5日(木).わが家に来てから今日で828日目を迎え,今日も開かないドアの前で佇むモコタロです
求めよ さらば開かれん って 求めてるんだけど開かないよ
閑話休題
昨日は,夕食に千葉県在住の大学時代の友人S君が送ってくれたカマスを焼きました 美味しかったです あとは「生野菜とサーモンのサラダ」「焼肉」,「御節の残りもの」,「白菜と鶏肉の澄まし汁」,品川からいただいた「かぼちゃの煮物」です
も一度,閑話休題
昨日,新宿武蔵野館でルキノ・ヴィスコンティ監督「若者のすべて」を観ました これは1960年製作のイタリア・フランス合作映画(177分)です.ヴィスコンティ生誕110年,没後40年記念として2016年12月にデジタル完全修復されて公開されたものです 新宿武蔵野館は古くて暗いイメージがあったのですが,久しぶりに行ってみたら すっかりリニューアルされていて きれいになっていました
イタリア南部で貧窮に喘いでいたパロンディ家は,先に北部の大都市ミラノに出稼ぎに出ていた長兄ヴィンチェを頼って 老いた母と兄弟4人でやってくる 次兄シモーネ(レナート・サルヴァトーリ)と三男ロッコ(アラン・ドロン)はともにプロ・ボクサーを目指してジムに入るが,シモーネは娼婦ナディア(アニー・ジラルド)に夢中になり身を崩していく ナディアは突然彼の前から姿を消す.一方,ロッコはクリーニング店で働くが徴兵され,寄宿舎に赴く.そこで偶然ナディアと出会い,二人は愛し合うようになる.嫉妬したシモーネは仲間を引き連れ,ロッコの目の前で彼女を犯す.傷ついたナディアは再び娼婦の道に戻るが,シモーネから無理やり自宅に連れていかれ退廃的な生活を送るようになる しかし,シモーネの母親と喧嘩して出ていく.仲間から,彼女を見かけたという話を聞いたシモーネは湖に行き,そこで男といたナディアに,もう一度やり直そうと懇願するが拒否され 殺害してしまう
この映画が描くのは4人の兄弟愛です.次兄シモーネと三男ロッコは一人の女性を巡って争うことになりますが,ロッコは兄にはナディアが必要だとして身を引くことを選びます.しかし,結果的には二人とも大切な女性を失ってしまうのです どこにもありそうな話ですが,ヴィスコンティは抒情的に描いていきます まさに「イタリア・ネオレアリズモ」の記念すべき作品です
この映画で唯一使われていたクラシック音楽は,シモーネとナディアが部屋に居るところに四男が入ってきて,兄に出て行って欲しいと話をするシーンで流れていた チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」の 両家の激しい闘いを表す音楽です まるでシモーネとナディアの来るべき悲劇を物語っているかのように劇的に響きます
ヴィスコンティといえば,マーラーの交響曲第5番の「アダージェット」が全編を通じて使われていた「ヴェニスに死す」を思い出します.退廃的な雰囲気の映画にピッタリの音楽として聴こえました