20日(木)。昨日は当社の定時株主総会と取締役会があり、大過なく無事終了したので、地下の焼鳥Rで打ち上げをやりました 普段は飲まないU専務をはじめOBのS氏も交えて11人で飲みました その後、専務が「テナント店舗のもう1軒にも寄らないと不公平になる」と珍しく主張したため焼鳥0に場所を移してさらに飲みました もう飲めない!といったところで解散、OBのS氏、X部長と3人でタクシー に乗り込み上野に向かいました。言うまでもなく、カラオケ歌合戦 を展開し10時半まで歌いまくりました。という訳で、今日も朝から頭が頭痛ですまんねん
閑話休題
17日の日経「夕刊文化」欄に文化部の関優子記者が「クラシック もっと気軽に~交響楽団・劇場、30~40代取り込む」という記事を書いています 要約すると、
「読売日本交響楽団は後楽園の文京シビックホールで”読響カレッジ”を始めた 開演を午後8時と遅くし、上演時間も休憩なしの1時間にして働き盛りの30~40代を取り込もうとする 新国立劇場は39歳以下向けの割引制度”アカデミック39”を2月にスタートさせた 26~39歳を対象に、残席があるオペラ・バレエ公演のチケットを原則半額とする 多くの劇場やオーケストラには若者向けの割引料金があるが、25歳前後を区切りとする例が多い 新たな取り組みはさらに一つ上の世代を取り込み、将来にわたって聴衆を育てる狙いがある」
クラシックのコンサートやオペラに行って常々感じるのは、聴衆の高齢化です 記事にも「新国立劇場の友の会”ジ・アトレ”の平均年齢は約60歳」とありました。今の聴衆がこのまま持ち上がって超高齢化していき、下の世代がコンサートに通うようにならないと、コンサートやオペラの公演が成り立たなくなる恐れがあります
いまから10年数年前、NHKホールを会場とするN響の定期会員だったのですが、N響の会員はその時点ですでに「ここは老人ホームか」と思うほど超高齢化が進んでいました 古典派、ロマン派のプログラムの時は会場がいっぱいになるのですが、ストラヴィンスキー、シェーンベルクといった近現代のプログラムになると途端に来なくなってしまうのです 極めて保守的な聴衆の集まりだと思いました
新聞業界の場合は、「ニュースペーパー・イン・エデュケーション(教育に新聞を)」という運動があり、小中学校の教材として新聞を活用することで、子どもの時から新聞に親しみをもってもらい、将来の読者を増やそうと努力しています
一方、クラシック音楽業界では、一時、25歳未満の若者層を取り込もうと割引料金を導入してきたのが、ここにきて、その上の30~40歳代の年齢層をターゲットに加えて聴衆を増やそうとしている訳です
そうした新たな試みは大いにやって欲しいと思います しかし、いつも思うのは、定期会員制度は、一回ごとにチケットを買うよりもかなり割安な料金設定になっている一方で、単発のチケットは高すぎるということです N響(NHKホール、サントリーホール)を例にとればS席=8,500円、A席=7,000円、B席=5,500円、C席=4,500円、D席=3,500円です どのランクも定期会員が優先的に良い席を押さえているので、良い席が残っているはずはなく、よほどのことがない限り単発でS席を買う気持ちは起こりません。どんなに良くてA席です もっと安くすれば1ランク上の席を買うでしょう
目を海外の来日オーケストラに転じると、交響曲と言えばドヴォルザークの第9番「新世界より」かベートーヴェンの第5番「運命」、ヴァイオリン協奏曲と言えばメンデルスゾーンの「ホ短調協奏曲」、ピアノ協奏曲と言えばベートーヴェンの第5番「皇帝」かチャイコフスキーの「第1番変ロ短調」というステレオタイプのプログラミングが目立ちます いずれも名曲中の名曲であることは認めますが、日本の聴衆を馬鹿にするのもいい加減にしろと叫びたい気持ちで一杯です 「呼び屋さん」がいつまでもそういう経営効率優先主義を続ける限り、まともな聴衆は離れていきます
も一度、閑話休題
乾緑郎著「完全なる首長竜の日」(宝島社文庫)を読み終わりました この作品は第9回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作です
植物状態になった患者とコミュニケートできる医療器具「SCインターフェース」が開発された。人気少女漫画家の和淳美(かずあつみ)は、自殺未遂により意識不明の弟の浩市と機械を通じて対話を続ける 淳美が知りたいのは、なぜ浩市は自殺を図ったのかということ。しかし、浩市は答えない。そもそも浩市は自殺未遂事件を起こしたのか
この小説のテーマは中国の「胡蝶の夢」です。荘周という人が夢の中で蝶になったが、それはもしかしたら蝶が見ている荘周の夢かもしれない、という中国の故事です この本を読んでいると、いま読んでいるところは現実のシーンなのか、淳美の見ている夢のシーンなのか、判然としない部分が数多くあります 過去と現在、夢と現実が混然一体となった物語です
推理小説を読んでいると、今まで被害者だと思っていた人が実は犯人だった、ということが往々にしてありますが、それに近い結末が待っています
この作品は「このミス」の審査員が満場一致で選んだブッチギリの大賞受賞作ということです 著者の優れたストーリーテラーぶりに、わずか1日半で読み終わりました この作品は黒澤清監督により「リアル~完全なる首長竜の日~」として映画化され、現在上映中とのこと。さて、あなたは読んでから観るか、観てから読むか