=原文=
即ち宇伎由比為て
うながけりて
今に至るまで鎮まり坐す
=口語訳=
すなわち、夫婦の契りの盃を交わされ
うなじに手を掛け合い寄り添い合われて
今日に至るまでお鎮まりです
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牧子にしても、思いもかけぬ言葉だった。
彼とのことは、一夜限りのことにするつもりだった。
浮気を清算した後に押し寄せた虚脱感が、狂おしいまでに孤独感を生じさせた。
これから過ごさねばならぬ日々を思うと、思わず涙していた。
“いっそ、彼の元に戻ろうか。愛人でもいい、彼のエゴを受け入れようか…”
そう、思わぬ訳でもなかった。
そんな千々に乱れた思いを払拭したのが、彼だった。
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参道を歩いて行くと、とにかくウサギの彫像があちこちにあるんです。
おおっと、大きな彫像です。大きな袋を背にして、ウサギに話しかけられているところを見ると、まさしく大国主神(おおくにぬしのみこと)さまですね。はい。ではでは、お勉強を。
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今さら縁結びを求める気はさらさらありませんが、来世では是非とも運命の女と結ばれるべく、お願いの参詣です。というのは建前でして、いつまでひとり旅が続けられるか分かりませんが、旅先でのアバンチュールを求めて…。というのも、実は建前でして。本音は、まあいいじゃないですか。
まずは、定番の橋です。よろしいですか、間違っても真ん中を歩いてはいけませんぞ。
端っこを歩くのが我々で、真ん中は神様の通られる場なのですからね。
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牧子はアパートの住人に対して、彼を従兄弟として紹介した。
彼の心の負担を軽減してやりたかったのだ。
彼が足繁く通うことで、まさかとは思うのだが、警察官としての立場を悪くしてはと考えたことも一因だった。
そして彼に対しても、 . . . 本文を読む
「違う! 牧子さんが悪いんじゃない。男が、悪いんだ」
思わず彼は叫んだ。
「いいのよ、ボクちゃん。お姉さんが、馬鹿だったの。
男の嘘を見抜けなかった、お姉さんが悪いのよ。
『家庭を捨てることは出来ない。しかしお前も必要なんだ』なんて、今夜言われたの。
男のエゴに、そうそう付き合っていられないわ。ありがとうね、ボクちゃん。ありがとうね」
牧子は、彼をしっかりと抱き締めながら、何度も自分に言い聞か . . . 本文を読む
今さら縁結びを求める気はさらさらありませんが、来世では是非とも運命の女と結ばれるべく、お願いの参詣です。というのは建前でして、いつまでひとり旅が続けられるか分かりませんが、旅先でのアバンチュールを求めて…。というのも、実は建前でして。本音は、まあいいじゃないですか。
さあそれでは、いつものようにお勉強です。---正式名称は「いづもおおやしろ」であるが、一般には主に「いづもたいしゃ」と読まれる。
二拝四拍手一拝の作法で拝礼する。
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「もう。どうしてボクちゃんは、こんなに優しいんだあ。ボクちゃんの十分の一でも、彼が優しかったら。お姉さんねえ、浮気してたの。お相手はお姉さんの上司なのよ。警察官としてあるまじきことを、三年間も続けてたの。わかるか? この辛さが。さあ、飲みなさい」 . . . 本文を読む
不審気な住人の目が、彼を突き刺してくる。軽く会釈をしながらも、居たたまれない思いが募る。
“帰ろうか、もう。だけど傘を返さなくちゃ。そうだ、傘を返すんだ。だから、待ってなきゃダメなんだ”
足下の小石を蹴り上げながら、彼は待つ理由をこじつけた。
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部屋に戻って、八時十五分です。
バスが、00分と30分です。
九時のバスに乗りますか。
といことで、今朝のレポートを書き始めて十五分です。
ではでは、いざ出陣!
おみやげ買いにでかけ、違う違う!
出雲大社に向かって、出発です。
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今さら縁結びを求める気はさらさらありませんが、来世では是非とも運命の女と結ばれるべく、お願いの参詣です。というのは建前でして、いつまでひとり旅が続けられるか分かりませんが、旅先でのアバンチュールを求めて…。というのも、実は建前でして。本音は、まあいいじゃないですか。 . . . 本文を読む
「ごめんね、ボクちゃん。折角の楽しいデートを台無しにしちゃったね。
今度、埋め合わせをするから。今日は、ここで別れましょう。ホント、ごめんね」
そう言うが早いか、牧子は傘の中から飛び出した。
そして、踵を返して走り出した。 . . . 本文を読む
さあ、それでは出かけましょう。
夕食は、なにがいいですかねえ。
しじみ、というと味噌汁ですよね。出雲名物か…どうでしょう。
正直のところ、わたし、そういうのって好きじゃないんですよね。
自分の好みに合わないものを、名物だからって無理矢理に食べたくはないですし。
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