7日(土)。世界の若いアーティストを支援し才能ある音楽家を日本に紹介してコンサートを実施している「MCS Young Artists」が6日、「ムジカエテルナ、非ロシア人のメンバーに国内移住を強要」という記事をツイートしていました 超略すると次の通りです
「ノーマン・レブレヒトの速報によると、クルレンツィスが率いるロシアの『ムジカエテルナ』が外国人のメンバーに対し(つまりロシア人ではない音楽家たちに対し)、居住地をロシアに移すか、もしくは即刻解雇かいずれかを選択するように求めたという 一次ソースは示されていないが、メンバーもしくは関係者からのリークではないかと推測される
『ムジカエテルナ』にはロシア第2の銀行であるVTB銀行が運営資金を出している、というのが大きな理由であることは間違いないと思われる
」
これは驚くべきニュースです しかし、それは自由主義国側から見た感想であり、ロシア側から見れば当然の成り行きなのかもしれません
指揮者のクルレンティスは1972年、ギリシャのアテネ生まれなのでロシア人ではありませんが、『ムジカエテルナ』の芸術監督なのでロシアに居住しているのではないかと推測します
問題は、クルレンティスと楽団員たちがどれほどロシアのウクライナ侵略の実態を知っているか、その上でどのような対応を取るかです
「政治と芸術は別問題」と割り切ってロシアに居住するか、「プーチン政権の蛮行は許せない」として解雇されて国外に出るか・・・個々人が厳しい選択を求められていることには違いありません
下手をすると『ムジカエテルナ』は空中分解するかもしれません
ところで、テオドール・クルレンツィス指揮『ムジカエテルナ』のコンサートは発売と同時にチケットが完売となる人気音楽集団です 私は2019年2月11日に すみだトリフォニーホールでチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」(VN:コパチンスカヤ)と同「交響曲第4番」を聴きましたが、後者ではチェロ、コントラバスを除く弦楽器奏者と管楽器奏者が立奏で演奏していたのに驚きました
演奏の感想は翌2月12日付のtoraブログに書きましたので、興味のある方はご覧ください
ということで、わが家に来てから今日で2673日目を迎え、ロシアのラブロフ外相が1日、国外メディアのインタビューで「ゼレンスキー大統領がユダヤ系だからといって、ウクライナでのナチスの存在が否定されるわけではない。ナチス・ドイツの独裁者ヒトラーにもユダヤ人の血が流れている」とぶち上げたのに対し、イスラエルが猛反発したことに関し、ロシア外務省は3日、「イスラエルはウクライナのネオナチ政権を支持している」とはねのけたが、プーチン大統領は5日、イスラエルのベネット首相と電話会談した際、態度を一変させてラブロフ発言について謝罪した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
これでラブロフもシベリア送りかな ヒトラーよりも怖いプーチンが親分だからね
昨日は、2週間に1度のローテにより「鶏の唐揚げ」を作りました 息子が私の作った唐揚げを食べるのは初めてでしたが、美味しいと言って15個平らげました
深緑野分著「ベルリンは晴れているか」(ちくま文庫)をやっと読み終わりました 深緑野分(ふかみどり のわき)は1983年神奈川県生まれ。2010年「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!」新人賞佳作に入選
2013年、入選作を表題作とした短編集でデビュー。15年刊行の長編「戦場のコックたち」で第154回直木賞候補となる
18年刊行の本作「ベルリンの空は晴れているか」で第9回Twitter文学賞国内編第1位、19年本屋大賞候補となる
冒頭に「やっと読み終わりました」と書いたのは、本文だけで520ページを超える長編小説である上、ミステリー仕立てだったので読み応えが半端なかったからです
物語の舞台は1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦により米ソ英仏の4か国統治下に置かれたベルリン 米国の兵員食堂で働くドイツ人少女アウグステ・ニッケルはある晩、突然アメリカ軍の憲兵隊によってソ連の内務人民委員部に連行され、戦時中に世話になったクリストフ・ローレンツを殺害した嫌疑をかけられる
クリストフは米国製の歯磨き粉に含まれたヒ素によって不審死を遂げていた
アウグステは一旦釈放されるが、戦前に やはりクリストフの世話になったクリストフの妻フレデリカの甥エーリヒ・フォルストにその死を伝えるためにバーベルスベルグへ向かう
その途中、彼女は元俳優で陽気な泥棒ファイビッシュ・カフカと知り合いになり、彼を道連れに旅を続ける
果たしてクリストフに毒を盛ったのは誰か? それはなぜか? なぜアウグステはフォルストにクリストフの死を伝える必要があったのか? そこには驚きの事実と、彼女を取り巻く大きな陰謀が隠されていた
本作品は5つの本編と5つの幕間から構成されています 「本編」ではアウグステとカフカがベルリンからポツダムまでの道すがら、様々な人々と遭遇します
動物園の元飼育員、浮浪児の強盗団、その強盗団を支配する魔女のような女。彼らはそれぞれ戦争による辛い過去を背負って生きていますが、それぞれの登場人物のキャラが立っていて 思わず感情移入してしまいます
「幕間」ではアウグステが1928年に生まれるところから語られます 父親はナチ党と対立する共産党の党員で、同じアパートには親しく交流しているユダヤ人一家が暮らしています
しかし、ナチ政権の誕生とともに共産党弾圧、ユダヤ人迫害などが行われ、アウグステの日常生活にもその影響が影を落とします
本書を読み終わって、真っ先に思ったのは「この筆者は凄い」ということと、「この作品は、歴史ミステリーとして映画化するとすごく面白いのではないか
」ということです
「この連休はこの本を読破するために費やされた」と言っても過言ではありません ページを繰る手が止まらない面白さでした
ミステリー好きかどうかを問わず 強くお薦めします