28日(土).わが家に来てから今日で851日目を迎え,トランプ米大統領がツイッターで「もしメキシコが壁の建設費用を払わなければ,今月末に予定されている首脳会談をキャンセルした方がよい」としたのに対し,メキシコのペニャニエト大統領が「首脳会談を中止する」と伝えたというニュースを見て感想を述べるモコタロです
今週の新聞の夕刊第1面トップはトランプ一色だったなぁ
閑話休題
昨日,夕食に「豚肉と大根の炒め煮」「ホウレン草のお浸し」「生野菜とアボガドとサーモンのサラダ」を作りました 「豚肉~」はよく煮込んだので味が沁みて美味しかったです
も一度,閑話休題
昨日,「新日本フィル室内楽シリーズ~楽団員プロデューサー編」の6月開催分のチケットを取りました これは4月から4回開かれる次期シリーズの第3回目ですが,第2ヴァイオリン奏者・篠原英和氏のプロデュースによって開かれます
プログラムは①モーツアルト「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲K.423」,②同「弦楽四重奏曲第19番”不協和音”K.465」,③ハイドン「弦楽四重奏曲第83番」他です
出演はヴァイオリン=篠原英和,松崎千鶴,ヴィオラ=高橋正人,チェロ=多田麗王,ピアノ=出久根美由樹(篠原夫人)です
7時15分の開演に先立って7時から篠原氏のプレトークがあります 演奏はもちろんのこと,このシリーズの魅力はこの「プレトーク」にあります
特に篠原英和氏はこれまで長年にわたって室内楽シリーズのプレトークを一手に引き受けて来た「トークの天才」です
曲目解説からメンバー紹介に至るまで 立て板に水のごとく流暢にトークを展開し,15分ジャストで話を終えます
まだ一度もこのシリーズをお聴きになったことが無い方は是非,この機会にお出かけください
私がなぜ篠原氏を「トークの天才」と呼ぶかが分かっていただけると思います
会場は錦糸町の すみだトリフォニーホール(小ホール)で,チケット代は全席指定で3,000円です
下のチラシは2月2日開催の堀内麻紀プロデュース公演のものですが,下の方に小さく4月以降のラインアップが紹介されています
またまた,閑話休題
リビングにある小型CDプレーヤーが壊れてしまったので 新しいのを買いに行きました いつも家電製品は池袋のBカメラで買っています.2階のオーディオ・コーナーでいくつかの機種を見比べましたが,最終的には marantz CD5005 という機種にしました
お店の人の話では,現在オーディオ機器は高級機種と低廉機種とに2分されているとのことでした
私は,ハイレゾの音を聴きたいわけではないので,できるだけコストパフォーマンスが高い安価な機種で良いという考えで選びました
さっそくモーツアルトの誕生日に因んで内田光子のピアノによるモーツアルトのCDをかけてみましたが,とても消費税込みで25,000円弱の機械の音とは思えない素晴らしい音が出てきました オーディオは凝り始めたら底なし沼です
上を見たらきりがありません.どんなに高級な再生装置でも所詮 生演奏には敵わないのです
オーディオ装置でボリュームの上げ下げは出来ますが,生演奏では決して出来ません
私には この機種で十分です
上が marantz CD5005 下は アンプの ROTEL RX-1050 因みにスピーカーはタンノイ
最後の,閑話休題
「文庫X」として署者名を隠して売り出され,全国の書店や読者の間に話題を巻き起こした清水潔著「殺人犯はそこにいる~隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」(新潮文庫)を読み終わりました
本のカバー(上の写真)を外すと,本来のカバーが現れます
著者の清水潔は1958年東京生まれ.新潮社「FOCUS」編集部を経て,現在 日本テレビ報道局記者・解説委員.2014年に本作「殺人犯はそこにいる」で新潮ドキュメント賞,日本推理作家協会賞を受賞しています
「北関東連続幼女誘拐殺人事件」というのは,栃木県足利市,群馬県太田市という隣接する2市の半径10キロ圏内で,5人の少女が誘拐された事件で,大半の誘拐現場がパチンコ店で,ほとんどの遺体が河川敷で発見されているという共通点があるものの,いまだに犯人が逮捕されていないという未解決事件です
一連の事件は次の通りです
1979年 栃木県足利市 福島万弥ちゃん 5歳 殺害
1984年 栃木県足利市 長谷部有美ちゃん 5歳 殺害
1987年 群馬県尾島町 大沢朋子ちゃん 8歳 殺害
1990年 栃木県足利市 松田真実ちゃん 4歳 殺害
1996年 群馬県太田市 横山ゆかりちゃん 4歳 行方不明
これら5つの事件の真犯人は同一人物だと確信を持った清水氏は,事件から年月が経っているにも関わらず現場に赴いて徹底的に調査し,被害者の遺族を探し出して,重い口を開かせて当時の状況を聞き出します
そして,足利事件で容疑者として逮捕され,DNA鑑定に基づき有罪判決を下された菅谷さんが冤罪であったことを,遺族や目撃者への取材,DNA鑑定に関する専門家への取材など 徹底的な調査報道によって証明してみせます その結果,菅谷さんは釈放されます
それと同時に,当時の目撃者の証言から「ルパン」に似た容疑者を特定し警察にも通報します.しかし,警察は不十分なDNA鑑定を根拠に逮捕に踏み切れないでいます
そんなもどかしさから,清水氏は杜撰な捜査や不十分な証拠で無実の人を刑務所に追いやった警察や検察を徹底的に批判し告発します
そのうえで,清水氏は「文庫本あとがき」に次のように書いています
「ルパンは相変わらず,パチンコ台に向かって玉を弾いている.確かに,事態は何ら動いていないのかも知れない.断腸の思いとしか言いようがない だが,これだけは言っておく.どれだけ時が流れようと,私は事件から目を離すつもりはない
二度と起こってはならぬことを,決して起こさせぬこと.それだけが事件報道の唯一の存在価値であると信じ,私は事件記者として,現場に赴き,取材し,しつこく,粘り強くー.それは,決して変わらない
」
これは清水氏の「うまく逃げおおせると思うなよ.おれはいつもお前を見張っているからな」という「新犯人=ルパン似の男」に対する挑戦状です
ジャーナリストの牧野洋氏が巻末に「解説」を書いていますが その中で
「日本の大新聞は,1社当たりで千人以上の記者を抱えている.大半を市民目標に軸足を置いた調査報道に従事させたら,どんな変化が日本に起きるだろうか.『これでは日々の官庁発表モノを処理できない』とぼやくメディア幹部が出てくるかもしれないが,発表モノは通信社に任せておけばいい 清水氏級の調査報道記者が何十人,何百人と現れたら,それこそ『日本が動く』のではないか
」
としたうえで,この本を「調査報道のバイブル」と呼んでいます 500ページから成るこの本を読み終わって,そのことを実感します.一人でも多くの人に読んで欲しい本です