人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

秋山和慶+小菅優+東京交響楽団で矢代秋雄「ピアノ協奏曲」他を聴く~第648回定期演奏会 / 世界のコンサートホールの音響設計を一手に引き受ける日本の巨匠・豊田泰久氏

2017年01月16日 07時51分09秒 | 日記

16日(月).昨日の朝日朝刊・国際面に「音響の巨匠 欧州を魅了~豊田さん設計ホール 次々誕生」という記事が載っていました 超訳すると

「名だたる欧州の名門オーケストラが,新ホール建設でこぞって頼りにする日本の巨匠がいる 米ロサンゼルス在住の音響設計家,豊田泰久さん(64)だ.彼は『世界一美しい響き』を追求したサントリーホールや,ロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサートホール,ポーランド国立放送交響楽団の新ホール,サンクトペテルブルクのマリインスキー歌劇場コンサートホール,フランス放送のホール,パリ管弦楽団のホール『フィルハーモニー』などを手掛けてきた 今月11日,新たにドイツ北部の港湾都市ハンブルクにオープンした『エルプフィルハーモニー』が加わった 名門・北ドイツ放送エルプフィルハーモニー交響楽団(北ドイツ放送交響楽団から改称)の本拠地となる.このホールは2100人収容の,客席がステージを360度囲むワインヤード型(サントリーホールと同じ)となっている 豊田氏は語る.『結果を積み重ねることで,ツボが分かってきた気がする でも,いいホールをつくる方程式があるわけではない ある意味,楽器づくりに近いのかもしれない』」

3月には,豊田氏の音響設計によるベルリン国立歌劇場の新しいホールが出来るそうです 世界の名だたるコンサートホールの音響設計に日本の「巧」が関わっているのは頼もしい限りですね 

ということで,わが家に来てから今日で839日目を迎え,あまりの寒さにゲージにしがみついて暖房を要求する労組全国組織”連合”のモコタロです

 

          

                          う~  寒いよ~ お代官様 何でもしますから 部屋に暖房を入れてくだされ~

 

          

               えっ?暖房入ってたの?・・・頭がヒートアップしてて 分かんなかったよ

 

  閑話休題  

 

昨日はすごく寒かったので 牡蠣鍋にしました 牡蠣のほか エビ,ホタテ貝柱,アサリ,椎茸,エノキダケ,長ネギ,白菜が入っています スープは味噌味です

 

          

 

〆はラーメンにしました.冬は鍋料理とラーメンが似合います

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

14日(土)午後6時からサントリーホールで東京交響楽団第648回定期演奏会を聴きました 3時から文京シビックでの「ニューイヤー・コンサート」に続いてのハシゴです プログラムは①メシアン「交響的瞑想”忘れられた捧げ物”」,②矢代秋雄「ピアノ協奏曲」,③フローラン・シュミット「バレエ音楽”サロメの悲劇”」です ②のピアノ独奏は小菅優,指揮は東響桂冠指揮者・秋山和慶です

 

          

 

この日のプログラムは3曲とも初めて聴く曲,しかも”現代音楽”なので緊張します ただ指揮者が秋山和慶さんなのが救いです.コンマスは水谷晃です

1曲目のメシアン「交響的瞑想『忘れられた捧げ物』」は メシアンがパリ国立高等音楽院を卒業する22歳の時に作曲された作品です 曲は「緩ー急ー緩」の3つの部分から成りますが,楽譜上には①血を流し十字架を背負うイエス,②どうしようもない罪深い人間,③パンを聖別し食する神聖な儀,という内容の短い詩が楽譜に付されているとのことです 曲は厳かに開始されますが,②に移ると何かを告発するかのような激しい音楽になったのが印象に残りました

グランド・ピアノがステージ中央に移動し,2曲目の矢代秋雄「ピアノ協奏曲」に備えます この曲は昨年7月に死去した中村紘子さんが初演することを前提として書かれた作曲者唯一のピアノ協奏曲で「急ー緩ー急」の3つの楽章から成ります

ピアニスト小菅優が濃緑色の衣装で登場しピアノに対峙します 第1楽章冒頭はピアノが高音部を一定のリズムで叩きますが,とても印象的です 第2楽章はさらに印象的で,冒頭 ピアノが一つの音(ド)を連打してリズムを刻み,オケが入ってきて曲が進行します 第3楽章は小菅優のパワーが炸裂します 小柄な彼女のどこからあのパワーが生まれてくるのか,と言えば,あの二の腕でしょう

会場いっぱいの拍手に応え,アンコールにメシアンの前奏曲集から第1番「鳩」を弾きましたが,決してパワーだけではないことを証明しました

 

          

 

プログラム後半はフローラン・シュミットのバレエ音楽「サロメの悲劇」です シュミット(1870-1958)は矢代秋雄も敬愛していた作曲家だそうですが,この曲はストラヴィンスキーに献呈し,絶賛されたと言われています 第1曲「前奏曲」,第2曲「真珠の踊り」,第3曲「海上の誘惑」,第4曲「稲妻の踊り」,第5曲「恐怖の踊り」から構成されています 全体的な印象としては後期ロマン派の色彩の濃い音楽とリズムを中心とするバーバリズムが融合したような曲だと感じました 第3曲「海上の誘惑」ではドビュッシーの「海」を想起させる曲想も聴かれました 第5曲「恐怖の踊り」は東響の総力を結集した圧倒的な演奏でした

3曲を聴き終わって,秋山和慶さんの指揮で聴けて本当に良かった,とつくづく思いました

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