14日(月)。昨日は私の誕生日でした 品川の親戚からお祝いに焼酎の3本セットをいただきました 左の「れんと」をよく見ると「音響熟成 奄美黒糖焼酎」と書かれています 何の説明もありませんが、樽の中で熟成させる段階でクラシック音楽を流しているのだと思います 果たして味はモーツアルトか? ヴィヴァルディか? 飲むのが楽しみです
ということで、わが家に来てから今日で1841日目を迎え、日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)で7日にあった水産庁の漁業取締船と北朝鮮漁船の衝突事故をめぐり、北朝鮮外務省の報道官は12日、漁船を沈没させた日本政府に賠償と再発防止策を強く求めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
日本の領海で急旋回して衝突させたのはどこの国の船? 賠償と再発防止を求める
昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで新交響楽団第247回演奏会を聴きました 午後2時開演の予定でしたが、台風19号による影響で午後5時開演に変更となりました 私は新響のホームページで知りましたが、知らないまま2時に来た人もいたのではないでしょうか
プログラムはドヴォルザークの連作交響詩 ~「水の精」、「真昼の魔女」、「金の紡ぎ車」、「野鳩」、そして「英雄の歌」です 指揮は寺岡清高です
自席は1階H列11番、左ブロック右から2つ目です 会場はいつもより少ない客入りだと思われます。台風の影響があるのでしょうか
オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新響の編成。コンマスは内田智子さんです
交響詩「水の精」「真昼の魔女」「金の紡ぎ車」「野鳩」は、アントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)がナショナル音楽院の院長を務めていたニューヨークからプラハに戻った翌年の1896年に、また「英雄の歌」は1897年に作曲しました 最初の4曲はチェコの作家・民俗学者エルベンの詩集「花束」を題材にして作曲されました
「水の精」は、水の精と結婚した娘が水の世界に棲んでいたが、実家になかなか戻らないので、水の精は怒って自分たちの子どもを殺す、という話
「真昼の魔女」は、母親が「悪いことをすると魔女が来るよ!」と子どもを叱るので、悪口を言われた魔女が復讐のために子どもを殺す、という話
「金の紡ぎ車」は、王に見染められた美しい娘を、継母が自分の娘を嫁がせようとして殺すが、魔法使いが生き返らせる。金の紡ぎ車がその経緯を王に話すと 継母と実娘は死刑になる、という話
「野鳩」は、夫を殺して若い男と再婚した妻が亡夫の墓を参ると、傍らの樫の木で亡夫の生まれ変わりの鳩が鳴き、良心の呵責で妻は自殺する、という話
どの詩でも人が死んでいます エルベンという人はよほど人を殺すのが好きだったようです それをわざわざ題材に選んで音楽を付けるドヴォルザークもドヴォルザークです
ところで、プログラム冊子には上記のエルベンの4つの詩の全文が掲載されていますが、非常に素晴らしい配慮だと思います 交響詩の場合、詩や物語の内容を把握した上で聴くと、音楽が理解し易くなります 今回上記の交響詩をまとめて聴くのは初めてでしたが、本当に役立ちました 新響のプログラムはいつも内容が充実していて感心していますが、今回は特にホームラン級だと思います
前半に「水の精」「真昼の魔女」「金の紡ぎ車」の3曲を、後半に「野鳩」と「英雄の歌」を演奏しましたが、前半で印象に残ったのは、「真昼の魔女」で、ベートーヴェンの「運命交響曲」の「ジャジャジャジャーン」のテーマが出てきたこと、「金の紡ぎ車」でコンマス・内田智子さんのヴァイオリン・ソロとホルンと木管楽器群の演奏が素晴らしかったことです
コンマスが堀内真美さんに変わります。後半の1曲目「野鳩」は、作品としては4曲の中で一番素晴らしいと思いました 新響の演奏はドラマティックでストーリーをよく語っていました ストーリー・テラーとしてのドヴォルザークを再認識した演奏でした
「英雄の歌」は4部構成から成りますが、意志と自信を持った若き日の英雄が、困難に遭って悲観し失望するが、それらに打ち勝って最後は勝利を収める、というストーリーです 作曲の時期などからドヴォルザーク自身の生涯を描いているとも思われますが、決め手がないようです 構想段階で「英雄の生涯」と題されたそうですが、実際に演奏を聴くと、リヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」の誇大妄想的な派手な音楽ではなく、じっくりと地に足が付いた英雄像が描かれています 新響は弦楽器群の渾身の演奏をはじめ堂々たる演奏を展開しました
ところで、コンサートのチラシの裏に次のような解説がありました
「初演はマーラーが指揮し、ブラームスの追悼演奏会としてブラームスの交響曲第2番とともに演奏されました ブラームスはドヴォルザークの才能を見い出して世に出るきっかけを作り、渡米中の楽譜の校訂を引き受けるほど親しくしていました マーラーは曲を気に入り、その後もドヴォルザークの良き友人であり支援者だったということです」
ブラームスとドヴォルザークの関係についてはあまりにも有名なので知っていましたが、ドヴォルザークとマーラーは作風がまったく異なるので、2人には接点がないと思っていただけに、新鮮に感じました グスタフ・マーラー(1860-1911)はオーストリア帝国ボヘミア・イーグラウ(現・チェコのイフラヴァ)近郊のカリシュト生まれなので、北ボヘミア出身のドヴォルザークに”同郷のよしみ”的な親近感を抱いていたのかも知れない、と思いました
次回は来年1月19日(日)です 飯守泰次郎氏がチャイコフスキー、ハイドン、モーツアルトを振ります これも聴き逃せないですね