人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

室積光著「史上最強の大臣」を読む~京都にある「本物の内閣」再登場

2015年07月16日 07時01分40秒 | 日記

16日(木)。昨夕、虎の門の居酒屋Eで当ビル内のマスコミ関連3社の暑気払いがあり、出席しました。新潟の地酒を飲みながら紅一点の美人Aさんを含めた7人でいろいろと話をしました 「仕事のことを考えると頭がおかしくなりそうだよ」というY氏には「あなたの場合は,もともとおかしいから心配ないよ」という温かい言葉がかけられ,ますます落ち込んでいました 中には誰にも通じないジョークを飛ばして「あんたは10分黙ってなさい」とイエローカードを突き付けられたジョーカーもいましたが,11分経つと次のジョークを飛ばし,またまた「20分黙ってなさい」とダメ押しをされていました.懲りない人は凝りない,凝るのは肩だけです ということで,わが家に来てから279日目を迎え,靴下に声をかけるモコタロです 

 

          

              ねえ,君って靴下だけど 誰も履かないよね 履かない一生かい?

 

  閑話休題  

 

室積光著「史上最強の大臣」(小学館文庫)を読み終わりました 室積光は1955年,山口県生まれ.映画・テレビの俳優を経て作家になった変わり種です.この作品は,当ブログでもご紹介した「史上最強の内閣」の続編です

前編の「史上最強の内閣」では,北朝鮮が今にも核ミサイルを発射しようとするときに,京都に隠れていた「本物の内閣」が登場して,二条総理を中心に危機を脱した 京都に帰った内閣のもとに,全国学力テスト最下位に悩む大阪府知事がやってきて,何とか大阪の教育面での”地位向上”のために協力して欲しいと懇願する 二条内閣は裏方として教育問題に取り組むことになるが,京都御所に忍者が忍び込み閣議を盗聴,二条内閣の大阪府への協力が白日の下にさらされる そしてテレビのニュース番組で,二条内閣は軍国主義教育を推進させているとして猛烈な批判を浴びる 二条内閣は言われなき中傷を排除することが出来るのか

 

          

 

この小説の舞台は2011年前後です.日本では民主党・鳩山内閣が辞任し菅内閣が誕生.全国学力テストの成績が低迷したことを受けて,橋本大阪府知事が2008年に「教育非常事態宣言」を発して以来,教育改革を実施していた頃です

以上のことを念頭に置きながらこの本を読むとスンナリとストーリーが頭に入ってきます なにしろ,鳩山内閣でなく鷹山内閣ですし,その後を継いだのは管内閣でなく管良内人(くだらないと)内閣なのですから笑っちゃいます

この作品の本当の主人公は「本物の内閣」の新門文部科学大臣です.言わば,この小説は新門大臣の口を借りて著者の教育論を語った作品とも言えます ユニークな教師を発掘し,作文教育,算数の段階別授業,道徳教育を進めて行くというものです

「史上最強の内閣」で北朝鮮のキム・ジョンナム(金正日の長男)をモデルとして登場したシン・ジャンナムも,相変わらずのキャラで再登場し「本物の内閣」からシンちゃんと呼ばれて親しまれています ただし,最後は祖国のために身体を張って自分の考えを主張するという真面目な役割を担っています

1作目の「史上最強の内閣」ほどスペクタクルな場面は少ないものの,じっくりと読ませるエンターテインメント小説としてお薦めします

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