人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

チョン・ミョンフン ✕ 東京フィルでラヴェル「ラ・ヴァルス」「ダフニスとクロエ」第2組曲、ドビュッシー「海」、フォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」を聴く

2022年05月19日 07時20分22秒 | 日記

19日(木)。わが家に来てから今日で2685日目を迎え、ロシアのウクライナ侵攻が長期化していることを背景にロシア国内で万引きが増加し、ロシアメディアRBKによると、2~4月の3か月間の小売店での万引きが前年同期比で18%増加した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ロシア兵はウクライナ国内で略奪の限りを尽くしたが ロシア国内に留めてほしいな

 

         

 

昨日、夕食に「鯖の塩焼き」「マグロの山掛け」「生野菜サラダ」「茄子のレンジ蒸し」「豚汁」を作りました 水曜日は魚料理です。ヘルシーで美味しいです

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで東京フィル「第968回 サントリー定期シリーズ」公演を聴きました    プログラムは①フォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」作品80、②ラヴェル「ダフニスとクロエ」第2組曲、③ドビュッシー:交響詩「海~管弦楽のための3つの交響的素描」、④ラヴェル「管弦楽のための舞踏詩『ラ・ヴァルス』」です 指揮は東京フィル名誉音楽監督チョン・ミョンフンです

 

     

 

開演前に、私は2つの予想を立てました 1つは休憩時間に男子トイレに長蛇の列が出来ること、2つ目は終演後、指揮者と楽団員による”一般参賀”があることです

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの東京フィルの編成。コンマスは近藤薫です 楽団員はマスク着用で入場しますが、ほとんどの奏者は座席に着くと同時に外します

1曲目はフォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」作品80です この曲はガブリエル・フォーレ(1845ー1924)が、ベルギーの詩人・劇作家のメーテルリンクが1892年に発表した戯曲「ペレアスとメリザンド」の付随音楽として1898年に作曲、これを4曲から成る組曲として編成し、1912年に初演したものです 第1曲「前奏曲」、第2曲「糸を紡ぐ女」、第3曲「シシリエンヌ」、第4曲「メリザンドの死」から成ります

チョン・ミョンフンがゆったりした足取りで指揮台に向かいます いつものように彼はタクトを持ちますが暗譜で指揮をします 数年前に演奏会形式のオペラ公演がサントリーホールで行われたときも、終始暗譜で通していたので非常に驚きました 私は彼が楽譜を見ながら指揮しているのを見たことがありません これがカリスマ指揮者チョン・ミョンフンのスタイルです

第1曲ではホルン首席の高橋臣宣、第2曲ではオーボエ主席の加瀬孝宏、第3曲ではフルート首席の斎藤和志の演奏が冴え渡っていました また全体を通して弦楽セクションの繊細な演奏が物語の悲劇性をよく表していました

2曲目はラヴェル「ダフニスとクロエ」第2組曲です この曲はモーリス・ラヴェル(1875ー1937)がロシア・バレエ団の主宰者セルゲイ・ディアギレフの委嘱により1909年から1912年にかけて作曲した同名のバレエ音楽の「第3場」から3曲を選んだものです 第1曲「夜明け」、第2曲「パントマイム」、第3曲「全員の踊り」の3曲です

フルート群を中心とする木管楽器、ホルンを中心とする金管楽器、そして弦・打楽器それぞれの音のピースが立ち上がり、雄大な日の出の様子を描く「夜明け」は色彩感に溢れ、圧倒されます また「全員の踊り」では管弦楽の魔術師ラヴェルの音楽の魅力を存分に引き出し、オケの総力で圧倒的なフィナーレを飾りました

休憩時間には男子トイレに長蛇の列が出来、2階の上手のトイレではP席に向かう階段まで続いていました これで予想が1つ当たりました

 

     

 

プログラム後半の1曲目はドビュッシー:交響詩「海 ~ 管弦楽のための3つの交響的素描」です この曲はクロード・ドビュッシー(1862ー1918)が1903年から05年にかけて作曲、1905年10月15日にパリで初演されました 第1曲「海の夜明けから真昼まで」、第2曲「波の戯れ」、第3曲「風と海との対話」の3曲から成ります

全体の演奏を聴いていて感じたのは、チョン・ミョンフンはこの作品を「海の描写」としてではなく、「海からイメージする心象風景」として捉えて演奏しているのではないか、ということです その点、これまで聴いたどの指揮者とも異なるように思いました

最後の曲はラヴェル「管弦楽のための舞踏詩『ラ・ヴァルス』」です この曲は1919年から翌20年にかけて作曲、バレエとしては1926年に初演されました 作品は連続して奏される序奏と7つのワルツ、そしてそれらを再現する8つ目のワルツで構成されています 言うまでもなく「ヴァルス」とは「ワルツ」のことですが、この曲はヨハン・シュトラウスのワルツを意識して作られていることは明らかです コントラバスによる静かな低音とファゴットのソロで始まる一連のワルツは、次第に熱を帯びていき、その喧騒が巨大化していきます そして突然、急ブレーキがかかったように音楽が止まります まるでラヴェルの「ボレロ」のフィナーレのようです 聴き終わって十数時間経つ今も、頭の中で「ラ・ヴァルス」のメロディーがぐるぐる回っています

満場の拍手にチョン・ミョンフンはカーテンコールに応えます 第2ヴァイオリン首席の戸上眞里の椅子に半分腰かけ、満足そうな顔をしていたかと思うと、今度はヴィオラ首席の須田祥子の手を取ってダンスに興じます 井上道義は一人でダンスを踊るタイプですが、どうやらチョン・ミョンフンは他人を巻き込むタイプのようです

楽団員が引き揚げた後、ありました、一般参賀 チョン・ミョンフンは近藤コンマスをはじめ他の楽団員を引き連れてステージに再登場し拍手に応え、全員を巻き込みました

これで2つめの予想も当たりました

さて、東京フィルは本日から新国立劇場で上演される「オルフェオとエウリディーチェ」のオーケストラ・ピットに入って演奏します 日程は本日=5月19日(19時~)、同21日(14時~)、同22日(14時~)の3日間です 一方、東京フィル5月度定期演奏会は昨日(18日)の後は20日(19時~・オペラシティ)、22日(15時~オーチャードホール)となっています。22日(日)は見事に演奏時間が重なっています 普通のオーケストラなら演奏不可能な強行日程ですが、東京フィルは楽団員が国内オケで最大の約160人在籍しているので、同一日時に2か所に分かれて演奏するのは朝飯前なのです

5月の東京フィルの合言葉は「もうかりまっか?」「ぼちぼちでんな」だろうか

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