17日(火)。わが家に来てから今日で2683日目を迎え、英紙ザ・タイムズは14日,米誌を引用し、ロシアのプーチン大統領が「血液のガン」を患わっていると報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ガンを患わっている人はガンばって他国に侵略しないで ベッドで寝ていればいいよ
昨日、夕食に「茄子のレンジ蒸し」「生野菜サラダ」「冷奴・ウニ醬油かけ」「エノキダケの味噌汁」を作りました 「茄子の~」はウサコさんのブログに載っていたレシピを参考にさせていただきました レシピは①茄子の皮を縞模様に剥く、②しその葉と豚肉を挟む、③大きい時は半分にする、④めんつゆをかけまわす。⑤レンジで8分(私の場合は量が多かったので10分チンしました)。かなり美味しかったです
昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング「ドン・カルロス」を観ました これは今年3月26日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です キャストはドン・カルロス=マシュー・ポレンザーニ、王妃エリザベート=ソニア・ヨンチェヴァ、エボリ公女=ジェイミー・バートン(エリーナ・ガランチャの代役)、国王フィリッポ2世=エリック・オーエンズ、ロドリーグ=エティエンヌ・デュピュイ、大審問官=ジョン・レリエ。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、指揮=パトリック・フラー(ヤニック・ネゼ=セガンの代役)、演出=デイヴィッド・マクヴィカーです
「ドン・カルロス」はジュゼッペ・ヴェルディ(1813ー1901)が1865年から翌66年にかけて作曲、1867年3月11日にパリ・オペラ座で初演されました
物語の舞台は1559年のフランス。スペインの王子ドン・カルロスは、婚約者のフランス女王エリザベートを一目見たいと、使者たちに混じってフォンテンブローの森を訪れた 出会った2人はたちまち恋に落ちる しかし、その時大砲が鳴り、対イタリア戦争が終結し、エリザベートが王子でなくスペイン国王フィリップ2世の妃になることが決まったと告げられる 2人は絶望する(以上 第1幕)
舞台はスペインのマドリード。カルロスは父王の妃となったエリザベートを諦めることができない カルロスの盟友でポーザ侯爵のロドリーグは、恋を忘れフィリップ王に弾圧されているフランドルのプロテスタントを救うよう王子に勧める 一方、フィリップ王は息子と妃が通じているのではないかと悩み、2人の監視をロドリーグに頼む(以上 第2幕)
女官のエボリ公女は、密かに思いを寄せるカルロスが王妃に恋している知って復讐を誓う プロテスタントの火刑の日、カルロスは自分にフランドルの統治を任せてほしいと父王に談判し、怒りを買って投獄される(以上 第3幕)。
フィリップ王は、カトリックの最高権力者である大審問官にカルロスの処分を相談するが、カルロスとロドリーグを処刑しろと迫られる ロドリーグはカルロスの罪を背負って射殺され、カルロスは逃亡する(以上 第4幕)
フランドルへ向かうカルロスは、エリザベートと今生の別れを惜しむ フィリップ王と大審問官はカルロスを捕えようとするが、カルロスの祖父カルロス5世の亡霊が現れてカルロスを冥界に連れ去る(以上 第5幕)
実は、この映画を観る前にカラヤン指揮ウィーンフィル盤(Sp:セーナ・ユリナッチ他)で予習しておいたのですが、フラーの指揮で第1幕の演奏が始まった時、全く別の音楽が鳴り出したので驚きました しかも歌はフランス語です しかし、第2幕が始まった時、CDはここから始まっていたのだということが解りました あらためてMETライブの公式プログラムで確かめたら次のように書かれていました
「『ドン・カルロス』は、19世紀にパリのオペラ座で上演されていた『グランド・オペラ』(5幕構成のスペクタルな歴史劇)として成立したので元来フランス語だが、その後イタリア語による4幕構成版ができ、現在は後者の上演が主流となっている だが、近年はフランス語5幕版も復活しつつあり、この度METでも新演出で初演されることになった」
これで謎が解けました 今回のMETの上演はフランス語による5幕構成版によるものだということです
ドン・カルロスを歌ったマシュー・ポレンザーニは1968年、イリノイ州生まれのテノールですが、どちらかというとナイーブなカルロスを歌い演じていました 甘くソフトなリリカルなテノールが魅力でした
王妃エリザベートを歌ったソニア・ヨンチェヴァは1981年、ブルガリア生まれのソプラノですが、自然で卓越した演技力に加え、ベルカント唱法が見事でした
エボリ公女を歌ったジェイミー・バートンは降板したエリーナ・ガランチャの代役を担いましたが、恵まれた身体を活かしたドラマティックな歌唱で抜群の存在感を示しました
国王フィリッポ2世を歌ったエリック・オーエンズは1970年、フィラデルフィア生まれのバリトンですが、厚みのある低音の魅力で悩み多き国王を見事に歌い演じました
ロドリーグを歌ったエティエンヌ・デュピュイは1979年、モントリオール生まれのバリトンですが、明るめの声質でよく声が通り、演技力も申し分ありませんでした
大審問官を歌ったジョン・レリエは1972年トロント生まれのバスバリトンですが、出番が少ないながら迫力のある演技力で存在感が抜群でした
体調不良のため降板したヤニック・ネゼ=セガンに代わりタクトをとったパトリック・フラーは、たぶんヤニック・ネゼーセガンの副指揮者ではないかと想像しますが、しっかりと歌手に寄り添い、メトロポリタン歌劇場管弦楽団からドラマティックな演奏を引き出しました
演出で目立ったのはラストシーンです 通常は「カルロスの祖父カルロス5世の亡霊が現れてカルロスを冥界に連れ去る」ことになっていますが、マクヴィカーの演出では、「カルロスの罪を背負って射殺されたロドリーグが冥界から現れ、カルロスを抱きしめる」シーンで幕が下ります
幕間の特典映像では、過日行われたMET主催による「ウクライナ慈善コンサート」の映像も紹介され、「第九」の第4楽章などが歌われていました
この物語では、スペイン国王フィリップ2世がフランドルの人々を弾圧しているわけですが、このストーリーを現代に置き換えてオペラを観ると、フィリップ2世がウクライナに侵略したロシアのプーチンのように感じます 幕間のインタビューでもそれを暗示するやり取りがありました
第1幕・第2幕=約95分、第3幕=約36分、第4幕・第5幕=約86分、休憩(10分✕2回)・特典映像などを含めトータル4時間53分の超長編ライブビューイングでした
と、ここまで書いてきて今思い出したのですが、私は11年前の2011年6月10日に、NHKホールでMET来日公演「ドン・カルロ」を観ています ファビオ・ルイージ指揮で、エリザベッタをマリーナ・ポブラフスカヤ、ドン・カルロをヨンフン・リー、ロドリーグをディミトリ・ホロストフスキー、フィリッポ2世をルネ・パーペが歌っています 錚々たるメンバーですが、ホロストフスキーがカッコ良くてシビレタのを思い出しました 面白いのは、下記の配役表にある通り、タイトルが「ドン・カルロ」で、「全5幕イタリア語版」となっているところです 上演時間が4時間40分となっているので、確かに全5幕で間違いありません。当時こんな長いオペラを日本で上演していたのにあらためて驚きます
終演後、ご一緒した Kirioka さんとビアホール L でビールを飲みながら「ドン・カルロス」を振り返り、音楽談義をして楽しい時間を過ごしました 次は「トゥーランドット」を観ようか(ネトレプコが降板してしまったけれど)、その後の「ランメルモールのルチア」を観ようか・・・どちらにしてもオペラは楽しいですね