人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ボロメ―オ・ストリング・クァルテットのベートーヴェン・サイクルⅤを聴く~第13番、14番、15番

2013年06月17日 07時00分23秒 | 日記

17日(月)。先週は11日(火)から16日(日)まで6日連続でサントリーホールに通いました このうち5日間がブルーローズ(小ホール)でした。昨日会場に入るとロビーの一角に本物のブルーローズ(青いバラ)が飾られていました 「青いバラ」は皆さんもご存知の通り、サントリーが世界で初めて青の色素を持つバラを開発することに成功したものです 「青いバラ」は、それまでは「不可能」「奇跡」の代名詞のように使われてきました。それが、今や現実となり、花言葉は「夢 かなう」とのこと。音楽を愛する人々の可能性が花開き、奇跡のように新たな感動や発見の愉しみが生まれる場所にしようと、小ホールは「ブルーローズ」と名付けられました

 

          

 

顔を近づけるとバラのいい香りが漂ってきます 色はどちらかと言うと薄紫に近い色です。長時間飾っておくと色が変わってくるのかも知れません ここで、バラの花に成り代わって一句。 

     人々が 香りを嗅いでいくたびに 赤くなったり 青くなったり 

 

  閑話休題  

 

15日(土)は午後2時からのアファナシエフのピアノ・リサイタルに次いで、夜7時から、ブルーローズで、ボロメ―オ・ストリング・クァルテットのベートーヴェン・サイクルⅤを聴きました プログラムは弦楽四重奏曲①第15番イ短調、②同第14番嬰ハ短調、③第13番変ロ長調”大フーガ付”です

 

          

 

自席はC4列3番、センターブロック左サイドです。会場はほぼ満席 ボロメーオ・クァルテットのベートーヴェンを聴くのは今回が3回目です。6日には第10番”ハープ”、第11番”セリオーソ”、第12番を、13日には大フーガ、第16番、第13番を聴きました。これで後期の弦楽四重奏曲すべてを彼らの演奏で聴いたことになります

楽章の数で言うと、第10番から第12番までは4楽章形式ですが、第13番は6楽章、第14番は7楽章、第15番は5楽章、そして第16番は4楽章に戻ります。これほど自由に形式を変えたのはベートーヴェンが初めてでしょう

いつものように、舞台上には専用スタンドにマックブックが載せられています。ボロメーオ・クァルテットは紙の楽譜でなく、マックブックで電子楽譜を見ながら演奏します 足元のフットマウスを軽く踏むことによって画面上の譜面をめくります

1曲目の第15番イ短調は、「病癒えた者の神への感謝の歌、リディア旋法で」と記されている第3楽章が中心テーマになっています 非常に穏やかな心安らぐ曲です

一旦休憩を取って、2曲目の第14番の演奏に入ります。7つの楽章から成りますが、すべての楽章が続けて演奏されます。革新者ベートーヴェンの面目躍如といった曲です 最後の第7楽楽章は、終わるようでなかなか終わりません。シューベルトはこういったところを真似したのかも知れません

またしても休憩を取って、最後は第13番「大フーガ付」です。13日に「大フーガ」だけ独立した形で聴いたのですが、どこが良いのかさっぱり分かりませんでした しかし、今回、全体の中の第6楽章として聴いて初めて、その良さの一端が少し分かるような気がしました この時、ある曲の一部だけを取り出して演奏するのは、その曲を理解するためには良くないことだと思いました

 

          

 

5日間にわたりベートーヴェンの弦楽四重奏曲の全曲演奏を成し遂げたボロメーオ・クァルテットの面々に惜しみない拍手 とブラボーが贈られました

午後7時に始まったこの日の公演は、途中15分の休憩を2回挟んで9時50分に終了しました

今回の演奏を振り返ってみて、個人的な印象としては、一昨年の第1回目のベートーヴェン・サイクルを担ったパシフィカ・クァルテットがこれまでで最高の出来だったと思います 彼らの演奏が気に入って、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲CD全集を買ったほどです チェンバーミュージックガーデンに、もう一度パシフィカ・クァルテットを呼んでほしいと切望します

 

          

 

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