人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

飯森範親+東響でリムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」,プロコフィエフ:カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」を聴く

2017年01月22日 08時42分00秒 | 日記

22日(日).ここ数日喉が痛いのです.軽い風邪かも知れません 最近インフルエンザが流行っているので気を付けねばと思います ということで,わが家に来てから今日で845日目を迎え,ドナルド・トランプがアメリカの第45代大統領として活動を開始するというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

          

            アメリカ第一主義に基づいてすべて交渉で問題を解決する政治の始まりだな

 

  閑話休題  

 

昨夕は「白菜と豚肉の鍋」にしました 白菜も豚肉も底に沈んでますが 寒さが厳しくなるとどうしても鍋が多くなりますね

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,初台の東京オペラシティコンサートホールで,東京交響楽団 オペラシティシリーズ第95回演奏会を聴きました  プログラムは①リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」,②プロコフィエフ:カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」です ②のメゾソプラノ独唱はエレーナ・オコリシェヴァ,合唱は東響コーラス,指揮は飯森範親,コンマスはグレヴ・二キティンです

 

          

 

「シェエラザート」はロシア5人組の一人,リムスキー・コルサコフが44歳の時 1888年に完成させた交響組曲です アラビアン・ナイト(千一夜物語)から霊感を受けて作曲した劇的なオーケストラ曲です 4つの曲から構成されますが,彼は初演時に各曲に次のような標題を付けています 第1曲=海とシンドバッドの船,第2曲=カランダール(諸国遍歴)皇子の物語,第3曲=若い王子と王女,第4曲=バグダッドの祭り~海~青銅の騎士の立つ岩での難破~終曲 作曲者は後に「描写音楽ではなく,純粋な交響組曲として聴いてほしい」として標題を削除しています しかし,この標題は作曲者の懸念を越えて,この曲を聴くうえで理解の助けになります

この曲の随所でコンマスによるヴァイオリン独奏が聴かれますが,二キティンによる演奏は抒情的で美しく 会場の隅々まで響き渡りました また 管楽器ではオーボエの荒木奏美,フルートの甲藤さち,クラリネットのエマニュエル・ヌヴ―の演奏が冴えていました

 

          

 

休憩後はセルゲイ・プロコフィエフのカンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」です 東響コーラスの混声合唱団が入場します.向かって左サイドに女声陣約70名が,右サイドに男声陣約50名がオケの後方にスタンバイします

この曲は,ドイツやモンゴルやスウェーデン等の侵略者からロシアを守った13世紀の英雄「アレクサンドル・ネフスキー」を扱ったカンタータ(オーケストラ伴奏付き 多楽章の声楽曲)ですが,もともとはエイゼンシュテイン監督による同名の映画の音楽をプロコフィエフが任されたのです これを後に全7曲から成るカンタータとして編み直したのです.内容は,ドイツ騎士団を氷上の闘いで撃滅させた中世ロシアの英雄アレクサンドル・ネフスキー公を描いています

第1曲=モンゴルの軛(くびき)に苦しむルーシ(ロシア),第2曲=アレクサンドル・ネフスキーの歌,第3曲=プスコーフに駐留する十字架団,第4曲=立ち上がれルーシの人々よ,第5曲=氷上の激戦,第6曲=死せる野,第7曲=アレクサンドルのプスコーフ入場ーの6つの曲から成ります

この曲の白眉は,第4曲「立ち上がれ ルーシの人々よ」,第5曲「氷上の激戦」,そして第6曲「死せる野」です 第4曲では冒頭から鐘の音が高らかに鳴り響き,金管楽器が咆哮します ロシアの人民を鼓舞する音楽です.そして,第5曲では管楽器,弦楽器,打楽器によって激しい闘いの様子が描写されます 第6曲に移る直前,ウクライナ出身のメゾソプラノ,エレーナ・オコリチェヴァが舞台右袖から入場し中央に移動,戦死した勇敢な兵士たちへの賛歌を歌います

実は,この曲を聴くに当たってクラウディオ・アバド指揮シカゴ交響楽団によるCDで予習しておいたのですが,10回以上聴いたにも関わらず,この曲のどこが良いのかさっぱり分からなかったのです しかし,目の前で生演奏を聴いてみたら,この曲の壮大さに 初めて感動的な素晴らしい曲だと思いました マーラーやブルックナーはもちろんのこと,プロコフィエフのカンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」も,家でCDをちまちま聴いているだけではその本当の良さが分からないのだ,ということを実感しました

東響の皆さん,メゾソプラノのオコリシェヴァさんはもちろんのこと,東響コーラスの皆さんのパフォーマンスには目を見張るものがありました 素晴らしいコンサートでした

 

          

コメント (2)
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