7日(火).ギリシャは5日に実施されたEU債権団が要求する財政緊縮策への賛否を問う国民投票で、反対が6割以上を占め、”要求拒否”の結論を出しました チプラス首相は勝利宣言をしたようですが、何に対して勝ったのでしょうか? いったいこれからどうするつもりなのでしょうか
『海の色に染まるギリシャのワイン』 は高橋真梨子が歌う『桃色吐息』ですが、今のチプラス首相が歌うのは差し詰め『青色吐息』でしょうか ギリシャの銀行の手元資金は枯渇していると言われています.金庫の底が付いたら文字通りbankruptになってしまいます
報道によると、ロシアや中国が何らかの形でギリシャに経済的な支援をしようとする動きがあるようですが、個人的には危険な兆候だと思います ギリシャは国民投票で提案拒否の意志を示したことで国の尊厳を守ったという評価があるようですが、これらの大国の思う壺になって国の尊厳を失うことのないように祈るばかりです 指導者が変わらないのなら、稚プラスでなく智プラスであってほしいと思います
かつてソクラテス、プラトン、アリストテレスという3大哲学者を排出した”英知の宝庫”ギリシャ、20世紀最高のソプラノ歌手マリア・カラスを生んだ誇り高きギリシャはどこに向かおうとしているのでしょうか よその国のことながら心配です ということで、わが家に来てから271日目を迎え,食後の運動を終えて床に寝そべるモコタロです
ご主人に遊んでもらって 走り回ったら 疲れちゃったよ
閑話休題
5日(日)に飯田橋のギンレイホールで映画「百円の恋」と「0.5ミリ」の2本立てを観ました 昨日「百円の恋」について書いたので,今日は「0.5ミリ」について書きます
介護ヘルパーの山岸サワは,ある日,派遣先の家庭で予想外の依頼を受け引き受けるが,アクシデントで火災に巻き込まれ,職も家も失ってしまう 後がないサワは道で出会ったおじいちゃんたちを見つけ出しては,押しかけて行きヘルパーとして居着くようになる
サワは一見”押しかけ女房”的な強引さでおじいちゃんたちに取り入っていきますが,料理は上手いし老人介護も上手ときているので,おじいちゃんたちは,最初のうちは胡散臭そうにしているけれど,別れる時には「ありがとうね」と言うようになります そこがこのサワというヒロインの魅力になっています
「百円の恋」では使われていなかったクラシック音楽が,この「0.5ミリ」では使われています まず,冒頭の老人を介護するシーンで流れるのはワルトトイフェルの「スケーターズ・ワルツ」です.この曲はエンディングでも流れたので,この映画のテーマ音楽と言っても良いでしょう ヒロインのサワの生き方を象徴するかのような軽快な音楽です この曲は園子音監督の「冷たい熱帯魚」でも使われていました
途中,モーツアルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第2楽章「アンダンテ」やバッハらしき曲が流れます 寝たきり女性が両手を振って歌う「乾杯の歌」(ヴェルディ『ラ・トラヴィアータ』)もあります.さらに,ハイドンの弦楽四重奏曲第67番ニ長調『ひばり』の第1楽章がいくつかのシーンで流れますが,現代風にアレンジされています
この映画の監督は安藤サクラの姉・安藤桃子です.この映画は,監督自身の介護経験から発想を得て書き下ろした小説を映画化した作品です 「0.5ミリ」とは,人間の”心と心の間の距離”のことを指しているそうです
さきに見た「百円の恋」とともに安藤サクラの演技力満開の映画です.お薦めします