20日(月・祝).今日は朝からまるで夏みたいな暑さですね・・・・・あぁ,いま夏だったか・・・夏ボケ絶好調だな,我ながら・・・昨日は,子供部屋の大掃除をしました.モコタロのケージ(小屋)が部屋の中にあるので,何かと汚れやすくなっているので,思い切って取り掛かったのです.お陰ですっかり綺麗になりスッキリしました ということで,わが家に来てから283日目を迎え,ガールフレンドの白ウサちゃんと並ぶモコタロです
閑話休題
桜木紫乃著「ホテルローヤル」(集英社文庫)を読み終わりました 言うまでもなく2013年第149回直木賞受賞作です.桜木紫乃は1965年北海道生まれ.2002年「雪虫」で第82回オール読物新人賞を受賞しています
ホテルローヤルとは北国の湿原を背に建つラブホテルのこと 「シャッターチャンス」「本日開店」「えっち屋」「バブルバス」「せんせぇ」「星を見ていた」「ギフト」という7つの短編から成りますが,他の小説と異なるのは物語が時系列的に流れるのではなく,遡っていくことです
最初の「シャッターチャンス」は恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性の話ですが,その撮影場所が廃墟と化したホテルローヤルです 次の「本日開店」は貧乏な寺を維持するために檀家たちと「ホテルローヤル」で時間を共にする住職の妻の話
「せんせぇ」はホームレス女子高生と妻に裏切られた高校教師の話.この二人が「ホテルローヤル」で心中事件を起こしたことから経営が傾き,結局廃墟になったことが分かります
そして,最後の「ギフト」でなぜこのホテルがローヤルという名前が付けられたのかが語られます
一番印象に残っているのは,ホテルの掃除婦ミコが主人公になった「星を見ていた」です 音信普通になっていた次男から封書が届きます.中には3万円とともに「会社が変わって給料が少しだけ良くなった.この金は母さんの好きなように使ってください」という手紙が添えられています.ミコはホテルローヤルまでの道が坂が多いことから,自転車を買おうと思います.ところが,テレビに「死体遺棄事件,容疑者の身柄確保」のニュースが流れ,次男の名前が出ています.ミコは星が照らす深い林の中に入って行きます
全編を読んでいて感じるのは,優しい気持ちになるということです.登場人物が優しい人たちだからでしょう 確か著者の桜木紫乃さんは直木賞受賞のコメントで,生家がラブホテルを経営していたと話していたと思います.子供の頃から,ホテルに出入りするカップルや従業員を身近で見て育ってきた結果が受賞に結びついたのでしょう
読みごたえのある短編集としてお薦めします