人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京フィル ⇒ 2023年シーズン:公演ラインナップ発表 / 新日本フィル「室内楽シリーズ 第152回 音色、いろいろ」を聴く ~ プロコフィエフ「五重奏曲ト短調」他

2022年10月13日 07時03分42秒 | 日記

13日(木)。東京フィルのホームページに「2023年シーズン公演ラインナップ」が発表されました 東京フィルの定期演奏会は①オーチャードホール、②東京オペラシティコンサートホール、③サントリーホールの3シリーズがありますが、すべて同一プログラム(全8回)です

1月度=①シューベルト「交響曲第7番」、②ブルックナー「交響曲第7番」:チョン・ミョンフン指揮

2月度=①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番」、②チャイコフスキー「マンフレッド交響曲」:ミハイル・プレトニョフ指揮、イム・ユンチャン(ピアノ)

3月度=①ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」、②ガゼッラ:狂詩曲「イタリア」、③サン=サーンス「交響曲第3番」:アンドレア・バッティストーニ指揮

5月度=①ラフマニノフ:幻想曲「岩」、②同:交響詩「死の島」、③同「交響的舞曲」:ミハイル・プレトニョフ指揮

6月度=①尾高掉忠「オーケストラのための『イマージュ』」、②ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」、③同「交響曲第1番」:尾高忠明指揮、亀井聖矢(ピアノ)

7月度=①ヴェルディ:歌劇「オテロ」(演奏会形式):チョン・ミョンフン指揮

10月度=①リリ・ブーランジェ「春の朝に」、②サン=サーンス「ヴァイオリン協奏曲第3番」、③ベルリオーズ「幻想交響曲」:クロエ・デュフレーヌ指揮、中野りな(ヴァイオリン)

11月度=①チャイコフスキー:幻想曲「テンペスト」、②同「ロココの主題による変奏曲」、③同:幻想序曲「ハムレット」、④同:幻想序曲「ロメオとジュリエット」:アンドレア・バッティストーニ指揮、佐藤晴真(チェロ)

来年の2023年はラフマニノフ生誕150年、チャイコフスキー没後130年とかで、2人の作品が比較的多く登場しているようです

私は現在サントリー・シリーズの定期会員ですが、同ホールが一番好きなのでこのまま継続することにします

ということで、わが家に来てから今日で2832日目を迎え、10日にロシアがウクライナ全土に加えたミサイル攻撃などを巡り、米経済紙フォーブス(ウクライナ語版)は、攻撃にかかった費用が4臆~7億ドル(約582億~1020臆円)だったとの試算を報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     プーチン・ロシアはそのお金を ウクライナの復興のために 取っておくべきだった

 

         

 

昨日、夕食に「真鯛の塩焼き」「生野菜とヒジキのサラダ」「豚汁」を作り、「刺身切り落とし&タコ」と一緒にいただきました 和食はいいですね

 

     

 

         

 

昨夕、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル「室内楽シリーズ  第152回  『音色、いろいろ』 原田遼太郎プロデュース編」を聴きました プログラムは①テッポ・ハウタ=アホ「カデンツァ」、②ピアソラ「チェロとコントラバスのための5つのタンゴ」、③シュルホフ「フルート、ヴィオラとコントラバスのためのコンチェルティーノ」、④シュペルガー「コントラバス、フルート、ヴィオラとチェロのための四重奏曲 ニ長調」、⑤プロコフィエフ「五重奏曲 ト短調 作品39」です 演奏はヴァイオリン=田村直貴、ヴィオラ=瀧本麻衣子、チェロ=弘田徹、コントラバス=原田遼太郎、フルート=野津雄太、オーボエ=神農広樹、クラリネット=マルコス・ペレス・ミランダです

 

     

 

1曲目はテッポ・ハウタ=アホ「カデンツァ」です この曲はフィンランド出身の作曲家でコントラバス奏者テッポ・ハウタ=アホ(1941ー2021)が1969年に作曲、1984年に改訂した作品です

原田遼太郎のコントラバス独奏で演奏されますが、作曲者がコントラバス奏者であることからかなり技巧的な曲で、1本のコントラバスから「音色、いろいろ」の音楽が立ち現れました

2曲目はピアソラ「チェロとコントラバスのための5つのタンゴ」です この曲はドイツのコントラバス奏者ヴィーベッケ・ゴットシュタインが、アストル・ピアソラ(1921ー1992)のタンゴから5つを選び、2000年頃にチェロとコントラバス用に編曲した作品です 第1曲「J’attends」、第2曲「La Misa Pena」、第3曲「Saint Louis en L’lle(サン=ルイ島)」、第4曲「Guardia Nueva」、第5曲「Adios Nonino(さよならパパ)」の5曲です

演奏は弘田徹のチェロと原田遼太郎のコントラバスです 弘田がこれほどピアソラにのめり込んでいるとは思わなかった、というのが正直な感想です タンゴ独特のリズムを小気味よく刻んでいきます 原田がしっかりと合いの手を入れます。爽快な演奏でした

3曲目はシュルホフ「フルート、ヴィオラとコントラバスのためのコンチェルティーノ」です この曲はチェコの作曲家アーヴィン・シュルホフ(1894ー1942)が1925年に作曲した作品です 第1楽章「アンダンテ・コン・モト」、第2楽章「フリアント」、第3楽章「アンダンテ」、第4楽章「ロンディーノ」の4楽章から成ります

演奏は野津雄太のフルート、瀧本麻衣子のヴィオラ、原田遼太郎のコントラバスです 第1楽章冒頭のフルートの長閑な演奏を聴いていたら、何故か日本の田舎の風景を思い浮かべました 第2楽章では野津がピッコロに持ち替えて陽気なダンスの音楽を奏でます ヴィオラとコントラバスを交えた演奏は、チェコの村祭りといった雰囲気です 第4楽章では、野津がフルートとピッコロを演奏の度に持ち替えて八面六臂の活躍を見せました 全体を通してとても楽しい演奏でした

 

     

 

プログラム後半の1曲目はシュペルガー「コントラバス、フルート、ヴィオラとチェロのための四重奏曲 ニ長調」です この曲はモーツアルトと同時代にチェコで活躍した宮廷コントラバス奏者シュぺルガー(1750ー1812)が作曲した作品です 第1楽章「アレグロ・コン・エスプレッシオーネ」、第2楽章「アンダンテ・グラツィオーソ」、第3楽章「フィナーレ:アレグロ」の3楽章から成ります 演奏はコントラバスの原田、フルートの野津、ヴィオラの瀧本、チェロの弘田の4人です

タイトルの最初にコントラバスが来ていることから分るように、この作品ではコントラバスとフルートがメロディーラインを演奏します 極めて珍しい曲だと思います 第1楽章のフルートとコントラバスを中心とする演奏を聴いて、「モーツアルト的」なメロディーだなと思いました 第2楽章ではモーツアルトの「魔笛」のような音楽が聴こえてきて”おやおや”と思いました 第3楽章のアレグロは軽快な演奏でした

最後の曲はプロコフィエフ「五重奏曲 ト短調 作品39」です この曲はセルゲイ・プロコフィエフ(1891ー1953)が1924年に作曲、1927年にモスクワで初演されました オーボエ、クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスという珍しい編成ですが、この曲の作曲を委嘱したサーカス団の楽隊がこの組み合わせだったことによります 第1楽章「テーマ・コン・ヴァリアツィオー二」、第2楽章「アンダンテ・エネルジコ」、第3楽章「アレグロ・ソステヌート・マ・コン・ブリオ」、第4楽章「アダージョ・ペサンテ」、第5楽章「アレグロ・プレシピタート、マ・コン・ブリオ」、第6楽章「アンダンティーノ」の6楽章から成ります 

演奏は神農広樹のオーボエ、マルコス・ペレス・ミランダのクラリネット、田村直樹のヴァイオリン、瀧本麻衣子のヴィオラ、原田遼太郎のコントラバスの5人です

初めて聴く曲ですが、とても面白い曲でした ヴァイオリン主導というよりは、威勢のいいミランダのクラリネット主導で刺激的な演奏が展開したように感じました 特に印象に残ったのは第4楽章で、オーボエが不穏な雰囲気を醸し出し、弦楽器がそれに輪をかけて不気味な音楽を奏で、おどろおどろしさを感じさせました 一転して第5楽章の疾走感が忘れられません 原田のピッツィカートも素晴らしかったです 全楽章を通して「音色、いろいろ」聴けました

満場の拍手に、7人全員が登場し、プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」から「ガボット」を軽快に演奏、再び大きな拍手に包まれました

この日のコンサートは、演奏が進む度に演奏者が一人ずつ増えていくという周到な考えに基づく公演でしたが、「音色、いろいろ」バラエティに富んでいて楽しく聴くことが出来ました とくに感心したのは、今回の公演の”仕掛け人”である原田遼太郎の企画力です 「よくもコントラバスを中心とした作品を、しかも演奏する人数が曲ごとに異なる作品をこれだけ集めたものだ」と思います 素晴らしいコンサートでした

 

     

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