2日(日)。今朝、ブログのアクセス数をチェックしたら3199ページビューと近年にない高い数値だったので、gooブログ「アクセス分析」をチェックしたら、トップページに次いで2019年5月14日付のブログで紹介した「翔んで埼玉」が2位につけていました 「なんでやねん?・・・もしや・・・」と思って、昨日の新聞のラテ欄をチェックしたら昨夜9時からフジテレビの「土曜プレミアム」という番組で「翔んで埼玉」の完全ノーカット版を放映していることが分かりました この番組を観るにあたって、どういう内容の映画なのかを知るために多くの人が検索したようです ブログの最新のアクセス数は、前日の記事だけでなく過去の記事も含めた総合計だということをあらためて認識しました
ということで、わが家に来てから今日で2821日目を迎え、「燃える闘魂」のうたい文句で人気を集めた元プロレスラーでスポーツ平和党党首や参院議員を務めたアントニオ猪木(本名・猪木寛至)さんが1日午前7時40分、心不全のため自宅で死去した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
元気ですかーっ! プーチンに闘魂壊滅ビンタを! あんときのいのきカムバック!!
昨日午後2時から、晴海の第一生命ホールで「トリトン晴れた海のオーケストラ 第11回演奏会」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「大フーガ 変ロ長調 作品133」、②モーツアルト「ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271 ”ジュノム”」、③同「交響曲第36番 ハ長調 K.425 ”リンツ”」です 演奏は②のピアノ独奏=小林愛実、コンマス=矢部達哉です
当初、午後2時からの昼公演のみの予定でしたが、小林愛実さんがショパン・コンクールで4位入賞したことを受けて、チケットはソルドアウトとなり、急きょ夜公演が追加されました
自席は1階15列13番、センターブロック左通路側です。会場は文字通り満席です
「トリトン晴れた海のオーケストラ」は都響コンマスの矢部達哉をリーダーとして、都響メンバーを中心に組織された指揮者なしの演奏集団です この日の出演者は都響16名、東響3名、読響、N響各2名、その他6名、合計29名の布陣です 「その他」の中にはN響元首席チェロ奏者・向山佳絵子、葵トリオのヴァイオリン奏者・小川響子といった著名なソリストが含まれています
1曲目はベートーヴェン「大フーガ 変ロ長調 作品133」(弦楽オーケストラ版)です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770ー1827)が1825年に作曲した「弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 作品130」の第6楽章として作曲したものを、当時の聴衆には理解されなかったことを受け、後に「大フーガ」(作品133)として独立して出版したものです
弦楽奏者が配置に着きます コンマス矢部氏の隣は東響コンマスの水谷晃です。第2ヴァイオリンのトップは都響・双紙と小川響子が、チェロのトップは向山、都響・森山が、ヴィオラのトップは篠崎、村田(共に都響)が並び、コントラバスは都響・池松宏、東響・ローズブームが控えています
女性陣はカラフルな衣装で登場しますが、ブルーか白系統のドレスで統一しています 「海のオーケストラ」ですから、海の青と波の白を象徴していることは言うまでもありません
矢部達哉のリードで「大フーガ」の演奏に入ります 4人だけでも合わせるのが大変だと思いますが、20人の弦楽奏者は緻密なアンサンブルで切れ味鋭い演奏を展開します 矢部氏の強いリーダーシップを感じさせる集中力に満ちた素晴らしい演奏でした
ピアノがセンターに運ばれ、ホルンの西條貴人と五十畑勉(共に都響)、オーボエの荒木奏美(東響)と池田昭子(N響)が加わります
2曲目はモーツアルト「ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271 ”ジュノム”」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756ー1791)が1777年1月に作曲しました 腰懸澤麻衣さんの「プログラムノート」によると、「この作品は長らく、当時ザルツブルクを訪れたフランス人ピアニスト『ジュノム嬢』のために作曲されたと言われてきたが、21世紀に入り、謎の女性『ジュノム嬢』が実は、モーツアルトと親交のあった舞踏家の娘『ルイーズ・ヴィクトワール・ジュナミ』だったことが判明した」とのことです 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンティーノ」、第3楽章「ロンド:プレスト」の3楽章から成ります
ピアノ独奏の小林愛実は2021年10月の「第18回ショパン国際ピアノコンクール」で第4位入賞を果たしています 現在、フィラデルフィア・カーティス音楽院で、マンチェ・リュウ教授に師事し研鑽を積んでいます
小林愛実が純白のドレスで登場、ピアノに向かいます 矢部のリードで第1楽章に入ります すぐにピアノ・ソロが入りますが一音一音の粒立ちが綺麗です 音楽は流麗に流れ美しく響きます 小林はメロディーを口ずさみながらピアノを弾き、右手だけで弾くときは左手を宙に浮かせて拍子をとります これは彼女の癖なのかもしれません 第2楽章はモーツアルトの協奏曲では初めての短調(ハ短調)の緩徐楽章ですが、小林の演奏は、澄み切った青空を見上げた時に感じる”そこはかとない哀しさ”を表現しているように思いました カデンツァはモーツアルトのモノローグのように響きました 第3楽章はピアノ・ソロの演奏が多いのですが、小林は緩急自在にドラマティックに演奏、まるで後期のコンチェルトのような「大曲」に感じさせました
鳴りやまない拍手に小林は、ショパン「24の前奏曲 作品28」より「第17番 変イ長調」を詩情豊かに演奏、再び満場の拍手を浴びました
プログラム前半の布陣にファゴットの岡本正之(都響)、岩佐雅美(読響)、トランペットの高橋敦、中山隆崇(共に都響)、ティンパニの岡田全弘(読響)が加わります
後半はモーツアルト「交響曲第36番 ハ長調 K.425 ”リンツ”」です この曲はコンスタンツェと結婚したモーツアルトがザルツブルクに帰郷する途中に寄ったリンツで、1783年にわずか4~5日で作曲したと言われています 楽譜に音符を書くだけでも4~5日はかかると思いますが、天才モーツアルトは頭に浮かぶメロディーをそのまま楽譜に書き写すだけで良かったのかもしれません モーツアルトは本当に人間だったのか とマジで疑問に思います 第1楽章「アダージョ ~ アレグロ・スピリトーソ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「プレスト」の4楽章から成ります
矢部達哉のリードで演奏に入ります この曲でも一糸乱れぬ緻密なアンサンブルが展開します 指揮者なしでこれだけの演奏が出来るのか と驚きを禁じ得ません 矢部の隣に都響・渡邊ゆづきが移り、東響コンマス・水谷晃が矢部の後ろに移っていますが、見ていて面白かったのは、水谷が「オレがこのオケを仕切ったる」とばかりにオーバーアクションで弾いていたことです コンマスのサガでしょうか 演奏で一番印象に残ったのは第3楽章「メヌエット」です 中盤のトリオでオーボエとファゴットの二重奏が演奏されますが、荒木奏美のオーボエと岡本正之のファゴットのデュオが素晴らしかった メヌエット楽章におけるトリオと言えば、モーツアルト「交響曲第39番 K.543」の第3楽章のトリオの名旋律を思い出しますが、この「リンツ」のトリオも素晴らしい 第4楽章は軽快な演奏で駆け抜けました
この日のコンサートは小林愛実さんのモーツアルトが聴けたのが最大の喜びでしたが、「大フーガ」と「リンツ」における緻密なアンサンブルも忘れがたい 素晴らしい公演でした