の艶が中々決まらなくて試し吹きに時間が掛かりました。最近は集中力が続かないので、すべての部品を一度に塗装することが辛くなりましてね。細っかい部品を先に終わらせて精神的に余裕を持たせたいのですね。本体側を完成させるためにはシャッターダイヤルが必要です。ASA感度の色入れをしたところ。




Img_5130 それでもって、ダイヤル本体と合体してから本体に取り付けます。FV仕様なので、露出メーター連動のためのウォームギヤは必要ないのですが、将来FT仕様に戻すことも考慮して組み込んでおきます。しかし、ミラーを交換するときには、結局露出メーターは外すことになるんですけどね。無理をすればそのままでも交換は出来ますけど、まぁ、部品を紛失しないために組んでおきます。



Img_513411ふぅ~、塗装はやっと終了です。精根尽きてコメント書けません。

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今日は午前中は通院のため病院に行ってまして、午後からボチボチ作業を始めましたよ。塗装の仕上がったトップカバーに色入れをした後、ストロボターミナルの取付け、駒数ガラスと明り取り窓の接着、巻き戻し部のネジ部分に高さ調整用のワッシャーを接着して完成させました。







Img_513788取りあえず様子見で本体にセットしてみます。レリーズボタンは未塗装としてあるので、特に作動に問題は無いようです。しかし、問題がありました。セルフタイマーレバーです。最初の時点で取り付けが緩んでいた関係で不具合を発見できませんでしたが、どうも、このレバーは別個体のもののようです。セットしてもレバーはお辞儀をして水平になりません。画像が調整一杯です。すでに塗装をしていますので、これで行くしかありません。タイマーレバーは製造時期によって形状が異なるため、タイマーユニットとセット使用をしないと調整が取り切れなくなることがあります。さて、問題はシボ革ですね。オーナーさんがご希望のグレーのシボ革はすでに在庫が無いのです。


Img_514175グレーのシボ革ですが、在庫を探してみましたら少し残っていましたのでこれを使います。











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ライカやPEN-F系はダイカストボディーの上下に帯の塗装部分が無いため、上下カバーの収まり具合でシボ革部分の幅寸法が変わってしまうので、工場でも隙間部分のダイカストを黒マジックで塗って隙間をごまかしたり苦労をしています。よって、シボ革の製作は、その個体に合わせて採寸切り出しをしていくことになりますね。これがじつに面倒な作業です。画像の左部分は、まずシャッターダイヤルの孔を開けて、それを基準に上下を切り出していきます。
Img_514524 右側の形状がまたむずかしい。元々、下がったトップカバーはダイカスト本体とは大きな隙間ができるので、それを考慮して少し大きめに切り出すのがコツです。









Img_515294 実際の色に近づけるために感度を落として撮影しています。まぁ、こんなもんですかね。ライカのM型用と思われるシボ革のホールド感はペナペナなオリジナルより良好です。








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底部はこんな感じです。










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裏蓋側。因みに、PEN-F系のシボ革3枚はそれぞれ厚みが異なっているのをご存知の方はどれくらいいらっしゃるでしょうか? 特殊なデザイン(それが良いのですが)のために、本体と上下カバーの合いはあまり良くない宿命を持ったカメラで、シボ革の下にビニールデーブを貼ってカバーとの平滑性を維持したりしていますが厚みも変えているのです。正面左のシャッターダイヤル
側はt=0.5mm、右側はt=0.65mm、裏蓋はt=0.4mmです。従って、前面と同じ厚みのシボ革を裏蓋に貼ると落とし込みから出っ張ってしまうことになります。











 


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