6日(金).わが家に来てから今日で829日目を迎え,みたらし団子を前に昔を振り返るモコタロです
3本か. そういえば昔 団子三兄弟っていう歌があったらしいな
閑話休題
昨日,夕食に「クリームシチュー」と「生野菜とアボガドのサラダ」を作りました 寒い日はシチューが食べたくなります
も一度,閑話休題
昨日,神楽坂のギンレイホールで「裸足の季節」と「シング・ストリート」の2本立てを観ました
「裸足の季節」はトルコ出身の女性監督デニズ・ガムゼ・エルギュヴェンによる2015年 フランス・トルコ・ドイツ合作映画(94分)です
10年前に両親を亡くし,北トルコの祖母の家で叔父たちと暮らしている5人姉妹の末っ子ラーレは13歳 5人仲良く毎日を過ごしていた彼女たちは,ある日,封建的な古い慣習や厳格な躾けにより 家から一切の外出を禁じられてしまう 一人また一人と 本人の意思とは関係なく家族が決めた相手と結婚させられていく ラーレは自由を求めて 束縛しかない家から脱出することを計画し,すぐ上の姉の結納の日に二人で逃亡を図る
5人の少女たちはオーディションやスカウトで見いだされた新人ということですが,生命力に溢れた彼女たちの姿と行動がこの映画に輝きを与えています それぞれが個性豊かな少女ですが,中でも抜群の存在感があるのはラーレを演じたギュネシ・シェンソイです 演技はもちろんのこと,そこに居るだけで惹きつけられる魅力を持っています それにしても,トルコでは現在でも親が決めた相手と結婚することがまかり通っているのだろうか,あるいは「今は昔の物語」なのだろうか,もし前者であれば 何と不幸な女性たちだろうか,と考えてしまいました
最後の,閑話休題
2本目の「シング・ストリート 未来へのうた」は,ジョン・カーニー監督による2015年 アイルランド・イギリス・アメリカ合作映画(106分)です
舞台は大不況にあえぐ1985年のアイルランドのダブリン.14歳のコナーは父親の失業のせいで公立の荒れた学校に転校させられる 家では両親の喧嘩が絶えず家庭崩壊寸前の状態にある 最悪な状態の彼にとって唯一の楽しみは音楽マニアの兄と一緒にイギリス・ロンドンのミュージック・ビデオをテレビで観ることだった そんなある日,街で見かけたモデルの少女ラフィナの大人びた魅力に惹きつけられたコナーは,自分のバンドのプロモーション・ビデオに出演しないか,と誘う OKをもらった彼は,慌ててバンド仲間を集め「シング・ストリート」という名前のバンドを結成し,若者たちがアッと驚くプロモーション・ビデオを作るべく猛特訓を開始する かくして「シング・ストリート」のプロモーションビデオは完成した しかしラフィナにはともにロンドンに行く恋人がいた 哀れなコナーの運命はいかに・・・
この映画では80年代のブリティッシュサウンドが全編を通じて流れます チラシの解説によると,デュラン・デュラン,A-ha,ザ・クラッシュ,ザ・ジャムなどの音楽が流れていたそうですが,ビートルズ,ローリング ストーンズ世代の私には どの曲が誰の曲なのかさっぱり分かりませんでした 言うまでもなく,クラシック音楽は一切使われていませんでした
クラシック音楽と言えば,この映画の中で面白いやり取りがありました.髪を染め 顔に化粧を施したコナーに,規則第一主義の堅物校長が「男は化粧などしないものだ.化粧を落とせ」と命令するのですが,コナーは「だって,18世紀には男だって化粧していましたよ.モーツアルトだって」と反論すると,校長は「おまえはモーツアルトか それじゃあ 私はサリエリだ」と言って,コナーを水道コーナーに連れて行って無理やり顔を水中に沈めて化粧を落としてしまいます このシーンを観ていた観衆の少なくない人がドッと笑ったので,映画「アマデウス」を観たことがあるか,モーツアルトとサリエリの関係を知っているクラシック愛好家が少なからずいたのでしょう クラシックの未来は明るいか
この映画ではクラシックこそ流れませんでしたが,観ていて実に楽しい映画でした やっぱり音楽映画はどんなジャンルでも楽しいものです