人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

原田慶太楼 ✕ 上村文乃 ✕ 東京交響楽団でモーツアルト「交響曲第10番、第12番」、ボッケリーニ「チェロ協奏曲第9番」他を聴く ~ 第49回モーツアルト・マチネ

2022年05月29日 07時04分56秒 | 日記

29日(日)。わが家に来てから今日で2695日目を迎え、24日に米国テキサス州の小学校で21人が殺害される乱射事件があったばかりの27日、トランプ前大統領は、米最大の銃ロビー団体の全米ライフル協会が同州で開いた年次総会で演説し、「左派が推し進める銃規制は悲劇の防止につながらない。教師に銃を持たせるべきだ」と述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプにとっては 子供たちの命より ライフル協会の政治献金の方が優先される

 

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで「第49回 モーツアルト・マチネ」公演を聴きました    プログラムは①モーツアルト「交響曲 第10番 ト長調 K.74」、②同「交響曲 第12番 ト長調 K.110」、③サン=ジョルジュ「交響曲 第2番 ニ長調 作品11-2」、④ボッケリーニ「チェロ協奏曲 第9番 変ロ長調 G482」です 演奏は④のチェロ独奏=上村文乃、管弦楽=東京交響楽団、指揮=原田慶太楼です

 

     

 

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置。コンマスは水谷晃です

1曲目はモーツアルト「交響曲第10番 ト長調 K.74」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756ー1791)が1770年にイタリアで作曲した交響曲です 歌劇「ポントの王ミトリダーテ」の序曲として作曲したとも言われています。モーツアルトはこのイタリア旅行中、バチカンのシスティーナ礼拝堂を訪問した際、門外不出の秘曲、アレグリ作曲の無伴奏合唱曲「ミゼレーレ」を一度聴いただけで覚えてしまい、宿に帰って楽譜を書き起こし、父親を驚かせたというエピソードは有名ですが、K.74はちょうどその年に作曲されました 第1楽章「アレグロ~アンダンテ」、第2楽章「アレグロ」の2楽章から成ります

原田の指揮で演奏に入りますが、溌溂とした曲想で、14歳のモーツアルトの若さ溢れる清々しさを感じさせます オーボエ首席の荒絵理子の演奏が冴えています 第2楽章でも生き生きした演奏が展開します メリハリの効いた素晴らしい演奏でした

2曲目はモーツアルト「交響曲第12番 ト長調 K.110」です この曲は上記のK.74を作曲したイタリア旅行からザルツブルクに帰郷したモーツアルトが1771年に作曲しました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

原田の指揮で第1楽章の演奏に入ります 前へ前へと進む推進力に満ちた曲想で、モーツアルトの意欲を感じさせます この楽章ではオーボエが、第2楽章ではフルートとファゴットが活躍します 第3楽章では、中間部で明るさから急に陰りを見せるところがあり、モーツアルトらしさが垣間見られました 第4楽章では、再び明るく推進力に満ちた演奏が展開し華やかにフィナーレを飾りました

 

     

     

3曲目はサン=ジョルジュ「交響曲第2番 ニ長調 作品11-2」です この曲はフランスの作曲家サン=ジョルジュ(1745ー1799)が1779年に出版したと言われています 第1楽章「アレグロ・プレスト」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「プレスト」の3楽章から成ります 彼は1778年、モーツアルトにパリで会っており、モーツアルトが協奏交響曲を作曲したきっかけの一つは、サン=ジョルジュの作品を聴いて刺激を受けたためともいわれています

原田の指揮で第1楽章の演奏に入ります 聴いていると、ほとんどモーツアルトです もし作曲者名を伏せてクイズをやったら、モーツアルトの作品だと答える人が多いと思います 第2楽章は弦楽器のみで演奏されますが、悲壮感溢れる旋律が耳に残りました 第3楽章は一転、明るく弾むような曲想で、ここでもモーツアルトを感じさせました

最後の曲はボッケリーニ「チェロ協奏曲 第9番 変ロ長調 G482」です この曲はルイジ・ボッケリーニ(1743ー1805)が1785年頃に出版しました ボッケリーニはチェロの名手で、ウィーンの宮廷音楽家を務め、1770年にはスペインの宮廷音楽家を、1786年にはプロイセンのフリードリヒ・ヴィルヘルム2世付きの作曲家になりました

この作品は第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンティーノ・グラツィオーソ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

チェロ独奏の上村文乃は第5回東京音楽コンクール弦楽部門第2位、第4回ルーマニア国際音楽コンクール弦楽部門第1位及びルーマニア大使館賞を受賞 桐朋学園大学ソリストディプロマコース卒業後、ハンブルグ音楽演劇大学を経てバーゼル音楽院に留学し、7年間の留学生活を終えて2020年に帰国、内外の公演でソリストとして活躍、バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーとしても活躍しています

オケの弦楽器が4・4・3・2・1と極端な少人数にしぼられます チェロという同族楽器による古典派の作品ということで、ソリストを引き立てたうえ透明感を求めたものかもしれません

原田の指揮で第1楽章に入ります この楽章は独奏チェロのパートが技巧的に書かれていますが、上村は速いパッセージも何の苦もなく弾き切ります 上村は、この楽章を含めて各楽章の終結部にあるカデンツァを 確かな技巧の裏付けのをもと 力強くも美しく演奏、原田 ✕ 東響がソリストにピタリとつけ、ボッケリーニの217回目の命日に華を添えました

原田が満場の拍手を制して静かになると、会場の照明が落とされ、水谷コンマスとチェロのソロとで静かなメロディーが奏でられ、舞台袖からチェロのピッツィカートが聴こえてきました すると急に照明が点いて、ソリストの上村とオケのメンバーが再度入場し明るく楽し気な音楽の演奏が始まりました 上村やチェロ軍団は楽器をギターのように抱えて弦をつま弾いています   ある人のツイッターによると、ボッケリーニ「マドリッドの夜景」を上村文乃が自由に編曲した作品とのことでした とても楽しい演奏でした

 

     

コメント
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