人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「がんばろう日本!スーパーオーケストラ」のチケットを取る ~ ムソルグスキー「展覧会の絵」他 / 奥田英朗著「ヴァラエティ」を読む ~ 7つの短編小説と2つの対談

2019年10月20日 07時26分52秒 | 日記

20日(日)。昨日午後3時から西武線所沢駅近くのT庵で埼玉県立T高校3年2組のクラス会が開かれ、出席しました 2000年以降では2000年8月、2007年11月、2011年5月、2014年11月に次ぐ5回目の開催で、前回から5年ぶりの開催になります    この間、担任のY先生が2016年7月に亡くなられたので、初めての恩師なきクラス会となりました

出席者は私のほかOT君、SY君、TT君、TK君、MM君、そして幹事のMM君の7人でした 回を重ねるごとに参加者が減っていくのと、前回に続いて女性陣の参加がなかったのが残念でした 後者は幹事のせいではなく、親の介護等 家庭の事情があるためだと思います   一人一人近況報告をしましたが、共通の話題は健康問題でした。私のように、コンサートや映画に毎日出歩いているクラスメイトはいないようでした   私のすぐ前に座ったMM君は会社務めのあと地元・所沢でロック酒場「ひょっとこ」を開いてビートルズを流しているのですが、地域開発の関係で立ち退きとなり11月に場所を移して新規開店するとのことでした   是非お祝いに駆け付けようと思っています  ちなみに同店で働いているアルバイトの女性は「カメラを止めるな」で監督助手スタッフの吉野美紀を演じたYさんとのことで、びっくりしました そのMM君が自分で作った高校時代のアルバムを持参してくれて、仲間内で回し読みして話題になりました  その中の1枚の写真を見て誰彼となく口にしたのは「JAPACON」でした   当時は「ベトナム戦争」が行われており、北ベトナムが「南ベトナム民族解放戦線=べトコン」を結成してアメリカに対し徹底抗戦している時期でした 秋の「文化祭」で仮装行列をすることになり、3年2組は私の提案でベトコンに対抗して「日本民族解放戦線=JAPACON(ジャパコン)」を結成することになったのです もちろん仮装行列のための刹那的な”お遊び”でした 私はヘルメットに角棒という全学連スタイルでしたが、クラスメイトは男子も女子も各自好きなような仮装や化粧をして「JAPACON」の横断幕や「ベトナム戦争反対!」のプラカードを掲げて校庭を練り歩きました 当時の政治情勢から「生徒たちはあの恰好で校舎を荒らし回るのではないか」と担任のY先生には相当心配をかけたようです その後、私は生徒会役員でありながら、高校の敷地内で反戦ビラを配って生活指導教員に補導されましたが、今となっては「JAPACON」とともに良き思い出です

2次会にはOT君、SY君、MM君、TT君と私の5人が残り、近くのバルBで呑みました 幹事のMM君をはじめ参加の皆さんお疲れさまでした 次はいつになるのか分かりませんが、少なくともこの日参加した7人は来てほしいと思います

ということで、わが家に来てから今日で1847日目を迎え、2020年東京五輪のマラソンと競歩を札幌市で開く可能性が出ていることについて、東京都の小池知事は18日、定例の記者会見で「都に協議もなく提案が突如なされたことについて疑問を感じざるを得ない」「これまでも準備を重ねてきた。東京でという気持ちは変わりがない」「涼しいところでというのなら、北方領土でやったらどうか」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      そもそもアメリカの放送局の都合で酷暑の真夏に開催すること自体が間違ってる

     

         

 

来年3月2日(月)午後7時からサントリーホールで開かれる「がんばろう日本!スーパーオーケストラ」のチケットを取りました プログラムは①ブルッフ「スコットランド幻想曲」、②ラヴェル「左手のための協奏曲」、③ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=辻彩奈、②のピアノ独奏=實川風、管弦楽=がんばろう日本!スーパーオーケストラ、指揮=山下一史です このコンサートには毎年通っていますが、全国から終結したプロ集団(コンマス=読響・小森谷巧)による演奏は感動ものです


     

 

         

 

奥田英朗著「ヴァラエティ」(講談社文庫)を読み終わりました 奥田英朗は1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て1997年に「ウランバーナの森」でデビュー 第2作「最悪」がベストセラーとなり、続く「邪魔」が大藪春彦賞を受賞。2004年に「空中ブランコ」で直木賞、2007年に「家日和」で柴田錬三郎賞、2009年に「オリンピックの身代金」で吉川英治文学賞を受賞しています

 

     

 

この本は、奥田英朗氏が2004年から2012年にかけて雑誌や新聞に発表した短編小説を集め2016年に単行本として刊行したものを文庫化したものです 「おれは社長だ!」「毎度おおきに」「ドライブ・イン・サマー」「クロアチア VS 日本」「住み込み可」「セブンティーン」「夏のアルバム」の7つの短編小説と、「『笑いの達人』楽屋ばなし」「総ての人が”人生の主役”になれるわけではない」の2つの対談が収められています 雑多な話の集合体なので「バラエティ」というタイトルが付けられました

「おれは社長だ!」は、準大手広告代理店に勤める38歳の中井和宏が会社を辞めて独立し、事務所を構え、社員を雇って、これから本格的に業務を軌道に乗せて行こうという話。

「毎度おおきに」は、中井が取引企業との交渉を通じて、いかに中小企業の経営が厳しいか、どうすれば世知辛い世の中を巧く泳いでいけるかを学習していくという話。

「ドライブ・イン・サマー」は、若い夫婦の車が環状八号線の渋滞に巻き込まれているとき、ヒッチハイクをする若い男、幼稚園児2人、ツアーバスに乗り遅れた老婆が次々と乗り込んできて収拾がつかなくなるという話。

「クロアチア VS 日本」は、お店のテレビでサッカー・ワールド・カップの試合をビールを飲みながら観て、勝手なことをしゃべっている話。

「住み込み可」は、熱海の食事処「御厨屋」で働く今日子はボス格の寿子から毎日のように小言を言われ続けていたが、ただじっと耐えていた。実は彼女には他人には言えない秘密があった、という話。

「セブンティーン」は、17歳の娘がクリスマス・イヴの晩に友だちの家に泊まりに行くと言い出した。母親としてどうすべきか と悩んでいると、その友達の母親から電話がかかってきた。さてどう対応したものか、と悩む話。

「夏のアルバム」は、小学2年生の西田雅夫が初めて自転車に乗れるようになった時の話です

 「『笑いの達人』楽屋ばなし」は奥田英朗とイッセー尾形の対談です

「総ての人が”人生の主役”になれるわけではない」は奥田英朗と山田太一の対談です

どれも面白いのですが、個人的に一番面白かったのは「ドライブ・イン・サマー」です 中村徳夫と妻・弘子の乗る車が環状八号線の渋滞に巻き込まれているとき、運転している妻がヒッチハイクをする若い男を車に乗せるが、この男が無礼で徳夫は憤慨する すると、今度は後ろの車からぶつけられ、車のクーラーが効かないから子供だけでも乗せてくれと頼まれ 幼稚園児2人が乗り込んでくる そうかと思うと、今度はツアーバスに乗り遅れたという老婆が助けを求めて乗り込んでくる こうして狭い車内がギュウギュウ詰めになっていく中、後ろの車が急に割り込んできて、ヒッチハイカーの若者が文句を言いに出ていくが、相手に殴られて戻ってきて、徳夫に「相手が二人だから応援を頼む」と助けを求めてくる・・・・こうして、悪いことが次々と重なってバッドからワースに、ワースからワーストに追い込まれていく さて、最後に徳夫はどうなるのでしょうか・・・・というクライム・エンターテインメントです 「邪魔」だったか「最悪」だったか、ラストがこんな感じだったような気がします

人と人との微妙な関係を絶妙な筆致で描いていく奥田氏の文章力が光っています 文句なく面白いエンタメ小説としてお薦めします

コメント (2)
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