21日(土).わが家に来てから今日で844日目を迎え,文部科学省前局長の早稲田大学への再就職について,内閣府の再就職等監視委員会が20日,同省が国家公務員法に違反し,組織的に天下りをあっせんしたとする調査結果を公表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
正社員になれない若者が多くいるというのに 偉い役人は何やってんだ!
閑話休題
昨夕,よみうり大手町ホールで読響アンサンブル・シリーズ第13回「カンブルラン指揮の小編成オーケストラ」を聴きました プログラムは①ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲,②ウェーバー「クラリネット協奏曲第2番 変ホ長調」,③モーツアルト「交響曲第40番ト短調 K.550」です ②のクラリネット独奏は首席・藤井洋子,指揮は常任指揮者 シルヴァン・カンブルランです
開演に先立って7時から恒例のプレトークがありました この日の指揮者カンブレランに読売新聞の鈴木美潮さんがインタビューする形で進めます この日のプログラミングについて訊かれたカンブルランは,「最初は20世紀の曲を選ぼうかと思ったが,このホールの特性に合わせてオケの編成が小さい18世紀の曲,しかも時代的に近いモーツアルト,ウェーバー,ロッシーニを選んだ」旨を説明し,3曲について簡単に説明しました
さて本番です.35人ほどのオケは左から第1ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,第2ヴァイオリン,その後ろにコントラバスという対向配置をとります 1曲目はロッシーニの歌劇「セビリアの理髪師」序曲です.カンブルランは冒頭からメリハリを付けてテンポよく音楽を進めます この曲は これから始まる楽しいオペラの内容が ほんの8分程の音楽に凝縮されています.ロッシーニ・クレッシェンドがたまりません
2曲目は読響首席の藤井洋子をソリストに迎えてウェーバーの「クラリネット協奏曲第2番変ホ長調」です ウェーバーはクラリネット協奏曲を3曲作っていますが,これは真ん中の曲です 第1楽章のアレグロは,冒頭から明るい曲想が展開しますが,まるで晴れやかなオペラのアリアを聴いているようです 第2楽章のロマンツァ:アンダンテに入ると,今度はクラリネットが悲劇のヒロインになったかのようです そして第3楽章のポロネーズ風のロンド形式に入ると,クラリネットが 最低音から最高音まで 息つく暇のないほど速い超絶技巧で吹きまくります 素晴らしい演奏でした 藤井洋子は4回カーテンコールに呼び戻されました
休憩後はモーツアルトの交響曲第40番ト短調K.550です モーツアルトは交響曲では2曲のみ短調の曲を書いていますが,この40番は「ト短調交響曲」として親しまれています もう1曲の短調の交響曲は第25番K.183ですが,こちらは「小ト短調交響曲」と呼ばれています 第40番には初稿版と改訂版があります.初稿版はフルート1,オーボエ2,ファゴット2,ホルン2と弦楽合奏ですが,改訂版はそれにクラリネット2が加わります この日は,カンブルランがプレトークで語ったとおり「透明感がある初稿版」で演奏されました
カンブルランは全体的に速めの軽快なテンポで音楽を進めますが,小さなホールで しかも自席はかなり前の方ということもあって,小オーケストラといえども凄い迫力で迫ってきて,まるでフルオーケストラで聴いているような印象を受けます 久しぶりにト短調交響曲を生で聴きましたが,何度聴いても名曲ですね