人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ダニエル・ハーディング+新日本フィルでマーラーの「交響曲第6番イ短調」を聴く

2013年06月23日 07時03分01秒 | 日記

23日(日)。昨日の朝日夕刊スポーツ欄に「元阪神ブラゼル ロッテに入団へ」という小さな記事が載りました

ブラゼルと言えば昨年の阪神戦のテレビ中継を思い出します。阪神チャンスの場面でブラゼルが登場すると、カメラが客席を映します すると「頼むぞブラゼル!」のボードとともに「天使のブラ!」と書かれたボードが写し出されました。テレビに向かって思わず「あんた、トリンプかワコールのまわし者かい」とツッコミを入れました が、よく考えると、ブラゼルは日本語読めないし・・・・・・でも、もしブラゼルが読めたら打つ気が失せて三振してしまうだろうな・・・・・これじゃ、三振タイガースになっちゃうよな・・・・と一人心配して、胸のつかえがなかなか取れませんでした

 

  閑話休題  

 

昨日、すみだトりフォニーホールで新日本フィルの第509回定期演奏会を聴きました ダニエル・ハーディングがマーラーの交響曲第6番イ短調”悲劇的”を指揮します

 

          

 

交響曲第2番、第3番、第4番で声楽を含む楽曲を作曲したマーラーは、20世紀に入ると純器楽による交響曲の作曲に打ち込みます。第5番(1901~02)、第6番(03~04)、第7番(04~05)の3曲です第6番イ短調は1906年5月27日、エッセンでマーラー自身の指揮によって初演が挙行されました 「悲劇的」という愛称は1907年のウィーン初演時の配布印刷物に記されていたと言われています

拍手に迎えられてコンマスの豊嶋泰嗣が席についてチューニングが始まります オケはハーディング・シフトを採ります。向かって左から後ろにコントラバス、前に第1ヴァイオリン、右にチェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置、総勢約110人です。新日本フィルの室内楽シリーズの会員になっているので、お馴染みの顔があちこちに見られます プレトークの達人・篠原英和さんも右サイドの第2ヴァイオリン席でスタンバイしています

小柄なダニエル・ハーディングがタクトを振りおろし、第1楽章の”悲劇の行進曲”とでもいうべきメロディーが刻まれます ここにマーラーが近い将来待ち受ける悲劇が感じ取れます

しかし、実際にはこの作品を作曲する前の1902年3月にはアルマと結婚、同年11月には長女が、04年6月には侍女が生まれます。そんな幸せの絶頂にある時、まさに彼は”悲劇的”なイ短調の交響曲を書いたのです

第2楽章のアンダンテは弦が非常に美しいメロディーを奏でます。そこに管楽器が加わって美しいハーモニーを奏でていきます 新日本フィルは弦楽器も素晴らしいことを再認識しました

第3楽章のスケルツォは、またしても重い悲劇が押し寄せてくるような曲想です。管弦楽が咆哮します

そして、間を置かずに第4楽章のフィナーレに突入します。マーラーは当初、この楽章でハンマー(小槌)を5か所で叩くように構想していたのですが、まず2か所が削除され、おそらく初演までに最後の箇所も抹消され、最終的には2か所のみの使用となりました

ハンマーの位置は舞台右奥のチューバの右前、ハープの後ろ側ですが、彼らは2度の打撃の時に腰が浮いたのではないかと想像します。相当大きな音が会場に響き渡ります

ろくに知識のない私などは、ハンマーの打撃が当初の5回から2回まで減ったのは、劇場支配人から「うちの劇場を壊す気か」と苦情を言われたからではないかと思ったりするのですが、やっぱり違うでしょうね。もっと深い意味があるのでしょう

最後の一音が鳴り終わりましたが、ハーディングはタクトを上げたまま下ろさなかったため、会場はしばし無音の状態が続きました 30秒くらい経ったときにやっとタクトが下り、拍手 とブラボーが舞台に押し寄せました。定期会員はこうでなくてはなりません。演奏直後は「沈黙は金なり」です

 

          

 

 この公演は私の今年100回目のコンサートでした。自己新記録への挑戦はまだまだ続きます

 

 

コメント (2)
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