人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新日本フィル室内楽シリーズでシューマン「ピアノ五重奏曲変ホ長調」を聴く

2013年06月27日 07時00分22秒 | 日記

27日(木)。右側下の奥歯に被せてあった金属が取れてしまったため、昨日、地下の0歯科で処置してもらいました。最近、受付で見かけないAさんが受付してくれました。「お久しぶりです。最近私は奥の方にいますよ」とのことで、どうも診療室での仕事に移られたようです。アベマリアのような優しい顔立ちのAさんが受付に居ないのは何ともさびしいものです 受付にレギュラーでカムバックしてくれることを切に希望します 砂糖を丸かじりして虫歯を作って通いますから・・・・どうでしょうか、0先生

 

  閑話休題  

 

昨夕、すみだトりフォニーホール(小)で新日本フィルの室内楽シリーズを聴きました プログラムは①コダーイ「弦楽四重奏曲第1番ハ短調」、②シューマン「ピアノ五重奏曲変ホ長調」です

 

          

 

開演15分前から例によって新日本フィルの第2ヴァイオリン奏者・篠原秀和さんによるプレトークがありました この日は最初に「イタリア弦楽四重奏団」の紹介がありました。1945年に創立したイタリアSQは一部メンバーを入れ替えて1980年に解散するまで35年続きました 驚くべきことに、紅一点の第2ヴァイオリン奏者・エリーザ・ペグレッフィは、他の3人のメンバーを次々に夫にしたということです 篠原さんの言葉を借りれば「最悪の人間関係、世界一のベルカント奏法」というクァルテットです 私はイタリアSQが大好きで、なぜか風邪をひいて長期間会社を休んだ時などは、彼らによるモーツアルトの「弦楽四重奏曲全集」を片っ端から聴いたものです。薬よりも良く効きました

 

          

 

次いで、ウィーン・フィルのゲルハルト・ヘッツェルについて解説しました。彼は1945年ユーゴスラヴィア生まれで、ウィーン・フィルで初めての外国人コンサートマスターとのこと 当時のウィーン・フィルには外国人に対する抵抗意識が強く、やりにくい状況だったようですが、彼の人柄と才能と努力とによって楽員の信頼を獲得し、押すに押されぬコンマスになったということです

篠原さんは、例によって原稿なしで、立て板に水のごとく流暢な話術で、人名・年代を正確に織り交ぜながら、見事な解説をしてくれました 自ら選別して取り上げた演奏家を語る篠原さんは熱いです 次回で彼のプレトークも最終回。一抹の寂しさがあります

 

          

 

さて、1曲目のコダ―イ「弦楽四重奏曲第1番ハ短調」は、左から第1ヴァイオリン=西江辰郎、第2ヴァイオリン=吉村知子、チェロ=矢野晶子、ヴィオラ=矢浪礼子というメンバーです

コダーイと言われて連想するのは、①シュタルケルの演奏する無伴奏チェロ・ソナタ、②ジョージ・セル+クリーヴランド管弦楽団による「ハーリ・ヤーノシュ」の演奏、③コダーイ弦楽四重奏団の来日演奏会です。このうち③のコダーイSQの来日演奏会は、1970年代に都市センターホールで開かれた時に、指揮者・渡邉暁雄さんの弟・渡辺忠恕さんに連れられて聴きに行ったのですが、第1ヴァイオリン奏者が楽譜を忘れてきて、部屋(都市センター内のホテル)に取りに行ったため待たされた思い出があります

コダーイの「弦楽四重奏曲第1番」は、プログラムに演奏者たちが書いているように、民族色豊かな曲である一方、耳に馴染みの薄い曲でもあります 第1楽章と第2楽章はチェロから、第3楽章と第4楽章はヴィオラから入ります 唯一親しみやすいメロディーが出てくるのは第4楽章で、ホッと一息つきます。西江コンマスを中心に色彩感豊かな演奏を展開しました

2曲目のシューマン「ピアノ五重奏曲変ホ長調」は、左から第1ヴァイオリン=宇野沢美緒、第2ヴァイオリン=稲垣桃子、ヴィオラ=原孝明、チェロ=貝原正三、センター後ろにピアノ=沢田千秋というメンバーです 1曲目のコダーイと、ヴィオラとチェロの位置が違いますが、シューマンの方はセンターにピアノが置かれていることと関係あるのかも知れません 高音部を女性陣が、低音部を男声陣が弾くことになります

第1ヴァイオリンの宇野沢美緒さんとピアノの沢田千秋さんは初めて聴く演奏家です。演奏後のワンコイン・パーティーで篠原さんが、この二人は東京藝大の同期生だと紹介していました 第1楽章のアレグロを聴いていて「シューマンの曲ってブラームスによく似ているなあ」と思いましたが、師弟関係から言えばこれは逆で、ブラームスがシューマンに似ていると言うべきでしょう

このシューマンは熱い情熱が伝わってくる演奏でした ロマン派の魅力タップリで、ピアノと弦とが溶け合って見事なアンサンブルを奏でていました。とくに第2楽章が美しい音楽、素晴らしい演奏でした

演奏会終了後、いつものようにワンコイン・パーティーに参加しました。篠原さんが、西江コンマスを「いつも控えめなハンカチ王子」と紹介し、お薦めのコンサートを聞くと、西江氏は「その前に一人、ご紹介したい。アメリカ在住の作曲家・小杉さよさんです」(小杉さん登場)。「彼女にヴァイオリン曲を委嘱したのですが、締め切りまでにキッチリと作品を仕上げてきたので、これはしっかりマスターしないと大変だ、と思って練習したのですが、かなり難しい曲でした」と語りました。その上で、「お薦めのコンサートは、新日本フィルの演奏会すべてです、と言うべきなんでしょうが、そうもいかないので、大好きなハーディングとのコンサートもあるし、メッツマッハ―との演奏会も控えています」と答えていました

インタビュー終了後、篠原さんがやってきて「トラさん、近いうちに本名を明かしてください」とおっしゃるので「はい」と答えましたが、次回、プレトーク最終回の時に正体、もとい、本名を明かそうと思います

 

          

コメント (2)
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