12日(日)。わが家に来てから275日目を迎え,ギリシャの行方が気になり,ひたすら紙面をかじるモコタロです
ギリシャも大変だけど 日本だって借金1,000兆円だぜ!
閑話休題
昨日、東京オペラシティコンサートホールで東京交響楽団のオペラシティ・シリーズ第87回演奏会を聴きました プログラムは①細川俊夫「循環する海」、②ラヴェル「左手のための協奏曲二長調」、③ドビュッシー「管弦楽のための映像~第1曲『』ジーグ」,第2曲『イベリア』,第3曲『春のロンド』」。指揮は東響音楽監督ジョナサン・ノット、②のピアノ独奏は萩原麻未です
コンマスはグレブ・ニキティン.オケは第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれて向かい合う対向配置をとります このコンサートホールのステージは他の会場に比べて若干狭いのか,フル・オーケストラだと狭苦しく感じます
1曲目の細川俊夫「循環する海」はザルツブルク音楽祭の委嘱で2005年に書かれた,序奏と9つのパートから成る曲です 聴いた感想を言えば『大管弦楽を使って,静かに寄せては返す波の心象風景を描いた作品』という感じです
全体的にピアノとピアニッシモが支配する世界です
終わって,作曲者が会場中央の左サイドの席からステージ上に呼ばれ,拍手喝さいを受けましたが,私がこの曲の良さを理解するには1度聴いただけではとても足りないと思いました きっとブラボーをかけた人はよほど感性の鋭い人か,相当聴き込んでいる人か,きちんと音符が読める人なのでしょう
ステージ右サイドからグランド・ピアノが中央に運ばれ,2曲目のラヴェル「左手のための協奏曲二長調」の演奏に備えます この曲は,第一次世界大戦で右腕を失ったウィーン出身のピアニスト,パウル・ヴィトゲンシュタインの委嘱により書かれた曲です.曲は単一楽章で,緩~急~緩の3部から成ります
ソリストの萩原麻未が鮮やかな空色のサマードレスで登場,ピアノに向かいます この日のコンサートは彼女のピアノを聴くために来たようなものです
第1楽章冒頭,暗くうごめくような曲想から,萩原麻未の力強いピアノ独奏が入ってきます
演奏するのは左手のみなので,彼女は右手を使って身体を浮かせ,右に左に身体を移動させスムーズな演奏を心がけます
両手で弾くよりはるかに弾きにくいのではないかと思われますが,出てくる音はまるで両手で演奏しているかのようです
最初のカデンツァは鮮やかです.終盤の2曲目のカデンツァは力強く感動的です
あらためて萩原麻未の弾くラヴェルは素晴らしいと思います
鳴り止まない拍手に,ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」から第3曲『月の光』をロマン豊かに演奏し,喝さいを浴びました ラヴェルといい,ドビュッシーといい,萩原麻未の”フランスもの”は何度聴いてもいいな,と思いました
思い残すことがないので帰ろうかと思いましたが,せっかくなので後半も聴くことしました プログラム後半はドビュッシーの「管弦楽のための映像」です
第1曲「ジーグ」,第2曲「イベリア~街の道と田舎の道,夜の香り,祭りの日の朝」,第3曲「春のロンド」が演奏されます.どの曲も色彩感豊かな曲ですが,とくにスペインをイメージした「イベリア」はタンバリン,カスタネットの響きが鮮やかで,強い印象に残ります
東響のメンバーは弦も管もバランスがよく,音による絵の世界を描いて見せました