人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新日本フィル室内楽シリーズでオール・モーツアルト・プログラムを聴く

2015年07月09日 07時09分41秒 | 日記

9日(木)。昨日、皇居外苑で丸の内消防署主催による「自衛消防訓練審査会」が開かれたので、見学に行きました 朝から小雨模様でしたが、予定通り開催されました。この審査会は毎年1回、丸の内地区にある各ビルの自衛消防隊の日頃の消火訓練を審査するもので、男子隊、女子隊、警備隊の3つに分かれ、それぞれ順位を争います 警備隊については、今年から参加チーム(48チーム)を赤・白で分け、それぞれ順位を決めることになりました

訓練の想定は「事業所の勤務時間中に火災が発生、消火器の初期消火にも関わらず火勢が拡大し、屋内消火栓による消火活動(ホースを延長)を必要とする火災に拡大した」となっています 審査は初期対応要領(迅速性、確実性)、屋内消火栓操法と各操作のタイムに着眼して行われます。実際にホースから水を出して的を当てて倒します 放水に当たっては相当の圧力がかかるため、うっかりすると手元を離れ、暴れまくります 隊の構成は、指揮者、1番員、2番員の3人一組で、それぞれの行動が合計330点満点で採点され、得点順に1位から3位まで入賞隊が決まります 

われらがPCビル自衛消防隊は、指揮者が3年前にルーキーとしての出場経験があり頼りがいのあるK君、1番員が5年連続出場で25年度の敢闘賞に輝くT君、2番員が今年入社したばかりの運動神経抜群のI君の3人です この3人を、昨年まで指揮者を務めてきた防災センター副隊長のI君が練習から本番まで統括します。出場順は警備隊全48チーム中28番目ですが、赤組と白組とが交互に出場する形で午後の9番目となりました。早目の昼食を取って現地に向かいました

私は、ここ1か月の間、何度となく地下2階駐車場での練習を見てきましたが、日を追って上達していく3人の姿を見ていて頼もしく感じていました。昨日は日頃の練習の成果を十二分に発揮し、24チームの中で堂々の第2位(準優勝)を獲得しました

 丸の内消防署管内の自衛消防隊は、ほとんどが30階建て以上のビルの防災センター要員で、警備員もそれだけ揃っているところばかりです 丸の内管内は日本一の強豪チームが揃っていると言っても過言ではありません その中で、11階建てのわがビルを警備する10名に満たない隊員の中から選ばれた自衛消防隊が準優勝に輝いたということは、驚くべき快挙なのです しかし,私は優勝しなくて良かったと思っています なぜなら,優勝してしまったら来年の目標を失うからです.準優勝は狙ってもなかなか獲得できない理想的な位置といえるのです

出場した輿石君、玉田君、石井君、ありがとう 皆さんは当ビルの誇りです 統括的な役割を果たしてくれた池ノ谷副隊長、3人の練習時間を確保するためにローテーションの変更等で3人を陰で支えてくれた鈴木隊長以下隊員の諸君、ご指導いただき,応援にも駆け付けて下さった警備会社T社の皆さん、当社社員の皆さん、本当にお疲れ様でした 

なお,3人の活躍の模様は当社のホームページhttp://www.presscenter.co.jpで公開しています 

ということで、わが家に来てから272日目を迎え,小林秀雄のエッセイに疑問を抱くモコタロです 

 

          

             なんで小林秀雄のエッセイがここにあるのかな?

 

  閑話休題   

 

昨夕、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル室内楽シリーズ・コンサートを聴きました オール・モーツアルト・プログラムで①弦楽四重奏曲第13番ニ短調K.173、②ピアノ四重奏曲第1番ト短調K.478、③弦楽五重奏曲第4番ト短調K.516です 演奏は、ヴァイオリン=篠原英和、松宮麻希子、ヴィオラ=木村恵子、原孝明、チェロ=多田麗王、ピアノ=出久根美由樹です

 

          

 

久しぶりにトークの天才・篠原さんのプレ・トークを聞きました このシリーズは「楽団員プロデュース編」と名打っており,今回のプロデューサーは新日本フィル第2ヴァイオリン奏者・篠原英和さんなのです この日に演奏する「短調のモーツアルト」の趣旨と演奏曲目を解説,モーツアルトの死因に関する最新の研究情報を解説しました.結論から言うと「モーツアルトはトリカブトのような毒を盛られて暗殺された」.それでは誰が殺したのかと言うと「アマデウス」で有名になったサリエリでもなく,所属していたフリーメーソンでもない サリエリは地位も名誉も財産もすべて持っていた.したがって,いくらモーツアルトに嫉妬していたとしても暗殺するまではいかない フリーメーソン説,つまり歌劇「魔笛」でフリーメーソンの儀式を暴露されたからだと言っても,それは返ってフリーメーソンの有利な宣伝材料にになる訳だから暗殺する訳がない,ということで,「犯人はもっと身近で毒を確実に盛ることが出来た人物,それは・・・皆さん,分かりますね.この続きはコンサート後のワンコイン・パーティーで・・・・」と結論が持ち越されました これはパーティー(500円)に参加しない訳にはいきません.トークの天才・篠原氏は営業の天才でもありました

 

          

        

自席は6列1番です.1曲目の「弦楽四重奏曲第13番K.173」はニ短調の曲です 篠原氏の解説によれば,ニ短調はデモ―二シュな性格を持ち,代表的な曲として歌劇「ドン・ジョバンニ」の序曲が挙げられるとのことです

演奏は篠原,松宮,木村,多田の各メンバーです.このK.173はモーツアルトの弦楽四重奏曲の中でもあまり演奏される機会がない曲ですが,ハイドンから影響を受けて17歳の時に作曲したものです 私はこのところベートーヴェンの弦楽四重奏曲ばかり聴いてきたので,あらためてモーツアルトを生演奏で聴いて新鮮に感じました

2曲目の「ピアノ四重奏曲第1番K.478」はト短調の曲です 篠原氏の解説によれば,ト長調の”喜び”に対しト短調は”強い哀しみ”を表し,代表的な曲として交響曲第40番が挙げられるとのことです

篠原,木村,多田の各メンバーにピアノの出久根美由樹が加わります.このピアニストは今回と同じメンバーで2年前にブラームスのピアノ四重奏曲第1番を演奏した感性豊かな人で,何を隠そう篠原夫人です この人が加わったことで,いっそう演奏が引き締まったような気がします とくに第1楽章はデモ―二シュそのもので,モーツアルトの魅力が満載の曲です

 

          

 

休憩後の「弦楽五重奏曲第4番K.516」はト短調の曲です この曲で思い出すのは小林秀雄のエッセイ「モオツァルト」です.新潮文庫「モオツァルト・無常という事」の45ページにこの曲の第1楽章冒頭の楽譜が載っています アンリ・ゲオンがこれをtristesse allante(疾走するかなしさ)と呼んでいるのを読んだとき,小林秀雄は「自分の感じを一言で言われた様に思い驚いた」と書いています

 

          

 

篠原,松宮,木村,原,多田のフルメンバーによる演奏を聴いていて思ったのは,仕掛け人・篠原氏がこの日本当に演奏したかったのはこのクインテットだったのではないか,とりわけ第3楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ」と第4楽章「アダージョーアレグロ」だったのではないか,ということです 第3楽章における篠原氏の第1ヴァイオリンを聴いていると,若き日に師事したというアマデウス弦楽四重奏団の演奏を思い起こさせる音色が聴こえてきたように感じました

アンコールも短調にこだわり,弦楽五重奏曲ハ短調K.406の第3楽章「メヌエット」を演奏しました

 

          

 

演奏後のワンコイン・パーティーでは演奏を終えたばかりの篠原氏が颯爽と登場,マイクの前で「プレ・トーク」で取り上げたモーツアルトの死を巡るミステリーの続きを語りました いろいろな状況証拠からして,モーツアルトを毒によって死に至らしめたのは妻コンスタンツェとその母チェチェーリア・ウェーバーだった.首謀者がチェチェーリアで実行者がコンスタンツェだったとのことです

モーツアルトの死を巡る研究が,ここまで進んでいたとは全く知りませんでした それにしても,プレ・トークにしても,ワンコイン・パーティーのマスター役にしても,原稿なしで立石に水のように豊富な知識を披瀝する篠原氏は,まさにトークの天才と呼ぶのに相応しい人物だと,あらためて思いました その篠原氏の締めの言葉は「女は恐ろしい」でした. 議長,異議なし

前日が飲み会で帰りが遅く,昨夜は6日連続コンサートの初日だったことから,最初からペースを上げると後がバテるので,ワンコイン・パーティーはワインを飲みながら篠原氏の有益な話を聞いた後,しばらくしてから失礼しました.なかなか篠原さんとの飲み会に参加できなくて申し訳なく思っています

 

          

 

コメント (4)
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