11日(火)。昨日は、早稲田松竹で濱口竜介監督「親密さ」(2012年製作)を観る予定でしたが、上映時間が4時間15分と超長編で、月曜日から疲れそうなので止めました ワーグナーの楽劇じゃないんですから その代わり、池袋で買い物をした後、自宅でコンサートの予習がてら音楽を聴きながら読書をして過ごしました
ということで、わが家に来てから今日で2830日目を迎え、ウクライナ南部クリミア半島とロシアを結ぶ「クリミア大橋」で8日に起きた爆発について、プーチン大統領は9日「ウクライナ特殊機関によるテロだ」と主張した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ロシアの主権国家ウクライナへの侵略がテロでなくて何なんだ 恥を知れプーチン!
昨日の夕食は、娘が買ってきたMUJIの「キーマカレー&ナン」にしました 量的に足りないので鶏モモ肉で「タンドリーチキン」作りに初挑戦しましたが、上出来でした あとは「生野菜とアボカドのサラダ」です。ビールの奥にあるのはマンゴーラッシーです。辛い料理によく合います
手元の本がなくなったので、いつものようにジュンク堂池袋本店まで徒歩で行って6冊購入してきました
1冊目は小泉悠著「ウクライナ戦争の200日」(文春新書)です 小泉氏の著作は「現代ロシアの軍事戦略」(ちくま新書:2021年5月初版発行)を当ブログでご紹介しましたが、本書は今年2月のロシアによるウクライナ侵攻後に刊行された最新情勢を分析した本です ウクライナ戦争は現在進行形なので、情報が古くならないうちに出来るだけ早く読み始めようと思います
2冊目は沢辺有司著「図解 いちばんやさしい地政学の本」(彩図社)です 本書は「地政学とは何か?」に始まり、アメリカ、ロシア、中国、ヨーロッパ、中近東、アジアの各地域における地政学について解説しています ウクライナ戦争を巡る各国の姿勢を把握するためのツールとして読もうと思います
3冊目は土井善晴著「一汁一菜でよいという提案」(新潮文庫)です 週5回料理をする立場から、日本の料理界のオーソリティの考え方を学びたいと思います
4冊目はアンソニー・ホロヴィッツ著「殺しへのライン」(創元推理文庫)です 彼の著作は刊行されるたびに読んでいますが、前作「メインテーマは殺人」の後、本書は待ちかねていた最新作です
5冊目は米澤穂信著「Iの悲劇」(文春文庫)です この作者の本も文庫化されるものはほとんど読んでいますが、本書は文庫本最新作品です
6冊目は角田光代著「しあわせのねだん」(新潮文庫)です 帯の謳い文句「9800円の使いかた」は原田ひ香著「三千円の使いかた」を思い浮かべますが、お金にまつわるテーマにした本が流行っているのでしょうか
いずれも読み終わり次第、当ブログでご紹介してまいります
中山七里著「カインの傲慢 刑事犬養隼人」(角川文庫)を読み終わりました 中山七里は1961年岐阜県生まれ。「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー それ以降、「中山七里は7人いる」と言われるほど次々と新作を刊行、出版界の話題をさらっています
肝臓を抜き取られ傷口を雑に縫い合わされた死体が、都内で相次いで発見された 司法解剖と捜査の結果、被害者はみな貧しい環境で育った少年で、最初に見つかった少年は中国からやってきたばかりだと判明する なぜ彼らは肝臓を抜き取られたのか 孤高の敏腕刑事・犬養隼人と相棒の高千穂明日香が、事件の背後にある臓器売買、貧困家庭、少年の非行といった数々の社会問題に対峙しながら事件の真相に迫っていく
本作の「解説」を俳優の谷原章介氏が書いていますが、これが素晴らしい 同氏は読書家として知られていますが、中山作品に対する分析力と表現力には人並み以上の才能を感じます 彼は次のように書いています
「中山作品を読む度に感じるのは、社会問題を巧みに物語の中に織り込むその手腕の鮮やかさ 社会全体を冷静に俯瞰し、時々の問題を取り上げ、それを一つの依代として物語を描き、登場人物たちを動かしていく 社会問題が人を映す鏡となり、一つの事象に対してそれぞれの考え方、立場、年齢などで受け取り方や行動は様々な反射を起こし、複雑な人間ドラマを織りなしていきます」
まさに、中山作品の特徴を簡明に表現しています また、タイトルにある「傲慢」について、自身の子ども時代の経験を紹介しながら、貧困問題に触れています 中山七里とともに、谷原章介という人物を見直しました
本書では中山作品のお約束”どんでん返し”が待ち受けていますが、ラストはいつもと違うテイストで、無敵の犬養刑事が臓器移植に関して本音と建て前の間で精神的に追い詰められて終わる形をとっています
谷原氏も語っていますが、これからの犬養、そして中山七里さんから目が離せません