19日(木).昨日,読売日響からハガキが届きました.4~6月公演の1回券先行発売のお知らせがメインですが,『急告:スクロヴァチェフスキ氏来日中止のお知らせ』という文字が目に入りました 恐れていたことが本当になりました.ハガキによると
「5月に来日予定のスクロヴァチェフスキ氏は,昨年11月に脳梗塞のため手術を行い,その後リハビリを続けてきたが,1月16日に本人と家族から『残念だが,5月の来日を中止せざるを得ない』と連絡があった 現在,代役の指揮者を調整中である そのため,5月13,14,19日の3公演の1回券の発売は延期する」
となっています.私は5月19日(金)の定期公演で彼の指揮でブルックナーの「交響曲第5番」を聴く予定になっていますが,ちょうど同じ日時にNHK交響楽団の定期演奏会(フェドセーエフ指揮:チャイコフスキーの交響曲第4番ほか)がダブっており,どちらも振り替えが効かないのです 今回のスクロヴァチェフスキ来日不可により,迷うことなくN響を聴きに行くことになるでしょう なぜなら,彼の代役など誰にも務まらないからです 昨年1月21日の読響定期公演でのブルックナー「交響曲第8番」が感動的な名演だっただけに非常に残念です
ということで,わが家に来てから今日で842日目を迎え,トランプ次期米大統領が「われわれの通貨は強すぎる」と述べたというニュースを見て 感想を述べるモコタロです
ドルが強いというよりも トランプの押しが強いと言うべきじゃ?
閑話休題
昨日,池袋の新文芸坐で「ニュースの真相」と「われらが背きし者」の2本立てを観ました
「ニュースの真相」はジェームズ・ヴァンダーヴィルト監督による2015年 アメリカ・オーストラリア映画(125分)です CBSの看板番組のプロデューサー,メアリー・メイプルの自伝を元にジョージ・ブッシュ米大統領の軍歴詐称疑惑スクープとその波紋を描いた実録ドラマです
アメリカのジョージ・ブッシュ大統領が再選を目指していた2004年,CBS放送のプロデューサー,メアリー・メイプス(ケイト・ブランシェット)はダン・ラザー(ロバート・レッドフォード)が司会する報道番組で,ブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑をスクープする それはアメリカで大反響を呼んだが,後にブロガーが 証拠は偽造されたものだと指摘したことから,メアリーやダンら番組スタッフたちは世間から猛烈な批判を浴びることになる
この映画を観て思うのは,報道することの責任の大きさです 新聞や放送はニュースを報道する時には必ず『裏を取る』努力をします.事実の裏付けのないニュースは単なる噂,あるいはデマに過ぎません この映画でも,メアリーのチームは極秘文書を入手し,それに関わった関係者に会って裏付けを取り,放送で証言するよう求めます しかし,その極秘文書がコピーで,オリジナルが入手できない場合はどうすべきなのか,また,関係者がウソをついていたらどうなのか,報道する側にまったく罪はないのか・・・・会社としての報道機関の存続を左右する問題です CBSの一連の報道は調査委員会にかけられ,メアリーのチームのメンバーは査問を受け,スクープが放送されるに至るまでの経緯を説明しますが,委員会の下した結論は厳しいものでした それでは,ブッシュ大統領の軍歴詐称は事実ではなかったのか? それはこの映画のオリジナル・タイトルが語っています TRUTH(真実)
ところで,ヒロインを演じたケイト・ブランシェットは,昨年観た「キャロル」でヒロインを演じていましたが,あの役柄は彼女にピッタリでした.この映画における敏腕プロデューサー役もピッタリです
も一度,閑話休題
2本目の「われらが背きし者」はスザンナ・ホワイト監督による2016年 ギリス映画(109分)です 元M16(イギリス秘密情報部)という経歴を持つ作家ジョン・ル・カレの同名スパイ小説を映画化した作品です
イギリス人大学教授ベリーと妻のゲイルは,モロッコで休暇中にロシアンマフィアのディマと偶然知り合う ディマからマネーロンダリング(資金洗浄)の情報を聞いたベリー夫妻は,1つのUSBメモリをM16に渡して欲しいとディマに頼まれ,唐突な申し出に困惑するが,ディマの妻や子供たちの命が狙われていることを知り,やむを得ず引き受けてしまう USBメモリーにはマネーロンダリングに関わった政治家等のリストが収録されていたが,ベリー夫妻は知る由もない.ディマとの出会いがキッカケになり,ベリー夫妻はマネーロンダリングの実態を暴き ディマ一家を英国に亡命させようとするM16の作戦に巻き込まれることになる
マネーロンダリングのリストに載った政治家等の銀行口座番号が最後まで明らかにならないうちに映画が終わってしまうのか,と半分諦めていたら,最後の最後に ベリーがディマから預かっていた拳銃の中から出てきました これがないと消化不良になります
ところで,この映画ではホーム・パーティーのようなシーンで,ショパンのワルツが流れていました うろ覚えですが,多分ワルツ作品64-2だと思います