今日は忙しかったです。外回りから戻って、久しぶりに天気が良いので、車のフロントワイパーの塗装をしました。前回は内側をマスキングしましたが、今回は手抜きでそのままプラサフと艶消し黒塗装です。今回は自動車用缶スプレーを使いましたが、やはり硬化が早いようです。艶も新品を用意したNWB純正ブレードとほぼ同じで良い感じです。これで完了と思ったら、今度はリヤゲートのダンパーが利かなくなりました。ダンパーは新品にするしかないですね。車歴の古い車はいろいろ出て来ます。
では本題です。遅れて来たペンマニアさんが、中古カメラ市で「訳あり品」として出ていたものを部品取りにと入手されて来ました。訳ありの理由はレンズの後玉が曇っているというもの。PENの場合はコーティングが曇るので、ほとんど救済不能ですが、清掃してみると・・曇りの輪郭は残りますが、まずまずの状態となりました。
それでは部品取りからオーバーホールに昇格して作業をすることにします。
しかし、この個体は分解機で(ほとんどそうだが)シャッターを作動させると、嫌な金属音がします。シャッター羽根に錆が発生しているのと、ヘリコイドの分解時に工具を滑らせていますね。
分解機なので部品の入れ替えもあるのを前提に見ていきます。この個体は#1284XXですが、ドライバー先のスプロケット軸のネジは正ネジです。もう僅か若い個体では逆ネジも確認しています。シリアルと変更が逆転しています。まぁ、シリアルは整数順にはなっていないので・・ピンセット先のギヤは以後と同じ段付きですが、ウェーブワッシャーは入っていません。対角2孔加工も無いので、分解時、工具が掛かりません。最後は、巻上げダイヤルカバー(樹脂)は初期の熱カシメからネジ留め式に変更されています。
シャッターは一度も分離されていませんでした。バックハウジングの留めネジが1本脱落しています。この頃は、ネジロックが施されていません。塗布しにくい構造です。
ファインダーの樹脂がやけにきれいと思いましたら・・対物レンズはガラス製で、カバーはアルミ製。オリンパス工場に生産が移った三光以後のものですね。
まっいいや。洗浄して組み立てていきます。
シャッターの状態は悪いです。シャッター羽根に錆と、スローガバナーやその他の作動部分がギシギシな感じです。洗浄注油をしながら組んでいきます。画像はシャッター羽根を清掃して組むところ。
完成したシャッターユニットの作動音は正常になりました。本体に組み込みます。
三光でこれはおかしいですね。この頃は黒の遮光紙でしょう。
しかし、調子は非常に安定して良いです。シャッターを分解していますので、ストロボ接点の導通を確認のためストロボ発光テストをしています。
ヘリコイドグリスを塗布してレンズをセットします。
希少な三光PENなので、部品の入れ替えを受けながら生き延びるのは仕方のない現象でしょうね。それをオリジナルか否かが分かる人間が段々いなくなるということです。