人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

矢崎彦太郎+新交響楽団でストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(全曲版)他を聴く

2017年01月30日 07時52分29秒 | 日記

30日(月).昨日,何気にテレビを点けたら,自民党の石破茂氏が出演していて,トランプ米大統領を「サスペンスとディールの大統領だ」と評していました 「サスペンス」とは,相手を恐怖のどん底に陥れることで,例えばメキシコとの間に壁を構築するが,その費用をメキシコに負担させると主張して相手をパニックに陥れるようなことです また「ディール」とは,相手をそうした状況に追い込んで,自国に有利な条件を引き出す”交渉”をするということです なるほどと思いました 石橋氏はまた,トランプは政治経験ゼロのビジネス出身の大統領で,今までのアメリカの大統領とは全く違うやり方で課題に取り組もうとしている 「従来のゲームのやり方を変更する『ゲームチェンジャー』だ」と解説していました.これを聞いて私は,ゲームのやり方を変えるというよりも,「巨人の星」の星一徹のように「ちゃぶ台をひっくり返す」やり方がトランプではないのか,と思いました この1週間はトランプに振り回された感じがありますが,こうした状況がいつまでも続くとは思えません

ということで,わが家に来てから今日で853日目を迎え,安倍首相とトランプ大統領が電話会談で「日米同盟の重要性を確認した」というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

          

            2月10日に日米首脳会談をワシントンで開くと決めたようだけど 何を要求されるか!?

 

  閑話休題  

 

昨日,池袋の東京芸術劇場コンサートホールで新交響楽団第236回演奏会を聴きました  プログラムは①ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」,②同「バレエ音楽『遊戯』」,③ストラヴィンスキー「バレエ音楽『火の鳥』全曲版」です 指揮は上智大学理工学部数学科を経て東京藝大指揮科で学んだ経歴の持ち主の矢崎彦太郎です

新交響楽団は1956年創立で,サラリーマン,教員,学生など様々な職業・年齢にわたる団員によって自主運営されているアマチュアオーケストラの草分け的存在です 私は,アマオケの中では演奏レヴェルが高いこのオケが好きで,出来る限り聴くようにしています

 

          

 

自席は1階H列12番,左ブロック右通路側です.会場はほぼ満席です アマ・オケでこの動員力は凄いと思います

1曲目はドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」です.「牧神」とは山野と牧畜を司る半獣神です.この曲では葦笛を奏でてニンフ(妖精)と戯れます 印象としては「春の目覚め」といった感じの曲想ですが,かのピエール・ブーレーズは「現代音楽はこの曲とともに目覚めたと言ってよい」と語ったように,クラシック音楽史の中では重要な位置を占めています

このオケを聴いていつも感心するのは,フルートが抜群に上手いということです この日も,ハープと絡みながら けだるい春の目覚めを鮮やかに表出していました  演奏を聴きながら,昔映画で観たディズニーの「ファンタジア」のシーンを思い出しました

2曲目は同じくドビュッシーのバレエ音楽「遊戯」です 「遊戯」というと われわれは幼稚園の「おゆうぎ」を思い浮かべがちですが,原題の Jeux を英語で表すと Play になります 内容は,テニスに興じながら恋の駆け引きをする3人の男女をテーマにしています.ディアギレフから委嘱を受けたドビュッシーはこの作曲にあまり乗り気ではなかったようですが,台本・振付を担当したバレエ・ダンサー,ニジンスキーの強い要望で倍の報酬で引き受け,1913年に上演されたということです

管楽器群が増員されオケに厚みが増します 矢崎彦太郎はオケから色彩感豊かな響きを紡ぎ出します

 

          

 

休憩後はストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」です オケがさらに拡大し100人規模のフルオーケストラ態勢になります.この曲は多くの場合,組曲として演奏されます(2管編成)が,今回演奏するのは初演時と同じ全曲版(4管編成)です

「火の鳥」は「バレエ・リュス」(ロシア・バレエ団)を主宰するディアギレフがストラヴィンスキーに音楽を委嘱したものです 1910年のパリ・オペラ座での初演は大成功となり,これをきっかけにバレエ音楽「ペトルーシュカ」「春の祭典」が生まれることになり,ストラヴィンスキーは時代の寵児となりました

「火の鳥」というのは,輝く黄金の羽根を持ち,魔王カスチェイから 魔力で主人公のイワン王子を助ける架空の鳥です

50分にも及ぶ大曲ですが,矢崎+新響は弛緩することなく「火の鳥」の物語を丁寧に紡いでいきました 特に,この曲の代名詞的な「カスチェイの部下全員の凶悪な踊り」と第2幕「カスチェイの宮殿とその魔力の消滅,石にされた騎士たちの復活,全員の歓喜」におけるオーケストラ総力戦による熱演は会場を揺るがしました

演奏で特に素晴らしかったのはホルンとファゴットと大太鼓!でしたが,全員が頑張ったと思います

この曲を聴くに当たって,エルネスト・アンセルメ指揮ニュー・フィルハーモニア・オーケストラによるCDで予習しておきました

 

          

 

新響が出演する次の公演は3月20日(月)午後1時半から東京藝術劇場コンサートホールで開かれる「地雷で傷ついたアフガニスタンの子供たちに車椅子を贈るベネフィットコンサート」です 残念ながら私は東京春祭のコンサートが入っていて行けません

 

          

 

その次は4月23日(日)午後2時から東京芸術劇場コンサートホールで開かれる第237回演奏会です こちらは行けそうです

 

          

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