19日(火)。17日の朝日朝刊の広告企画「朝日求人」の”仕事力”でヴァイオリニスト・諏訪内晶子がインタビューに応えています 今回は4回シリーズの3回目で、見出しは「忘れ去られてはならない」です。彼女は次のように語っています
「演奏家は、その人らしさをどう表現できるか、それを生涯にわたって問われる仕事です。作曲家が書いた楽譜は一つ。長い時を隔てて向かい合いながら、現代のこの私が弾く意味を探すわけですね それは、つまり自分を探すこととも重なります。とくに、日本人であり女性でもあることが、どんなふうに反映されるのか。これが何より大変であり、だからこそ挑む価値があるとも言えるでしょう・・・外からの評価に侵食されない。でも、求められる水準を維持し、忘れられないように実力を磨いておく 強がっているけれど、私もくじけそうになることがあります。それでも私にはこれしかない、そう思うことが支えです」
オーケストラの一員ではなく、ソリストとして生きていく覚悟が伝わってきます。すべての責任は自分が負うことになるのですから厳しい世界です。”忘れられたらおしまい”なのです
東洋人が、中でも日本人が、西洋音楽を演奏する意味については、かつて、単身ヨーロッパに渡って苦労しながらウィーン国立歌劇場の音楽監督という世界の頂点に登りつめた小澤征爾が自ら問い、一つの答えを出したテーマです ベルリン・フィルだろうが、ニューヨーク・フィルだろうが、世界のオーケストラは今や、人類の坩堝と化しています。アメリカの名門ジュリアード音楽院は、いまアジア系の学生に席巻されつつあると聞きます。クラシック音楽の担い手は時代とともに変わっていくのでしょうが、変わらないものがあってもいいと思うのですが、どうでしょうか
閑話休題
昨日、チケットを3枚買いました。1枚は7月11日(木)午後7時から浜離宮朝日ホールで開かれる「イリヤ・ラシュコフスキー・ピアノ・リサイタル」です イリヤ・ラシュコフスキーは昨年の第8階浜松国際ピアノコンクール優勝者です
彼は2月27日に井上道義指揮新日本フィルのバックでチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」を堂々と演奏し、強烈な印象を残しました 次に機会があれば是非聴いてみたいと思っていました
2枚目は7月31日(水)午後7時から東京文化会館で開かれる「響きの森シリーズ”ダンス・ダンス・ダンス”」です プログラムは①バルトーク「ルーマニア民族舞曲(管弦楽版)、②ラロ「ヴァイオリン協奏曲第2番”スペイン交響曲”」、ブラームス「ハンガリー舞曲(全21曲)」です 舞曲を基調とするプログラムから「ダンス・ダンス・ダンス」というキャッチ・フレーズを付けたのでしょう。このキャッチに踊らされてチケットを買ったわけではありません 演奏は広上淳一指揮東京都交響楽団、②の独奏は竹澤恭子。「ハンガリー舞曲」全21曲をまとめて聴けるチャンスは滅多にありません。今回は絶好の機会です
3枚目は10月26日(土)午後6時から東京文化会館で開かれる古典四重奏団の「ムズカシイはおもしろい!! モーツアルト・レクチャー・コンサート」です プログラムはモーツアルトの①弦楽四重奏曲ト長調K.156、②同イ長調K.169、③同ニ長調K.575、④同ニ短調K.421の4曲です これは以前から是非聴きたいと思っていたコンサートです。本来ならば9月23日(月)と11月4日(月)の同じモーツアルトのレクチャー・コンサートも聴きたいのですが、すでに他のコンサートの予定が入っているので諦めざるを得ません 「レクチャー・コンサート」を聴こうと思ったのは、「シューベルトの巻」を2回聴いて、タイトル通り「ムズカシイはおもしろい」と思ったのがきっかけです
いずれも楽しみなコンサートですが、最近は室内楽のチケットを買うことが多くなったような気がします